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武田薬品とArrowhead社によるα-1アンチトリプシン欠乏症における肝疾患を対象とする「ARO-AAT」の開発および販売に関する提携について

2020年10月9日

- α-1アンチトリプシン欠乏症による肝疾患の根本的な原因を治療するファースト・イン・クラスの薬剤となる可能性
- Arrowhead社は、3億米ドルの契約一時金と、最大7億4000万米ドルの開発・申請・販売マイルストンの、合わせて最大10億4000万米ドルを受領する権利を有する
- 米国では臨床段階にあるARO-AATを共同で開発し、利益を50:50で折半する形で共同で販売
- 米国外の地域では、武田薬品がARO-AATの独占販売権を取得

武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK、以下「武田薬品」)とArrowhead Pharmaceuticals Inc. (NASDAQ: ARWR、以下「Arrowhead社」)は、このたび、α-1アンチトリプシン欠乏症による肝疾患(AATLD)を対象とし、現在臨床第2相試験の段階にあるRNA干渉(RNAi)治療候補薬「ARO-AAT」の開発に向けた提携およびライセンス契約を締結しましたので、お知らせします。ARO-AATは、AATLDの進行を引き起こす変異型α-1アンチトリプシン蛋白の産生を低減する目的で設計されたファースト・イン・クラスの治療薬となる可能性があります。

本契約に基づき、武田薬品とArrowhead社は、ARO-AATを共同で開発するとともに、本薬が承認された場合、米国においては両社が利益を50:50で折半する形で共同で販売を行います。武田薬品は、全世界における販売戦略を主導するとともに、米国外の地域でのARO-AATの独占販売権を取得します。Arrowhead社は、売上収益に対する20-25%の段階的なロイヤルティを受け取ります。Arrowhead社は、3億米ドルの契約一時金を受領するとともに、開発、申請、販売マイルストンとして最大7億4000万ドルを受け取る権利を有します。本契約上の取引は、米国で1976年に制定された改正Hart-Scott-Rodino (HSR)反トラスト法を含む独占禁止法上の審査が完了することを条件としています。

武田薬品のGastroenterology Therapeutic Area UnitのHeadであるAsit Parikhは、「AATLDは、未だ承認された治療法のない難病です。ARO-AATはRNAiに作用することから、AATLDの根本的な原因を治療する可能性があり、肝移植や併発疾患を回避することも期待されます。私たちは、Arrowhead社と連携してこの末期肝疾患を対象とした治療候補薬の開発を進めることでα-1アンチトリプシン関連疾患領域に貢献するとともに、武田薬品の消化器系ポートフォリオのさらなる充実が図られることを嬉しく思います」と述べています。

Arrowhead社のPresident and CEOであるChristopher Anzaloneは、「武田薬品は消化器系疾患および希少疾患の領域においてグローバルで事業を展開しており、支払者や規制当局との豊富な経験も有しています。また、α-1アンチトリプシン関連疾患領域においても長く貢献してきた実績があり、ARO-AATにおいて連携する上で理想的なパートナーです。本提携により、患者さんや医療関係者の皆さんとも連携し、AATDL患者の強いアンメットメディカルニーズに応えてまいります。今回の契約は、当社のTargeted RNAi Molecule (TRiMTM)の基盤技術および多様な組織をターゲットとするRNAi治療法のパイプラインの拡大に対して、厳選したパートナーシップを通じて継続的に投資するという当社の戦略を支えるものであり、また、当社の販売組織を代謝性心血管系疾患および肺疾患の2つの主要領域に注力させるものです」と述べています。

α-1アンチトリプシン関連肝疾患について
α-1アンチトリプシン欠乏症(AATD)は、希少な遺伝子性疾患で、小児患者と成人患者では肝疾患、成人患者では肺疾患を伴うことがあります。AATDの有病率は、米国では3,000~5,000人に1人、欧州では2,500人に1人とされています。αアンチトリプシン(AAT)は、主に肝細胞で合成、分泌される蛋白質です。この蛋白質は、正常な結合組織を分解する酵素を阻害する働きをもちます。AATDで最も頻繁にみられるZ型遺伝子変異は1つのアミノ酸が置換される変異で、作られた蛋白質は正しく折りたたまれることができません。この変異蛋白質は十分に分泌されずに肝細胞にとどまり、小球を作ります。これにより肝細胞が傷つき、線維化や肝硬変が現れ、肝細胞がんのリスクが高まります。

ホモ接合型のPiZZ遺伝子型をもつ患者さんでは、体内で機能するAATがきわめて少なく、肺疾患や肝疾患を引き起こします。肺疾患の主な治療法は、AAT強化療法です。肝疾患はAAT強化療法では効果がみられず、肝疾患を対象とする治療薬は存在しません。現在、治癒が望める治療法は肝移植しかありませんが、肝移植は合併症発現率や死亡率が高い手技であり、大きなアンメットニーズがあります。

ARO-AATについて
ARO-AATは、AATD患者の進行性肝疾患の原因である肝臓での変異型α-1アンチトリプシン(Z-AAT)蛋白質の産生を阻止する目的で設計されました。炎症をもたらすZ-AAT蛋白質の産生が低下することで、肝疾患の進行が阻止されると期待され、肝臓の再生や修復に至る可能性もあります。

Arrowhead Pharmaceuticalsについて
Arrowhead Pharmaceuticalsは、疾患の原因となる遺伝子の働きを止めることで難治性疾患の治療につながる医薬品の開発を進めています。RNAケミストリーと効率的な送達技術を活用してRNA干渉機構を刺激し、標的とする遺伝子に対して速やかかつ徹底的で長期間にわたるノックダウンを行います。RNA干渉(RNA interference, RNAi)は、細胞内にある機構の一種で、特定の遺伝子の発現を阻止することで特定の蛋白質の産生に影響を及ぼします。Arrowhead社のRNAiベースの治療薬は、生体内にある遺伝子抑制(遺伝子サイレンシング)のプロセスを活用しています。詳細については、www.arrowheadpharma.comをご覧ください。

武田薬品について
武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、日本に本社を置き、自らの経営の基本精神に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。武田薬品のミッションは、優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献することです。研究開発においては、オンコロジー(がん)、希少疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)および消化器系疾患の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤およびワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(創薬手法)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80カ国で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。
詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。

以上