Takeda logo

うつ病治療薬「トリンテリックス®錠」の日本における製造販売承認取得について

うつ病治療薬「トリンテリックス®錠」の日本における製造販売承認取得について


Calendar
September 20, 2019

− 日本のうつ病患者さんに新規作用機序を持った新たな治療選択肢
− 493例の日本の成人大うつ病性障害患者さんを対象とした国内臨床第3相試験においてボルチオキセチン群は主要評価項目でうつ症状をプラセボ群に対し統計学的に有意に改善
− 日本では約300万人(人口の約2.5%)が罹患*

武田薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、以下「武田薬品」)と H. Lundbeck A/S (本社:デンマーク コペンハーゲン、以下「ルンドベック社」)は、2019年9月20日「トリンテリックス®錠10㎎、20㎎」(一般名:ボルチオキセチン臭化水素酸塩、以下「トリンテリックス」)について、厚生労働省よりうつ病・うつ状態に対する治療薬として、製造販売承認を取得したことをお知らせします。ボルチオキセチンは、米国、欧州、カナダ、チリ、中国、メキシコ、アルゼンチン、韓国、トルコ、オーストラリア、香港、シンガポール、および南アフリカ共和国を含む計83カ国で承認されています。

武田薬品は、ボルチオキセチンが、うつ病の症状をプラセボと比較して統計学的に有意に改善したことを示す国内臨床第3相試験(NCT02389816)の結果を基に、2018年9月に厚生労働省に製造販売承認申請を行いました。本申請は、他にグローバル(NCT01255787)および日本(NCT01355081NCT01395147)で実施した主要な3つの臨床試験の結果にも基づいています。

本試験(NCT02389816)は、国内第3相無作為化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験で、日本の成人反復性うつ病患者さん493例をボルチオキセチン10mg群、20mg群、プラセボ群のいずれかに無作為に割り付けました。主要評価項目は、投与8週時におけるMontgomery-Åsberg Depression Rating Scale(MADRS)合計スコアのベースライン(二重盲検期開始時)からの変化量でした。本試験では、日本の成人うつ病患者さんの治療薬としてボルチオキセチン群がプラセボ群に対して主要評価項目を含め良好な結果を示しました。

武田薬品 日本開発センター所長 廣田直美は、「トリンテリックスは、深刻で複雑な疾患であるうつ病で苦しむ日本の患者さん、そして医療関係者の皆さんにとって新しい治療オプションになるものと確信しています」と述べています。

ルンドベック社 Commercial Operations Executive Vice President Jacob Tolstrupは、「うつ病で苦しむ日本の患者さんに、この新しい治療選択肢を提供できることを大変喜ばしく思います。そして、今回ルンドベックは、武田薬品とのトリンテリックスのコ・プロモーションに伴い日本での営業活動を開始し、さらに多くの患者さんに貢献できることをうれしく思っています」と述べています。

ルンドベック社は2007年に日本におけるボルチオキセチンの共同開発および将来的な共同商業化に関する契約を武田薬品と締結しました。本承認後、武田薬品とルンドベック社はトリンテリックスのコ・プロモーションを行います。

以上

 

<大うつ病性障害について>
大うつ病性障害は、世界で約1億6,000万人が罹患している複雑な精神疾患です*。大うつ病性障害は、臨床的うつ病としても知られており、世界中で障害の主な原因になっていると同時に全世界で疾病負担の要因ともなっています。大うつ病性障害は、精神症状に加え、身体症状および認知障害を併発することがあります。その症状には、抑うつ気分、興味または喜びの著しい減退、有意の体重減少または体重増加、食欲の変化、不眠や過眠、精神運動焦燥または制止、疲労感または気力の減退、無価値感や過度の罪責感、思考力や集中力の減退、決断困難、および反復的な自殺念慮が含まれます。

<ボルチオキセチン(日本における製品名「トリンテリックス」)について>
ボルチオキセチンはセロトニン再取り込み阻害作用並びにセロトニン受容体調節作用(セロトニン3 受容体、セロトニン7 受容体及びセロトニン1D 受容体のアンタゴニスト作用、セロトニン1B 受容体部分アゴニスト作用、セロトニン1A 受容体アゴニスト作用)を有しており、セロトニンだけでなく、ノルエピネフリン、ドパミン、アセチルコリン、ヒスタミンの遊離を調節するとされています。本剤はこういった複数の薬理作用を併せ持つ初めてかつ唯一の化合物であると考えられています。

ボルチオキセチンは、デンマークのコペンハーゲンにあるルンドベック社の研究者により創製されました。日本では、武田薬品によって臨床試験プログラムが実施されました。

ボルチオキセチン(Trintellix®)は、大うつ病性障害成人患者さんの治療薬として2013年9月30日に米国食品医薬品局(FDA)から承認されました。さらに、欧州、カナダ、チリ、中国、メキシコ、アルゼンチン、韓国、トルコ、オーストラリア、香港、シンガポール、および南アフリカ共和国を含む計83カ国で承認されています。ボルチオキセチンは、米国、カナダ以外ではBrintellix®という製品名で販売されています。

<武田薬品について>
武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、日本に本社を置き、自らの経営の基本精神に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。武田薬品のミッションは、優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献することです。研究開発においては、オンコロジー(がん)、消化器系疾患、希少疾患およびニューロサイエンス(神経精神疾患)の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤およびワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(創薬手法)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80の国および地域で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。
詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。

<ルンドベック社について>
ルンドベックは精神・神経疾患に特化したグローバル製薬企業です。 70年以上にわたり精神・神経科学研究の最前線に立ち、精神・神経疾患をもつすべての人々のより良い生活を目指して支援しています。

世界で推定7億人を超える人々が精神・神経疾患を抱えて暮らしています。そしてあまりにも多くの人々が適切な治療を受けていない、偏見にさらされている、勤務日数が減少する、早期退職をせざるをえないなどの状況に苦しんでいます。
私たちルンドベックは日々、精神・神経疾患を患っている人々の治療の向上と、より良い生活のために努力を惜しみません。その取り組みを「Progress in Mind」(プログレス・イン・マインド)と呼んでいます。
Progress in Mindに関する詳しい情報は、 https://lundbeck.com/global/about-us/progress-in-mindをご覧ください。

ルンドベックは、現在50ヵ国以上、約5,000人以上の社員を擁し、研究、開発、製造、マーケティング、販売に従事しています。また、製品は100ヵ国以上で販売されており、研究センターはデンマーク及びカリフォルニア、製造工場はデンマーク、フランス、イタリアにあります。
2018年の収益は181憶デンマーククローネ(約3,019憶円)でした。
ルンドベックに関する詳しい情報は、www.lundbeck.com及びwww.lundbeck.co.jpをご覧ください。

<トリンテリックス®の概要>

製品名

トリンテリックス錠10㎎、トリンテリックス錠20㎎

一般名

ボルチオキセチン臭化水素酸塩

効能・効果

うつ病・うつ状態

用法・用量

通常、成人にはボルチオキセチンとして10mg を 1 日 1 回経口投与する。なお、患者の状態により 1 日 20mg を超えない範囲で適宜増減するが、増量は 1 週間以上の間隔をあけて行うこと。


<注意事項>
本文書に記載されている医薬品の情報は、両社の経営情報の開示を目的とするものであり、開発中のものを含むいかなる医薬品の宣伝、広告を目的とするものではありません。

* 出典: Global Burden of Disease Study 2017 http://ghdx.healthdata.org/gbd-results-tool
          (2019年9月11日アクセス)