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ジカウイルスワクチンの臨床第1相試験開始について

ジカウイルスワクチンの臨床第1相試験開始について


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November 29, 2017

- ジカウイルスワクチン(TAK-426)の臨床第1相試験を開始

- 米国で実施する臨床第1相試験(ZIK-101試験)では、18歳から49歳までの被験者240名を対象にTAK-426の安全性および免疫原性を評価

- 当社は米国保健福祉省の事前準備対応次官補局の一部門である生物医学先端研究開発局(BARDA)から助成(契約番号:HHSO100201600015C)を受けTAK-426を開発中

当社は、このたび、アラムアジュバント含有全粒子不活化精製ジカウイルスワクチン(TAK-426)の臨床第1相試験を開始したことをお知らせします。当社は、ジカウイルスワクチン開発に関する契約を米国保健福祉省の事前準備対応次官補局の一部門である生物医学先端研究開発局(Biomedical Advanced Research and Development Authority:BARDA)と約15ヵ月前に締結しました。

本試験は、18歳から49歳までの男女被験者240名を対象に、TAK-426の安全性と免疫原性を評価する無作為化、プラセボ対照、二重盲検試験です。本試験では、今後のTAK-426の臨床試験を見据えて複数の用量で評価を行います。本試験は、米国において臨床試験実施申請(Investigational New Drug :IND)および承認のもと実施されています。

当社Global Vaccine Business Unit PresidentのRajeev Venkayyaは、「今回の臨床第1相試験の開始を大変嬉しく思います。これにより、ジカウイルス感染症の脅威に対する当社の取り組み、当社のグローバル組織の能力の高さが示されました。今日までのBARDAの支援と協力がなければ、TAK-426の臨床第1相試験を開始することはできませんでした」と述べています。

2016年9月、当社は、BARDAより、米国および世界中の流行地域におけるジカウイルス感染症に対する取り組みを支援すべく、ワクチン開発の助成先として選定されました。

近年、ジカウイルスは、米国など84を超える国・地域に広がり、深刻な影響を及ぼしてきました。2016年2月、世界保健機関(WHO)は、ジカウイルス感染症の流行について、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」であると宣言し、米国疾病対策センター(CDC)は、ジカウイルス感染症への取り組みを最も重要度・緊急度の高いレベル1に引き上げました。その後、WHOによりPHEICの解除宣言がなされましたが、ジカウイルス感染症は、公衆衛生上、特に妊婦にとって未だ重大な脅威であり、ワクチンが依然として必要とされています。

ジカウイルス感染症のもたらす公衆衛生への脅威を考慮し、当社はBARDAとの契約締結後直ちに複数部門から成るチームを編成し、本プログラムの全ての開発作業を最優先に進めた結果、最初の助成金の受領から15ヵ月で臨床第1相試験を開始することが出来ました。ZIK-101試験の最初のデータは2018年に得られる見込みであり、その時点で得られた成績から妥当と判断された場合、可及的速やかに臨床第2相試験を開始することを目指します。

BARDAのDirectorであるRick Brightは、「BARDAは引き続き安全性が高く有効なジカウイルスワクチンをお届けできるよう取り組んでいきます。武田薬品による臨床第1相試験は、この目標に向けた重要な一歩となります」と述べています。

当社では、ジカウイルス感染症以外にもデング熱、ノロウイルス感染症、ポリオなど優先度の高い感染症に取り組み、これらのワクチンの開発を進めています。

 

<当社のジカウイルスワクチン(TAK-426)について>

当社のジカウイルスワクチン(TAK-426)は、アラムアジュバント含有全粒子不活化精製ジカウイルスワクチンです。このワクチンは、世界中の流行地域でジカウイルス感染症の蔓延を防ぐための幅広い取り組みの一環として開発されています。

 

<当社のワクチンに対する取り組みについて>

ワクチンは、毎年200万人以上の生命を救い、公衆衛生に劇的な変化をもたらしました。当社は、70年にわたり、人々の健康を守るため日本でワクチンを供給してきました。現在、当社のグローバルワクチンビジネスは、デング熱、ジカウイルス感染症、ノロウイルス感染症やポリオなど、世界で最も大きな課題となっている感染症に対し、最先端の取り組みを行っています。当社はワクチン開発、製造およびマーケットアクセスに関する豊富な実績と深い知識を有しており、世界で最も緊急性の高い公衆衛生ニーズに対応すべく、パイプラインの充実に努めてまいります。

 

以上