潰瘍性大腸炎を対象にベドリズマブおよびアダリムマブを直接比較した臨床試験結果がNEJMに掲載

2019年9月26日

当社は、このたび、消化管に選択的に作用する生物学的製剤であるベドリズマブ(製品名:Entyvio®、国内製品名:エンタイビオ®)が、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎患者を対象に、生物学的製剤で抗TNFα抗体製剤であるアダリムマブを直接比較した臨床試験において、主要評価項目である臨床的寛解についてベドリズマブが有意に優れる結果を示したデータが、The New England Journal of Medicine(以下、「NEJM」)に掲載されましたのでお知らせします。主要評価項目である治療期52週時点での臨床的寛解[*]を達成したのは、アダリムマブ群では22.5%(386名中87名)であったのに対し、ベドリズマブ群では31.3%(383名中120名)でした(p=0.006)。

副次評価項目では、ベドリズマブ群はアダリムマブ群と比較して、52週時点において有意に高い粘膜治癒率[†]が認められました[アダリムマブ群:27.7%(386名中107名)、ベドリズマブ群:39.7%(383名中152名)、p<0.001]。ベースラインで経口の副腎皮質ステロイドを使用し、その後に副腎皮質ステロイドの使用を中止し、52週時点で臨床的寛解[‡]の状態にある患者の割合においては、ベドリズマブ群はアダリムマブ群と比較して有意な差[アダリムマブ群:21.8%(119名中26名)、ベドリズマブ投与群:12.6%(111名中14名)]を示すことができませんでした。探索的解析として、経口の副腎皮質ステロイド使用量のベースラインから52週時点までの変化率(中央値)は、ベドリズマブ群(-10.0mg)に対し、アダリムマブ群(-7.0mg)でした。

探索的解析では、抗TNFα抗体製剤の投与経験がない患者層[アダリムマブ群:24.3%(305名中74名)、ベドリズマブ群:34.2%(304名中104名)]および過去に抗TNFα抗体製剤を投与された患者層[アダリムマブ群:16.0%(81名中13名)、ベドリズマブ群:20.3%(79名中16名)]のいずれの層においても、治療期52週時点の臨床的寛解率について高い結果が、新たな探索的データとしてNEJMに掲載されました。その他の探索的解析では、治療期14週時点における臨床的寛解率は、アダリムマブ群:21.2%(386名中82名)に対し、ベドリズマブ群:26.6%(383名中102名)でした。また、持続寛解率[§]は、アダリムマブ群:11.9%(386名中46名)に対し、ベドリズマブ群:18.3%(383名中70名)でした。

NEJMに掲載されたその他の探索的解析では、炎症性腸疾患質問票スコア(IBDQ)による生活の質(以下、「QOL」)の評価において、ベースラインから52週時点までに16ポイント以上改善した患者の割合において、ベドリズマブ群がアダリムマブ群と比較して高い結果[アダリムマブ群:42.2%(386名中163名)、ベドリズマブ群:52.0%(383名中199名)]を示しました。

VARSITY試験の責任医師で、ニューヨークのDr. Henry D. Janowitz Division of Gastroenterology at Mount Sinai Hospital and the Icahn School of Medicine at Mount SinaiのChiefであるBruce E. Sands博士は、「潰瘍性大腸炎のような、長期にわたり患者さんのQOL低下を招く疾患においては、疾患に関する様々な側面からの緩和を得ることが重要になります。VARSTY試験の結果は、潰瘍性大腸炎患者に対して、医師が生物学的製剤による治療を開始する際に、治療選択肢を決定するための有用な情報を提供しています」と述べています。

臨床的改善および組織学的寛解に関するベドリズマブおよびアダリムマブの治療効果を評価するための探索的解析も行われました。追加された探索的解析では、14週時点における臨床的改善[**]は、アダリムマブ群:45.9%(386名中177名)に対し、ベドリズマブ群:67.1%(383名中257名)でした。治療期6週時点という早期の段階からベドリズマブ群における改善がみられはじめました。52週時点において、Geboes Score(3.2未満)およびRobarts Histopathology Index(5未満)によってそれぞれ定義された組織学的寛解を達成した患者の割合[††]は、アダリムマブ群:13.7%(386名中57名)および25.6%(386名中99名)に対し、ベドリズマブ群:33.4%(383名中128名)および42.3%(383名中162名)でした。

当社のExecutive Medical DirectorであるJeff Bornsteinは、「VARSTY試験は、潰瘍性大腸炎の治療において異なる作用機序を有する2つの医薬品である消化管選択的抗α4β7インテグリン抗体製剤のベドリズマブと抗TNFα抗体製剤のアダリムマブを直接比較する初めての試験であり、QOLの改善を含む様々な有効性評価を通してベドリズマブの有用性を患者さんへ示すものです。これらの結果は、潰瘍性大腸炎に対する生物学的製剤のファーストラインとしてベドリズマブを使用することを支持するものです」と述べています。

本試験は、安全性を比較するにあたって十分な検出力を有する試験ではありませんが、治療期間中における有害事象の発現率は、ベドリズマブ群がアダリムマブ群と比較して低い結果でした[アダリムマブ群:69.2%(386名中267名)に対し、ベドリズマブ群:62.7%(383名中240名)]。重篤な有害事象の発現率は、ベドリズマブ群がアダリムマブ群と比較して低い結果でした[アダリムマブ群:13.7%(386名中53名)に対し、ベドリズマブ群:11.0%(383名中42名)]。有害事象により投与を中止された患者の割合はいずれの群も同様でした。

 

[*] 主要評価項目である臨床的寛解は、完全Mayoスコア(潰瘍性大腸炎の疾患活動性を評価するための指標)が2ポイント以下、かつ全てのサブスコアが1ポイント以下と定義

[†] 副次評価項目である粘膜治癒は、Mayo内視鏡サブスコアが1ポイント以下と定義

[‡] 副次評価項目であるステロイドフリー臨床的寛解は、ベースライン(0週)で副腎皮質ステロイドを経口で使用しており、その後使用を中止し、52週時点で臨床的寛解の状態にある患者と定義

[§] 探索的評価項目である持続寛解率は、14週時点および52週時点で臨床的寛解を示した患者と定義

[**] 探索的評価項目である臨床的改善は、14週時点における完全Mayoスコアが3ポイント以上減少かつ
30%以上ベースラインから減少、ならびに血便サブスコアが1ポイント以上減少もしくは血便サブスコアが1ポイント以下と定義

[††] 探索的評価項目である組織学的疾患活動性は、消化管内視鏡による炎症度評価と定義。組織学的疾患活動性の消失は、Geboes Scoreが3.2未満もしくはRobarts Histopathology Indexが5未満と定義

 

<武田薬品について>
武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、日本に本社を置き、自らの経営の基本精神に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。武田薬品のミッションは、優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献することです。研究開発においては、オンコロジー(がん)、消化器系疾患、希少疾患およびニューロサイエンス(神経精神疾患)の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤およびワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(創薬手法)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80の国および地域で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。
詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。

以上