大うつ病性障害治療薬vortioxetineの日本人の患者さんを対象とした臨床第3相試験の良好な結果について

2018年6月11日

-vortioxetineの日本の成人大うつ病性障害患者さんを対象にした臨床第3相試験においてvortioxetine群はプラセボ群に対して良好な結果を示した
-良好な結果は、vortioxetineが将来、日本において、大うつ病性障害患者さんの治療オプションとなる可能性を示唆
-臨床試験結果に基づき、武田薬品とLundbeck社は、日本における製造販売承認申請に向けた準備を進める

武田薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、以下「武田薬品」)とH. Lundbeck A/S(本社:デンマーク、コペンハーゲン、以下「Lundbeck社」)は、このたび、大うつ病性障害治療薬vortioxetineの日本における成人大うつ病性障害患者さんを対象とした臨床第3相試験において良好な結果が得られましたのでお知らせします。両社は、本年末までに厚生労働省にvortioxetineの製造販売承認申請を行うために準備を進めていく予定です。

2015年4月より、武田薬品は、大うつ病性障害患者さんを対象に、プラセボを対照とした臨床第3相試験(NCT02389816)を実施してまいりました。日本の成人再発大うつ病性障害患者さん約490例にvortioxetine(10mgまたは20mg)群、またはプラセボ群のいずれかを無作為に割り付けました。主要評価項目は、投与8週時におけるMontgomery-Åsberg Depression Rating Scale (MADRS)合計スコアのベースライン(二重盲検期開始時)からの変化量でした。

大うつ病性障害(MDD)について
MDDは世界で約3億人が罹患している複雑な精神疾患です。MDDは臨床的うつ病としても知られており、世界中で障害の主な原因になっていると同時に全世界で疾病負担の主な要因ともなっています。MDDは、感情的症状、認知症状、および身体的症状を誘発することがあります。これには、抑うつ気分、関心や喜びの喪失、顕しい体重減少や体重増加、食欲の変化、不眠症や過眠症、精神運動性激越や精神遅滞、疲労やエネルギーの喪失、無価値感や過度の罪悪感、思考力や集中力の低下、決断困難、および反復性の自殺念慮が含まれます。

vortioxetineについて
vortioxetineの抗うつ作用の機序は完全には解明されていません。本剤はセロトニン(5-HT)の再取り込み阻害作用と5-HT受容体活性を直接調節する5-HT1A受容体刺激作用、5-HT1B受容体部分的刺激作用、5-HT3、5-HT1D、および5-HT7受容体拮抗作用などを有しており、セロトニン系、ノルエピネフリン系、ドーパミン系、ヒスタミン系、アセチルコリン系、ガンマアミノ酪酸(GABA)系、およびグルタミン酸系を含む、いくつかの系において神経伝達の調節を行うとされています。これらの作用の1つ1つがvortioxetineの抗うつ作用にどのように寄与しているかについてはまだはっきりとは分かっていませんが、本剤はこういった薬力学的作用を併せ持つ初めてかつ唯一の化合物であると考えられています。

vortioxetineは、デンマークのコペンハーゲンにあるLundbeck社の研究者により創製されました。日本では、武田薬品によって臨床試験プログラムが実施されました。

WHOは、vortioxetineを、Anatomical Therapeutic Chemical(ATC)分類上で「その他の抗うつ薬」というクラスに分類しました。

vortioxetine(Trintellix®)は、MDD成人患者さんの治療薬として2013年9月30日に米国食品医薬品局(FDA)から承認されました。さらに(欧州、カナダ、チリ、中国、メキシコ、アルゼンチン、韓国、トルコ、オーストラリア、香港、シンガポール、および南アフリカ共和国を含む)77カ国でも承認されており、これまでに60カ国を超える国々で発売されています。北米以外では、ボルチオキセチン臭化水素酸塩はBrintellix®という製品名で販売されています。

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