クリゾチニブの治療歴を有する患者に対するALK陽性非小細胞肺がん治療剤「ALUNBRIG®(一般名:brigatinib)」の欧州医薬品評価委員会(CHMP)からの承認推奨の見解について

2018年9月25日

クリゾチニブの治療歴を有する患者を対象に、ALUNBRIGの投与により56%の全奏効率と16.7ヵ月という最長の無増悪生存期間中央値を示した主要臨床第2相ALTA試験に基づく見解

当社は、このたび、欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品評価委員会(CHMP)より、ALUNBRIG®(一般名:brigatinib)について、クリゾチニブの治療歴を有する進行性未分化リンパ腫キナーゼ遺伝子転座陽性(ALK陽性)の非小細胞肺がん(NSCLC)成人患者に対する単剤療法として承認を推奨する旨の見解が示されましたのでお知らせします。ALUNBRIGはNSCLCにおけるALK遺伝子転座を標的に阻害するようデザインされたチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)です。ALK遺伝子転座は、世界中のNSCLC患者の約3~5%にみられます。CHMPの見解が支持され、欧州委員会がALUNBRIGを承認した場合、ALUNBRIGは欧州連合地域内で唯一、食事に影響なく投与可能な1日1回の経口ALK阻害剤となります。

グローバル無作為化臨床第2相ALTA試験は、クリゾチニブ投与中に進行した局所進行性あるいは転移性ALK陽性NSCLC患者を対象としてALUNBRIGの有効性および安全性を検討するためにデザインされました。患者はALUNBRIG 90mgの1日1回 投与群またはALUNBRIG 180mgの1日1回(90mg1日1回を7日間投与した後、180mgへ増量)投与群のいずれかのグループに分けられました。

Lung Cancer EuropeのPresidentであるStefania Valloneは、「ALK陽性NSCLCは重篤かつ生命に危険を及ぼす疾患で、世界で毎年約4万人の方が本疾患に苦しんでおり、病状が進行したりファーストラインの治療が奏功しなくなったりする患者さんも多くおられます。欧州のALK陽性NSCLC患者さんには、依然として新規かつ有効な治療に対する顕著なアンメットニーズが存在します」と述べています。

バルセロナのValld' Hebron University Hospital, Oncology Department, Thoracic Oncology Unit HeadであるEnriqueta Felipは、「ALK阻害剤はこの10年間で治療分野において非常に大きな進歩を遂げていますが、ALK陽性NSCLCを標的とする新たな治療選択肢の出現は切望されています。ALUNBRIGは16.7ヵ月の無増悪生存期間(PFS)中央値と34.1ヵ月の全生存期間という素晴らしい結果を示しており、ALK陽性NSCLC治療においてさらなる進歩を示しています」と述べています。

当社の Vice President であり、Head of Oncology Clinical Research and Development である Jesús Gomez Navarro は、「ALTA試験によりALUNBRIGの管理可能な安全性プロファイルと有意な有効性が示され、ALUNBRIGはALK陽性NSCLCに対するセカンドライン治療の選択肢の一つとして確立されました。ALUNBRIGはALK阻害剤の中で最長となる16.7ヵ月のPFS中央値が報告されており、同疾患においてクリゾチニブ投与中に病状が進行した患者さんに大きな可能性をもたらします。今回の肯定的見解は、欧州に極めて多く存在する、クリゾチニブの治療歴を有するALK陽性NSCLC患者さんのための治療パラダイムの前進という究極のゴールへの距離を少し縮めるものです。CHMPの肯定的見解について欧州委員会で審査され、承認されたあかつきには欧州連合地域内の患者さんと医療関係者にALUNBRIGが導入されることを期待しています」と述べています。

今回の申請の一環として、CHMPは、評価項目を達成した臨床第3相ALTA-1L試験の初回の中間解析データについても、裏付けとなる根拠として審査しました。ALTA-1L試験では、ALUNBRIG投与群がクリゾチニブ投与群と比較して、盲検下の独立審査委員会の評価において統計学的および臨床的に有意にPFSを改善しました。また、ALUNBRIGの安全性プロファイルは、全般的に過去の臨床試験や米国およびカナダで承認された添付文書に記載されている情報と差は認められませんでした。

ALUNBRIGに対するCHMPの肯定的見解は現在、欧州委員会(EC)でレビュー中です。欧州委員会は、欧州連合(EU)の28の加盟国ならびにノルウェー、リヒテンシュタインおよびアイスランドにおける薬剤の承認を行う権限を有しています。

