潰瘍性大腸炎を対象とした2つの生物学的製剤を初めて直接比較し、ベドリズマブがアダリムマブに対し52週時点で有意に高い臨床的寛解を達成したVARSITY試験からの探索的データを 米国消化器病週間(DDW)2019において発表

2019年5月20日

本資料は、2019年5月19日(現地時間)に発表した英語版プレスリリースを翻訳・編集し、配信するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。英文のプレスリリースは、グローバルサイト:https://www.takeda.com/newsroom/からご覧下さい。

− ベドリズマブがアダリズマブと比較して、より多くの患者が14週時点で臨床的改善を達成したことが探索的データより示唆
− ベドリズマブがアダリムマブと比較して、消化管における顕微鏡的炎症のより大きな軽減と関連していることが組織学的疾患活動性の消失に関する追加の探索的データより示唆
− ベドリズマブがアダリムマブと比較して、52週時点で有意に高い臨床的寛解達成を示したVARSITY試験の主要評価項目に関する最近の発表に加え、今回の結果によりさらなる情報を提供


当社は、このたび、消化管に選択的に作用する生物学的製剤であるベドリズマブ(製品名:Entyvio®、国内製品名:エンタイビオ®)が中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎患者を対象に生物学的製剤で抗TNFα抗体のアダリムマブと直接比較して52週時点で有意に高い臨床的寛解の達成を示した臨床第3b相試験であるVARSITY試験から、さらに詳細な結果が得られましたのでお知らせします。新たな探索的データでは、ベドリズマブ静脈内投与群はアダリムマブ皮下投与群と比較し、14週時点でより多くの患者が臨床的改善を達成しました(ベドリズマブ群:67.1%、アダリムマブ群:45.9%)。2群間では、6週時点の早期の段階から、ベドリズマブ群の方が良好な形で改善に相違が見られました。これらの結果は、2019年の米国消化器病週間(DDW:Digestive Disease Week®)年次総会(5月18~21日、米国カリフォルニア州、サンディエゴ)において、ベドリズマブ関連の18のプレゼンテーション用の抄録の1つとして受理され、Distinguished Abstract Plenary Lecture Presentationで発表されました。

組織学的疾患活動性の消失に関する追加の探索的データについても同学会で発表されました。組織学的疾患活動性は、消化管内の顕微鏡的炎症の程度を評価する評価項目です。組織学的疾患活動性の消失は、予め定義された重症度の閾値を下回った場合に達成と判定されます。VARSITY試験では、Geboes Scoreが3.2未満、およびRobarts Histopathology Indexが5未満で組織学的疾患活動性は消失と判断され、それぞれの基準において、アダリムマブ群の13.7%および25.6%と比較して、ベドリズマブ群ではそれぞれ33.4%および42.3%の患者で組織学的疾患活動性の消失を達成しており、ベドリズマブ群における一貫した結果が認められています。

VARSITY試験の治験責任医師で、ニューヨークのDr. Henry D. Janowitz Division of Gastroenterology at Mount Sinai Hospital and the Icahn School of Medicine at Mount SinaiのChiefであるBruce E. Sands博士は、「VARSITY試験からの探索的データは、ベドリズマブ群はアダリムマブ群と比較して、より多くの患者さんで症状における早期の改善や顕微鏡的な腸炎の改善が認められたことを示しています。実臨床では、早期の症状改善と、臨床的寛解の達成に向けた患者支援という長期の治療目標のバランスが必要であるため、今回得られた所見は医師にとって非常に重要なものです」と述べています。

当社のExecutive Medical DirectorであるJeff Bornsteinは、「臨床試験により疾患への理解が進むことが患者さんの利益になります。潰瘍性大腸炎を対象として、2種類の生物学的製剤を初めて直接比較したVARSITY試験は、治療決定の際の根拠となり得る貴重な情報を提供する一方、これらの治療薬が顕微鏡レベルでどのように作用するかに関する当社の理解を深めるものでもあります。VARSITY試験からのデータは、ベドリズマブの一貫した結果を示しており、潰瘍性大腸炎におけるファーストラインの生物学的療法としてのベドリズマブの使用を支持するものです」と述べています。

<VARSITY試験について>
VARSITY試験は、無作為化、二重盲検、ダブルダミー、多施設共同、実薬対照の臨床第3b相試験で、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎患者を対象に、ベドリズマブ静脈内投与群とアダリムマブ皮下投与群を比較し、52週時点における有効性および安全性について評価する試験です。本試験では769名の患者が無作為に割り付けられました(ベドリズマブ群 n=383、アダリムマブ群 n=386)。全ての患者が、登録前に副腎皮質ステロイド、免疫調節薬、またはアダリムマブ以外の一つのTNFα薬に対して効果不十分、効果減弱または不耐性を示していました。患者は、ベドリズマブ300 mg静脈内投与とプラセボ皮下投与を行う群、もしくはアダリムマブ160 mg皮下投与とプラセボ静脈内投与を行う群のいずれかに無作為に割り付けられました。いずれの投与群においても、試験期間中の用量漸増は認められませんでした。

52週時点で、ベドリズマブ静脈内投与群では31.3%(383名中120名)の患者が、アダリムマブ皮下投与群では22.5%(386名中87名)の患者が主要評価項目である臨床的寛解を達成し、両群の間に統計学的有意差が認められました(p=0.0061)。また、ベドリズマブ群では39.7%の患者が、アダリムマブ群では27.7%の患者が、副次評価項目である52週時点での粘膜治癒率±を達成しました(p=0.0005)。ベースラインで経口の副腎皮質ステロイドを使用し、その後に副腎皮質ステロイドの使用を中止し、52週時点で臨床的寛解(ステロイドフリー臨床的寛解)の状態にある患者の割合においては、アダリムマブ群の方が結果は良好であったものの、統計学的有意差は認められませんでした。本試験は、両生物学的製剤の安全性を統計学的に比較する試験ではありませんが、有害事象全体の発現率は、アダリムマブ群(69.2%)と比較して、ベドリズマブ群(62.7%)で低く、感染症の発現率についてもアダリムマブ群(43.5%)と比較して、ベドリズマブ群(33.5%)で低い結果となりました。重篤な有害事象の発現率についても、アダリムマブ群(13.7%)と比較して、ベドリズマブ群(11.0%)で低い結果となりました。

以上