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武田薬品とニューヨーク科学アカデミーによる"2020 Innovators in Science Award"の受賞者発表について

2020年7月9日

- 2020年のアワードは、希少疾患領域における優れた研究者が受賞

武田薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、以下「武田薬品」)とニューヨーク科学アカデミー(The New York Academy of Sciences、本部:米国ニューヨーク州ニューヨーク、以下「NYAS」)は、このたび、今年で3回目となる学術賞“Innovators in Science Award”の受賞者を発表しましたのでお知らせします。今回は、希少疾患の研究分野を大きく前進させた革新的な優れた研究に対して本アワードが贈られます。受賞者にはそれぞれ20万米ドルが授与されます。

2020年のSenior Scientist Awardは、コールド・スプリング・ハーバー研究所のセントジャイルズ財団の教授であるAdrian R. Krainer博士に贈られます。DNAの遺伝情報をタンパク質に変換する過程の1段階である、RNAスプライシングの機序と制御に関する優れた研究が評価されました。Krainer博士は、脊髄性筋萎縮症(SMA)患者さんにおけるスプライシング異常を研究対象としています。脊髄性筋萎縮症は小児期に発症する遺伝性の神経筋疾患で、運動ニューロンが消失することで筋肉の萎縮が進行し、死に至ります。Krainer博士の研究は、遺伝性の神経変性疾患の発症を遅らせ、抑制する可能性をもつ初の医薬品の開発につながり、この治療薬は世界各国の規制当局より承認を得るに至りました。

Krainer博士は、「希少疾患は、世界中の何百万ものご家族に影響を及ぼしており、ご家族は治療薬を一刻でも早く手にしたいと願い、私たちの助けを待っています。脊髄性筋萎縮症の治療に初めて承認された医薬品の開発に向けて、私の研究室と同僚が行った研究を評価いただいたことを、大変光栄に思います。私たちは、基礎研究者として、好奇心を原動力に研究を進め、発見の感動を経験してきました。私たちの研究が、実際に患者さんの生活を改善する医薬品として実を結んだことを、何よりも嬉しく感じます」と述べています。

2020年のEarly-Career Scientist Awardは、韓国科学技術院(Korea Advanced Institute of Science and Technology, KAIST)の准教授である Jeong Ho Lee博士に贈られます。脳の幹細胞に生じ、稀な脳発達障害を引き起こす遺伝子変異に関する研究が評価されました。Lee博士は、難治性てんかんの原因を世界で初めて特定し、限局性皮質異形成、ジュベール症候群(脳幹の形成異常により生じる疾患)、片側巨脳症(片側の大脳半球が異常に大きく形成される疾患)など脳の発達異常により生じる疾患の原因となる遺伝子を同定しました。Lee博士は、National Creative Research Initiative Center for Brain Somatic Mutationsの所長であるとともに、低レベルの体細胞変異によって生じる難治性の中枢神経系(CNS)疾患に対する新たな治療薬と診断法の創出を目的とするバイオ医薬品企業SoVarGen社の共同設立者兼最高技術責任者(CTO)でもあります。

Lee博士は、「私が尊敬してやまない世界的な科学者である審査員の方々に受賞者として選出いただいたことを大変光栄に思います。さらに重要なことは、今回の受賞により、脳の体細胞変異の研究が、未だ治療法のない深刻な神経疾患に苦しむ患者さんの助けとなる重要な研究領域であると認識いただいたことであります」と述べています。

2020年の受賞者は、2020年10月にバーチャルで開催されるInnovators in Science Award授賞式/シンポジウムで表彰される予定です。この授賞式/シンポジウムでは、遺伝疾患、神経系疾患、代謝疾患、自己免疫疾患、心血管系希少疾患における最新の科学的知見や治療薬の進歩について、世界中から第一線で活躍する研究者や臨床医、産業界のステークホルダーが集う機会が提供されます。

武田薬品のResearch & DevelopmentのPresidentであるAndrew Plumpは、「当社にとって、患者さんは私たちの進むべき道を示す北極星のような存在です。希少疾患を持つ患者さんは、往々にして、画期的医薬品の創薬と開発に関して、十分な恩恵を受けていない状況にあります。Krainer博士やLee博士のような科学者による革新的な研究から得られる知見は、患者さんの生活を変える可能性を持つ先駆的なアプローチや新薬の開発へつながります。私たちがNYASと共に、彼等の研究を広く共有し、支持できることを誇りに思い、そして願わくはこの前途有望な科学的知見を前進させていきたいと思います」と述べています。

NYASのプレジデント兼CEOであるNicholas Dirks博士は、「科学を世界とつなげ、社会が直面する喫緊の課題に取り組むことは、私たちのミッションの中核を成しています。今年3回目を迎えたInnovators in Science Awardでは、ゲノムの力を解き放ち、世界各地の希少疾患の患者さんの差し迫ったニーズに応えるイノベーションをもたらすべく活動する科学界のリーダー2人を称えることができ、光栄に思います」と述べています。


Innovators in Science Awardについて
“Innovators in Science Award”では、毎年二件の研究が表彰され、一件はEarly-Career Scientist、もう一件は一流のSenior Scientistを対象に、その際立った独創性や研究のインパクトを讃えます。また、表彰者にはそれぞれ20万米ドルが与えられます。本アワードの対象は、優れた科学上の実績を有する世界中の大学、学術機関、政府、非営利機関およびこれらと同等の機関からのノミネートに限られ、神経科学、消化器病学、腫瘍学、再生医療の4つのうちの1つの対象領域における有望なEarly-Career Scientistおよび最も卓越したSenior Scientistから表彰者が選ばれます。最終選考対象者および受賞者は、NYASが本アワードから独立して選任した専門家で構成される選考委員会によって選出されます。NYASが武田薬品と連携して本アワードを運営しています。詳細についてはInnovators in Science Awardのウェブサイトをご覧ください。

武田薬品工業株式会社について
武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、日本に本社を置き、自らの経営の基本精神に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。武田薬品のミッションは、優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献することです。 研究開発においては、オンコロジー(がん)、希少疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)および消化器系疾患の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤およびワクチンにも注力しています。 武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(創薬手法)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。 武田薬品は、約80の国および地域で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。 詳細については、https://www.takeda.comをご覧ください。

The New York Academy of Sciencesについて
The New York Academy of Sciencesは、1817年以来、科学的な研究、教育、政策を推進することにより社会が抱える課題をイノベーションによって解決してきた、独立した非営利組織です。本アカデミーは100ヶ国に2万人以上の会員を有し、人類に貢献するグローバルなサイエンス・コミュニティを創造しています。本アカデミーは、科学的知見を高め、地球規模の問題に対して科学に基づくソリューションを提供して社会に良い影響をおよぼし、社会のより多くの人々に科学情報を伝えることを基本使命としています。詳細についてはwww.nyas.orgをご覧ください。

以上