生物学的製剤の投与経験がない潰瘍性大腸炎患者またはクローン病患者を対象としたリアルワールドデータを用いたレトロスペクティブ解析によるベドリズマブおよび抗TNFα抗体製剤の安全性結果について

2019年10月21日

- 欧州消化器病週間(UEG Week)2019で発表された最新のリアルワールドデータにより、過去に生物学的製剤の投与経験がない中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎患者またはクローン病患者における、消化管に選択的に作用する生物学的製剤であるベドリズマブの臨床エビデンスをさらに拡充

当社は、このたび、診療記録を用いたレトロスペクティブ研究であるEVOLVEの結果を発表しましたのでお知らせします。本研究は、過去に生物学的製剤の投与経験のない中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎(UC)患者またはクローン病(CD)患者を対象に、ベドリズマブおよび抗TNFα抗体製剤による重篤な有害事象および重篤な感染症の発現の可能性を、実臨床の場において調査したものです。これらのデータは、スペインのバルセロナで開催された欧州消化器病週間(UEG Week)2019におけるオーラルプレゼンテーションセッションにおいて発表されました。

ベドリズマブまたは抗TNFα抗体製剤(アダリムマブ、インフリキシマブ、ゴリムマブまたはセルトリズマブ・ぺゴル)の投与を受けている、過去に生物学的製剤の投与経験のない1,000名以上のUC患者およびCD患者からのデータを収集し、重篤な有害事象および重篤な感染症の発現割合(100人年あたり)をコホートごとに推計しました。最初の重篤な有害事象の発現割合(ベドリズマブ群:4.6[3.5-6.8]、抗TNFα抗体製剤群:10.3[9.5-14.9])、および最初の重篤な感染症の発現割合(ベドリズマブ群:1.4[0.8-2.5]、抗TNFα抗体製剤群: 2.6[1.7-4.3])は、いずれもベドリズマブ投与群において発現割合が低いと推定されました。また、消化管感染症についてもベドリズマブ投与群の発現率が抗TNFα抗体製剤投与群と比較して低いと推定されました(それぞれ1.1%および4.3%、p<0.01)。UC患者ならびにCD患者それぞれの部分集団において推計した場合でも、同様の傾向が認められました。

当社のGlobal Outcomes Research-Gastroenterology HeadであるMichelle Luoは、「診療記録を用いたレトロスペクティブ研究には限界があり、完全な結果を示すものではありませんが、実臨床におけるエビデンスにより、我々は臨床の場における治療結果に対する理解を深めることができ、患者さんにとって適切な治療法を選択いただくための有益な情報を医師の方々へ提供することができます。EVOLVEのような最新のリアルワールドエビデンスを科学会や臨床学会へ提供できることは、患者さんのケアを常に改善していくことに継続的に取り組む当社のコミットメントを表すものです」と述べています。

今回のEVOLVEに関する発表は、欧州消化器病週間(UEG Week)で発表されたベドリズマブ関連の9つの抄録の1つです。その他、ベドリズマブの有効性および安全性を評価した臨床試験の新規データ、炎症性腸疾患の管理における臨床判断支援ツールの新たな評価などについて発表されました。

<EVOLVEについて>
EVOLVEは、ベドリズマブまたは抗TNFα抗体製剤の投与を受けた、過去に生物学的製剤の投与経験のない中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎(UC)患者またはクローン病(CD)患者における診療記録を用いたリアルワールドデータレトロスペクティブ研究です。2014年5月から2018年3月の間にベドリズマブまたは抗TNFα抗体製剤(アダリムマブ、インフリキシマブ、ゴリムマブまたはセルトリズマブ・ペゴル)の投与を開始し、6ヵ月以上の追跡調査を受けた患者を対象とし、カナダ、ギリシャおよび米国の42医療機関から、過去に生物学的製剤の投与経験のない1095名の患者さんからデータを収集しました。うち598名がベドリズマブを(UC=380、CD=218)、497名が抗TNFα抗体製剤を(UC=224、CD=273)投与されていました。ベースラインにおける患者特性により調整されたCox比例ハザードモデルを使用し、投与群間の発現割合を比較しました。

診療記録を用いたレトロスペクティブ研究は、研究課題を解決するために、患者さんの医療記録を実臨床現場から収集する研究デザインとなっています。評価対象となるデータは研究が開始される前から既に収集されており、研究目的や特定の研究課題に対する解答を得るために、当初から意図して収集されたデータではありません。診療記録を用いたレトロスペクティブ研究は、臨床現場における治療結果への医師の理解を促進するうえで重要な研究ですが、評価された医療記録が完全ではない可能性があるため、診療記録を用いたレトロスペクティブ研究は、プロスペクティブ研究と比較してバイアスが入りやすいという傾向があります。


<武田薬品について>
武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、日本に本社を置き、自らの経営の基本精神に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。武田薬品のミッションは、優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献することです。研究開発においては、オンコロジー(がん)、消化器系疾患、希少疾患およびニューロサイエンス(神経精神疾患)の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤およびワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(創薬手法)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80の国および地域で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。
詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。

以上