経口関節リウマチ治療薬JAK阻害剤「ゼルヤンツ®錠 5mg」の日本におけるコ・プロモーションおよび武田薬品による仕入販売の終了について

2017年12月18日

ファイザー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長 原田 明久、以下「ファイザー」)と武田薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長 クリストフ・ウェバー、以下「武田薬品」)は、経口関節リウマチ治療薬 JAK阻害剤「ゼルヤンツ錠5mg」(一般名:トファシチニブクエン酸塩、以下「ゼルヤンツ」)に関するコ・プロモーションを、2018年3月末をもって終了することとなりましたのでお知らせします。これに伴い、武田薬品が担当する本剤の仕入販売も終了し、2018年4月より製造販売元であるファイザーが単独で販売することとなります。

ゼルヤンツは2013年7月に国内で発売し、ファイザーと武田薬品とのコ・プロモーション契約のもと、両社で本剤の情報活動を実施するとともに、武田薬品が仕入販売を担当してまいりました。このたび、事業環境の変化に伴い、両社で協議した結果、2018年3月末をもって本剤のコ・プロモーションおよび武田薬品による仕入販売を終了することとなりました。なお、本件に関する経済条件については開示しておりません。

一方、関節リウマチ治療剤「エンブレル®」(一般名:エタネルセプト(遺伝子組換え))に関しては、今後も両社のコ・プロモーション契約のもと武田薬品による仕入販売が継続され、両社は、従来どおり同剤に関する情報提供活動に尽力してまいります。

ファイザーと武田薬品は、今後、ゼルヤンツの販売移管を滞りなく進めるとともに、引き続き関節リウマチ患者さんや医療関係者の方々に望まれる医薬品をお届けすることで、人々の健康に貢献してまいります。

 

以上


参考資料

<国内におけるゼルヤンツの概要>

製品名

ゼルヤンツ®錠5mg

一般名

トファシチニブクエン酸塩

製造販売承認取得日

2013年3月25日

薬価収載日

2013年5月24日

発売日

2013年7月30日

効能・効果

既存治療で効果不十分な関節リウマチ

用法・用量

通常、トファシチニブとして1回5mgを1日2回経口投与する。


<
関節リウマチについて>

関節リウマチは慢性の炎症性自己免疫疾患であり、手と足にその症状が表れるのが典型的ですが、滑膜があるどの関節でも発症する可能性があります。日本では約70~80万人1、全世界では約2,370万人2の患者さんが関節リウマチに罹患しています。既存の治療薬は複数ありますが、治療効果が十分でない患者さんも少なくありません。実際に、患者さんの3分の1では治療が十分に奏効せず、約半数は5年以内に特定の抗リウマチ薬(DMARD)に反応しなくなります3,4,5,6,7,8

関節リウマチは、長期にわたり治療を必要とすることから、患者さんの精神的、身体的な負担を軽減しながら、治療を継続することが何より重要です。

<ゼルヤンツ(一般名:トファシチニブクエン酸塩)について>

ゼルヤンツは、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤としては世界で初めて承認された経口投与のリウマチ治療薬で、細胞外でサイトカインを標的とする生物学的製剤とは異なり、細胞内のシグナル伝達を標的とします。本剤は、関節リウマチに伴う炎症に重要な役割を果たす細胞内のシグナル伝達経路であるJAK Pathwayを阻害します。

ゼルヤンツは中等症から重症の活動性関節リウマチの治療薬として、日本を含む世界80以上の国または地域で承認されています。2012年に米国で初めて承認されて以来、世界で9万人以上の患者さんに処方されています。

<エンブレル(一般名:エタネルセプト(遺伝子組換え))について>

全世界で最も長くリウマチ治療に使用されているエンブレルは、生物学的製剤で、既存治療で効果不十分な関節リウマチ患者さんの標準治療薬です。1998年に米国で初めて承認されて以来、世界100以上の国または地域で承認されています。日本においては2005年3月に発売されました。2008年6月にはシリンジ製剤、2013年6月にはワンクリックで簡単かつ安全に投与できるペン型製剤が発売されています。エンブレルは、関節リウマチにおける炎症発生のプロセスにおいて重要な役割を担うサイトカイン*であるTumor Necrosis Factor(TNF)に結合することで、TNFを不活化させるとともに、関節リウマチの病態に関与が示唆されるもうひとつのサイトカインであるLymphotoxinα(LTα)にも結合することで、炎症反応を抑制します。エンブレルは唯一のTNFαレセプター製剤で、中和抗体産生による効果減弱などの懸念が少ないとされています。

*細胞から放出され、細胞間の相互作用を媒介するタンパク性因子の総称。免疫、炎症、生体防御において重要な役割を担う。

<出典>
1.Report from Study Committee on Rheumatoid Arthritis and Allergy Accessed on 13 March 2013. http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001nfao-att/2r9852000001nfdx.pdf

2.World Health Organization, “The Global Burden of Disease, 2004 Update.” Accessed 13 March 2012. Available at http://www.who.int/healthinfo/global_burden_disease/GBD_report_2004update_full.pdf

3.Klareskog L, Van der Heijde D, de Jager J, et al. Therapeutic effect of the combination of etanercept and methotrexate compared with each treatment alone in patients with rheumatoid arthritis: double-blind randomized controlled trial. The Lancet 2004. 363: 675-681

4.Keystone, E, Kavanaugh A, Sharp J, et al. Radiographic, clinical and functional outcomes of treatment with adalimumab (a human anti-tumor necrosis factor monoclonal antibody) in patients with active rheumatoid arthritis receiving concomitant methotrexate therapy. Arthritis & Rheumatism 2004. 50: 1400-1411

5.Lipsky, P, Van der Heijde, D, St. Clair, W. Infliximab and methotrexate in the treatment of rheumatoid arthritis. The New England Journal of Medicine 2000. 1594-1602.

6.Duclos M, Gossec L, Ruyssen-Witrand A, et al. Retention rates of tumor necrosis factor blockers in daily practice in 770 rheumatic patients. J Rheumatol 2006; 33:2433-8.

7.Maradit-Kremers H, Nicola PJ, Crowson CS, et al. Patient, disease, and therapy-related factors that influence discontinuation of disease-modifying antirheumatic drugs: a population-based incidence cohort of patients with rheumatoid arthritis. J Rheumatol 2006; 33(2):248-55.

8.Blum MA, Koo D, Doshi JA. Measurement and rates of persistence with and adherence to biologics for rheumatoid arthritis: a systematic review. Clin Ther 2011;33(7):901-913.