潰瘍性大腸炎を対象とした2つの生物学的製剤を初めて直接比較した臨床試験において ベドリズマブがアダリムマブに対し有意に高い臨床的寛解率を達成

2019年3月11日

本資料は、2019年3月9日(現地時間)に発表した英語版プレスリリースを翻訳・編集し、配信するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。英文のプレスリリースは、グローバルサイト:https://www.takeda.com/newsroom/からご覧下さい。

− 中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎患者を対象に、ベドリズマブがアダリムマブと比較して、52週時点で有意に高い臨床的寛解および粘膜治癒を達成

当社は、このたび、消化管に選択的に作用する生物学的製剤であるベドリズマブ(製品名:Entyvio®、国内製品名:エンタイビオ®)が、臨床第3b相試験であるVARSITY試験の結果、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎患者を対象に、生物学的製剤で抗TNFα抗体のアダリムマブと直接比較して52週時点で有意に高い臨床的寛解※1の達成を示しましたのでお知らせします。本試験において、主要評価項目である52週時点での臨床的寛解を達成したのは、アダリムマブ皮下投与(SC)群では22.5%(386名中87名)であったのに対し、ベドリズマブ静脈内投与(IV)群では31.3%(383名中120名)であり、両群の間に統計学的有意差が認められました(p=0.0061)。本試験結果は、デンマークのコペンハーゲンで開催された第14回欧州クローン病・大腸炎会議 (14th Congress of the European Crohn’s and Colitis Organisation:ECCO)のオーラルプレゼンテーションにて発表されました(抄録番号:OP34)。

また、本試験では、ベドリズマブ投与群の方が52週時点において有意に高い粘膜治癒率※2が認められました。52週時点で粘膜治癒を達成した患者の割合は、アダリムマブ投与群では27.7%であったのに対し、ベドリズマブ投与群では39.7%でした(p=0.0005)。ベースラインで経口の副腎皮質ステロイドを使用し、その後に副腎皮質ステロイドの使用を中止し、52週時点で臨床的寛解(ステロイドフリー臨床的寛解)※3の状態にある患者の割合においては、アダリムマブ投与群の方が結果は良好でしたが、統計学的有意差は認められませんでした。本試験では、両生物学的製剤の安全性を統計学的に比較する試験ではありませんが、52週間での有害事象全体の発現率は、アダリムマブ投与群(69.2%)と比較して、ベドリズマブ投与群(62.7%)で低く、感染症の発現率についてもアダリムマブ投与群(43.5%)と比較して、ベドリズマブ投与群(33.5%)で低い結果となりました。重篤な有害事象は、アダリムマブ投与群(13.7%)と比較して、ベドリズマブ投与群(11.0%)で発現率は低い結果となりました。

VARSITY試験の治験責任医師で、ニューヨークのDr. Henry D. Janowitz Division of Gastroenterology at Mount Sinai Hospital and the Icahn School of Medicine at Mount SinaiのChiefであるBruce E. Sands博士は、「VARSITY試験では、潰瘍性大腸炎の治療において生物学的製剤を選択する際の重要な課題を検討しています。潰瘍性大腸炎における治療の目的は臨床的寛解と粘膜治癒の達成であり、本試験結果は、この重要な目的の達成において、アダリムマブと比較してベドリズマブでベネフィットが認められることを明確に示しています。また、本試験結果では、ベドリズマブ投与群において、感染症を含む有害事象全体および重篤な有害事象の発現率が、アダリムマブ投与群よりも低いことも示しています」と述べています。

当社Executive Medical DirectorのJeff Bornsteinは、「潰瘍性大腸炎の患者さんに広く一般的に使用されている2つの生物学的製剤の有効性と安全性を直接比較した初めての臨床試験として、VARSITY試験は、医師が生物学的製剤による治療を開始する際に、治療選択肢を決定するための有用な情報を提供しています。また、本試験は、潰瘍性大腸炎の治療において異なる作用機序を有する2つの医薬品である消化管選択的抗α4β7インテグリン抗体ベドリズマブと抗TNFα抗体アダリムマブを直接比較する初めての試験でもあります。両剤を直接比較した本臨床データが、生物学的製剤を用いた潰瘍性大腸炎の治療を検討するうえで指針となれば嬉しく思います」と述べています。

VARSITY試験は、無作為化、二重盲検、ダブルダミー、多施設共同、実薬対照の臨床第3b相試験で、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎患者を対象に、静脈内投与によるベドリズマブと皮下投与によるアダリムマブを比較し、52週時点における有効性および安全性について評価をしています。

本試験では769名の患者が無作為化の対象となりました(ベドリズマブ投与群n=383、アダリムマブ投与群n=386)。全ての患者が、試験への組み入れ前に副腎皮質ステロイド、免疫調節薬、またはアダリムマブ以外の一つの抗TNFα薬に対して効果不十分、効果減弱または不耐性を示していました。試験に組み入れられた患者は、ベドリズマブ静脈内投与とプラセボ皮下投与を受ける群、もしくはアダリムマブ皮下投与とプラセボ静脈内投与を受ける群のいずれかに無作為に割り付けられました。ベドリズマブ投与群の患者はベドリズマブ300 mgを0、2、6週、その後は46週まで8週間ごとに静脈内投与、およびプラセボを0週とその後は50週まで2週間ごとに皮下投与されました。アダリムマブ投与群の患者はアダリムマブ160 mgを0週、80 mgを2週、その後は40 mgを50週まで2週間ごとに皮下投与、およびプラセボを0、2、6週、その後は46週まで8週間ごとに静脈内投与されました。いずれの投与群においても、試験期間中の用量漸増は許容されていません。

※1    主要評価項目である臨床的寛解は、Mayoスコア(潰瘍性大腸炎の疾患活動性を評価するための指標)が2ポイント以下、かつ全てのサブスコアが1ポイント以下と定義
※2    副次評価項目である粘膜治癒は、Mayo内視鏡サブスコアが1ポイント以下と定義
※3    副次評価項目であるステロイドフリー臨床的寛解は、ベースライン(0週)で副腎皮質ステロイドを経口で使用しており、その後使用を中止し、52週時点で臨床的寛解の状態にある患者と定義

以上