Portal Instruments社との針を使わない医療用デバイスの共同開発について

2017年11月8日

武田薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、以下「武田薬品」)とPortal Instruments社(本社:マサチューセッツ州ケンブリッジ)は、このたび、Portal Instruments社の針を使わない医療用デバイスの開発および商品化について提携契約を締結しましたので、お知らせします。本提携にもとづき、Portal Instruments社の技術を武田薬品の開発中または承認済みの生物学的製剤へ応用することを目指します。マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology)のIan Hunter教授の研究室が開発したこの医療用デバイスと技術は、現在注射による皮下投与が必要とされる様々な生物学的製剤へ応用できる可能性があります。

 

この医療用デバイスの武田薬品における最初の開発プログラムとして、Entyvio®(一般名:ベドリズマブ)への試験的応用を検討します。Entyvioは、中等症から重症の活動期の潰瘍性大腸炎(UC)またはクローン病(CD)の成人患者の治療に用いられるモノクローナル抗体で、静脈内注射で投与されています(日本ではUCの適応で本年8月に製造販売承認申請済、当局による審査中)。現在進行中の臨床第3相試験では、中等症から重症の活動期のUCまたはCDの成人患者を対象として、Entyvioの皮下投与製剤の有効性および安全性を評価しています。

 

武田薬品Global Program & Brand LeadのStefan Koenigは、「生物学的製剤の静脈内注射が必要な慢性疾患を抱える患者さんには、負担軽減につながる選択肢が必要です。Portal Instruments社との提携は、炎症性腸疾患など消化器系疾患に悩む患者さんに、よりよい治療を提供する当社の取り組みを示すものです。当社は本提携により、針を使わない医療用デバイスを用いることで薬剤をより簡便かつ安全に自己投与できる可能性を追求してまいります」と述べています。

 

Portal Instruments社のCEOであるPatrick Anquetil は、「武田薬品との提携において当社医療用デバイスの応用を目指すことは、患者さんの注射に伴う痛みや不安を軽減し、さらには注射にかかる時間を短縮する最先端の次世代自己投与ドラッグデリバリー技術で貢献するという当社のミッションを体現するものです。今回の提携により、当社は武田薬品の経験豊富な研究開発チームと協力し、本デバイスを患者さんにお届けする最初の機会を得ることができます。これは本デバイスの可能性と当社事業を拡大させる極めて重要な一歩です」と述べています。

Portal Instruments社の針を使わない医療用デバイスは、針のかわりに加圧液体を使用して生物学的製剤を投与するものです。針を使用する標準的な注射と比べて、痛みが少なく患者さんに好まれていることが臨床試験で示されています。この針を使わないデバイスは患者さんが在宅で自己投与することを想定しています。

本契約に基づき、Portal Instruments社は契約一時金を受け取るとともに、取り決められた開発、承認や売上に応じて最大で1億米ドルのマイルストンおよびロイヤリティを受領する権利を有します。

以上

 

<注意事項>
本文書に記載されている医薬品の情報は、当社の経営情報の開示を目的とするものであり、開発中のものを含むいかなる医薬品の宣伝、広告を目的とするものではありません。

 

Portal Instruments社について>

Portal Instruments社は、革新的なドラッグデリバリーデバイスに特化した医療機器製造会社であり、シリーズBの投資を受けるなど戦略的ベンチャー投資家から支援されています。画期的な、針を使わないドラッグデリバリープラットフォーム技術を開発、商品化しており、医薬品の投与方法に変革をもたらし、慢性疾患を抱える患者さんの負担の軽減に貢献しています。リアルタイムでデータがトラッキングされ、送信されることは、患者さんと医療チームの双方向のやりとりの新たなスタンダードとなり、治療へのアドヒアランスをモニタリングすることで治療アウトカムの改善につながる可能性もあります。 Portal Instruments社の品質管理システムはISO13485の認証を受けています。さらに詳細な情報は、同社ホームページ(www.portalinstruments.com)、またはTwitterの @portalcambridge をご参照ください。

 

<消化器系疾患領域に対する当社の取り組み>

世界中で7,000万人を超える人々が消化器系疾患に罹患しており、それらの疾患は患者さんの日常生活を困難にさせる場合があります。当社は、革新的な医薬品、患者さんの疾患管理に対する献身的なサポート、また医療を取り巻く環境への貢献を通して、消化器系疾患を有する患者さんのQOL向上を目指し邁進してまいります。また、当社は、炎症性腸疾患や酸関連疾患、消化管運動障害などのアンメットメディカルニーズの高い疾患に対して革新的な医薬品を提供することで消化器系疾患領域をリードしていきます。当社の研究開発チームは、腸内細菌を対象とした治療法を更に科学的に発展させることに加えて、セリアック病や肝疾患に対する治療薬開発の探求を進めてまいります。25年以上にわたり消化器系疾患領域に携わってきた経験、治療の幅広いアプローチ、世界的な提携ネットワークを活かし、当社は患者さんによる疾患管理のサポートに貢献してまいります。