EGFRエクソン20挿入変異を伴う非小細胞肺がんに対する治療薬mobocertinib (TAK-788)のFDAによるBreakthrough Therapy指定について

2020年4月28日

- 本指定により、特異的な患者に対する標的療法の選択肢に進歩の可能性

当社は、このたび、プラチナ製剤をベースとした化学療法を実施中あるいは実施後に病勢が進行した上皮増殖因子受容体(EGFR)エクソン20挿入変異を伴う転移性非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対する治療薬mobocertinib (一般名、開発コード:TAK-788)を米国食品医薬品局(FDA)がBreakthrough Therapyに指定しましたのでお知らせします。現在、本疾患に対する既存の治療薬はありません。mobocertinibは、EGFRおよびヒトEGFR2(HER2)エクソン20挿入変異を選択的に標的とするよう設計された低分子チロシンキナーゼ阻害薬です。

今回のBreakthrough Therapy指定は、EGFRエクソン20挿入変異を伴い、全身化学療法による治療歴を有する局所進行あるいは転移性非小細胞肺がんの患者を対象に、mobocertinibの安全性および有効性を評価する臨床第1/2相試験における全奏効率(ORR)および奏効患者に対する長期的な効果に基づいています。本指定は、標的療法が存在せず、現在の治療選択肢があまり効果をもたらさない患者のニーズを満たす点において、治療の進歩の可能性を示唆するものです。

当社Oncology Therapeutic Area UnitのHeadであるChristopher Arendtは、「mobocertinibが、有効な治療オプションが切望されているEGFRエクソン20挿入変異を伴う非小細胞肺がんの患者さんに対する治療薬になり得るとFDAに理解いただいたことを嬉しく思います。当社は、治療が難しい疾患に対する新規治療薬の開発に取り組んでおり、今回のmobocertinibのBreakthrough Therapy指定により、十分な治療を受けられない本疾患の患者さんに対する現在の標準治療を変える一助となる当社の取り組みが一歩前進したと考えています」と述べています。

Lung Cancer Patient, Advocateであり、EGFR ResistersのCo-FounderであるJill Feldmanは、「ほとんどのEGFR変異は、既存のチロシンキナーゼ阻害薬の標的となり得るものの、エクソン20挿入変異を伴う患者さんは、既存のEGFR阻害薬の効果があまり期待できないため、しばしば苦しみを伴い、忘れ去られた感覚になります。mobocertinibが、既存の治療オプションがない本疾患の患者さんの延命につながる可能性に期待しています」と述べています。

FDAによるBreakthrough Therapy指定は、重篤または生命を脅かす疾患の治療を目的とした薬剤の開発および規制当局による審査を加速するために行われます。本指定を受けた治療薬は、1つ以上の臨床的に重要な評価項目において、既存の治療薬よりも大幅な改善を実証し得ることを示唆する予備的な臨床エビデンスを示しています。

当社は、4月28日(火)の11:40~11:34(米国東部時間)に、米国癌学会議(AACR)のVirtual Annual Meeting IのNew Drugs on the Horizon sessionにおいて、mobocertinibの薬剤の構造の開示を含む本薬の開発について初めて発表する予定です。

<EGFR エクソン20挿入変異を伴う非小細胞肺がんについて>
世界保健機関(WHO)によれば、非小細胞肺がんは最も一般的な肺がんであり、毎年世界中で診断される肺がんの推定新規患者数180万人の約85%を占めています。EGFRエクソン20挿入変異を伴う患者は、非小細胞肺がん患者のわずか約1~2%しか占めていません。現在、エクソン20挿入変異に対するFDAが承認した治療薬は存在しておらず、既存のEGFRチロシンキナーゼ阻害薬および化学療法の効果は限定的であるため、EGFRエクソン20挿入変異を伴う疾患は他のEGFR変異を伴う疾患よりも予後が不良です。

<mobocertinib (TAK-788)について>
mobocertinibは、EGFRおよびHER2エクソン20挿入変異を選択的に標的とするよう特異的に設計された強力な低分子チロシンキナーゼ阻害薬です。2019年、FDAは、エクソン20挿入変異などのHER2変異あるいはEGFR変異を伴う肺がんの治療薬として、mobocertinibのOrphan Drug指定を行いました。

治療歴を有するEGFRエクソン20挿入変異を伴う患者を対象に、mobocertinibを1日1回160mg投与した際の有効性と安全性を評価する進行中のmobocertinibの臨床第1/2試験の結果、局所進行または転移性EGFRエクソン20挿入変異を伴う非小細胞肺がん患者において、mobocertinibは、無増悪生存期間(PFS)の中央値が7.3カ月であり、全奏効率(ORR)は43%(n=12/28)に確認されました。mobocertinibの安全性プロファイルは管理可能でした(N=72)。mobocertinibとの因果関係が否定できない主な有害事象は、下痢(85%)、悪心(43%)、発疹(36%)、嘔吐(29%)および食欲不振(25%)でした。これらの結果は、2019年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で発表されました。

mobocertinib開発プログラムは、非小細胞肺がん患者を対象に開始され、他の癌腫において十分な効果を得られない患者に対象が拡大することが見込まれています。mobocertinibは、有効性および安全性が確立していない開発中の治療薬です。

<武田薬品について>
武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、日本に本社を置き、自らの経営の基本精神に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。武田薬品のミッションは、優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献することです。研究開発においては、オンコロジー(がん)、希少疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)および消化器系疾患の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤およびワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(創薬手法)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80カ国で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。
詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。

以上