<ALTA試験について>
ALUNBRIGの第2相ALTA(ALK in Lung Cancer Trial of AP26113)試験は、クリゾチニブ投与中に進行した222名の局所進行性あるいは転移性ALK陽性NSCLC成人患者を対象とした、現在進行中のグローバル非盲検多施設共同二群試験です。この試験で、患者はALUNBRIG 90mg 1日1回(n=112)またはALUNBRIG 180mg 1日1回(90 mg 1日1回を7日間投与した後、180 mgへ増量)(n=110)の投与を受けました。治験責任医師の評価による固形がんの治療効果判定のための新ガイドライン(RECIST v1.1)に従って確定された全奏効率(ORR)を主要評価項目とし、その他の評価項目として、独立審査委員会(IRC)の評価による全奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)、無増悪生存期間(PFS)、頭蓋内全奏効率、頭蓋内奏効期間、安全性および忍容性を設定しました。

ALTA試験の結果は、180 mg投与の患者群において、治験責任医師の評価における全奏効率は56%、独立審査委員会による評価における全総奏効率も56%でした。また、奏効期間の中央値は、治験責任医師の評価では13.8ヵ月、独立審査委員会の評価では15.7ヵ月、無増悪生存期間(PFS)の中央値は治験責任医師の評価では15.6ヵ月、独立審査委員会の評価では16.7ヵ月でした。さらに、ベースラインで判定可能な脳転移を有する患者(n=18)においては、独立審査委員会評価で確認された頭蓋内全奏効率は67%を達成し、同じく独立審査委員会評価で確認された頭蓋内奏効期間の中央値は16.6ヵ月でした。治験責任医師の評価による全生存期間の中央値は34.1ヵ月という結果でした。

ALUNBRIG 180 mg投与群の患者に最も多く認められた副作用(25%以上)として、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)増加、高血糖、高インスリン血症、貧血、クレアチンホスホキナーゼ(CPK)増加、悪心、リパーゼ増加、リンパ球数減少、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)増加、下痢、アミラーゼ増加、疲労、咳嗽、頭痛、アルカリホスファターゼ増加、低リン酸血症、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)の異常増加、発疹、嘔吐、呼吸困難、高血圧、血球数減少、筋肉痛、および末梢性ニューロパチーが報告されました。

<ALTA-1L試験について>
ALTA-1L(ALK in Lung Cancer Trial of AP26113 in 1st Line)試験は、ALUNBRIGのALK阻害剤未治療の局所進行性または転移性未分化リンパ腫キナーゼ遺伝子転座陽性(ALK陽性)の非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象とした、グローバルで実施中の無作為化、比較、非盲検、多施設共同の臨床第3相試験で、成人患者275名が登録されました。患者は、ALUNBRIG 180mgを1日1回(7日間の導入期間においては 90mgを1日1回)、もしくはクリゾチニブ250mgを1日2回服用しました。独立評価委員会が評価したPFSが主要評価項目であり、副次評価項目は、固形がんの治療効果判定のための新ガイドライン(RECIST)改訂版1.1による客観的奏功率(ORR)、頭蓋内病変におけるORR、頭蓋内病変におけるPFS、全生存期間、安全性および忍容性が含まれています。ALUNBRIGが少なくとも6ヵ月クリゾチニブを上回るPFSの改善を示すために、合計約198件のPFSイベントが発生した時点で、主要評価項目の最終解析が行われる予定です。また、本試験では、予定されているPFSイベントの約50%が発生した時点および約75%のイベントが発生した時点の2回にわたり、主要評価項目に対する中間解析を行うことが事前に設定されています。

<ALK陽性NSCLCについて>
世界保健機構(WHO)によると、非小細胞肺がん(NSCLC)は、肺がんの中でも最も一般的ながんであり、世界中で毎年新規に肺がんと診断される患者さん180万人のうちの約85%を占めています。遺伝学的研究により、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)における染色体の転座が、一部のNSCLC患者において重要な因子であることが示されています。転移性NSCLC患者のうち約3~5%の患者においてALK遺伝子に転座がみられます。

当社は、全世界で毎年、この重篤でかつ希少な肺がんと診断される約4万人の患者の生活を改善するため、NSCLCに対する研究開発を継続することに力を注いでいます。

以上