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デング熱ワクチンの臨床第3相試験において20,000名以上の小児・若年被験者の組み入れを完了

デング熱ワクチンの臨床第3相試験において20,000名以上の小児・若年被験者の組み入れを完了


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2017年4月6日

- TIDES (Tetravalent Immunization against Dengue Efficacy Study)試験では、デングウイルスの感染歴の有無に関わらず、本ワクチンの3ヵ月間隔2回接種による、4種すべてのデングウイルス血清型に対する有効性を評価
- 4歳から16歳の小児・若年被験者を対象にラテンアメリカおよびアジアのデング熱流行8カ国にて試験を実施
- 被験者組み入れ完了は、当社の全世界におけるワクチン事業の推進およびアンメットメディカルニーズであるデング熱予防に対する当社の取り組みの成果

当社は、このたび、当社の4価弱毒生デング熱ワクチン(TAK-003)の有効性、安全性および免疫原性の評価を目的とした二重盲検、無作為化、プラセボ対照、国際共同臨床第3相検証試験(TIDES試験:Tetravalent Immunization against Dengue Efficacy Study)において、4歳から16歳の小児・若年被験者20,100名の組み入れが完了したことをお知らせします。ワクチンを対象とした当社の臨床試験としては過去最大規模である本試験は、2016年9月の試験開始から7ヵ月足らずで被験者組み入れを完了しました。 

当社のGlobal Vaccine Business UnitのPresidentであるRajeev Venkayyaは、「複数の国で試験を実施しているなか、試験の質および被験者の安全性を担保したうえで、意欲的なタイムラインで20,000名以上の小児・若年被験者を組み入れたことは、当社のデング熱ワクチン開発に対する優先度の高さおよびグローバルな事業を展開する当社の実力を示すものです。本試験での被験者組み入れ完了は、本ワクチンの安全性および有効性の評価を通じて、当社のデング熱への取り組みを示すとともに、デング熱の感染リスクを有するすべての方に本ワクチンが利用可能となる製造販売承認申請への道を拓くものです。なお、当社は1億ユーロ以上を投資し、新たに本ワクチンの製造設備を建設しています。当社は、デング熱ワクチンのみならず、生物医学先端研究開発局(BARDA)の資金提供を受けたジカ熱ワクチンプログラムや、ビル&メリンダ・ゲイツ財団の支援を受けたポリオワクチンプログラムを含む、優先度の高い感染症に対するワクチンプログラムを推進しています」と述べています。 

本試験は、ラテンアメリカおよびアジアのデング熱流行8カ国(ブラジル、コロンビア、パナマ、ドミニカ共和国、ニカラグア、フィリピン、タイおよびスリランカ)で実施しています。デング熱はあらゆる年齢層の人々が感染する可能性があり、ラテンアメリカおよびアジアの子供達にとっては重篤な疾患を引き起こす主たる要因です。本試験における4歳から16歳までの小児・若年被験者の組み入れは、小児期のすべての年齢においてデング熱が重大な負担であることを示すものです。本試験の最初の解析結果は、2018年中に得られる予定です。 

本試験計画は、本ワクチンの症候性デング熱への予防効果を確認するためにこれまでに実施した試験から得られた、複数の年齢層における本ワクチンの忍容性、安全性および4種すべての血清型に対する免疫原性の成績を基に策定されました。臨床第1相および臨床第2相試験において、本ワクチンは、あらゆる年齢層において、接種前の血清反応が陽性、陰性に関わらず、4種すべての血清型に対して中和抗体反応を誘引し、かつ安全性の懸念はみられませんでした。臨床第2相試験(DEN-203試験)の中間解析結果では、本ワクチンの安全性プロファイルおよび忍容性が良好であり、成人がワクチンを2回接種した結果、4種すべての血清型に対して2年後も免疫応答が維持されることが示されました。また、別の臨床第2相試験(DEN-204試験)の中間解析結果では、デング熱流行地域の小児集団において、接種前の血清反応が陽性および陰性の被験者ともに、4種すべての血清型に対して良好な抗体反応を示し、その免疫反応が180日間を通じて持続されること、ならびに安全性プロファイルも良好であったことが示されています。

 

<TIDES試験について>
本試験は、本ワクチンを3ヵ月間隔で2回接種した際の有効性、安全性および免疫原性を評価します。本試験の被験者は、試験開始1日目および90日目に本ワクチンまたはプラセボを皮下投与にて接種する群のいずれかに無作為に割り付けられました。一部の被験者は地域および年齢を因子として無作為に抽出され、安全性および免疫原性を評価するための部分集団解析に含められます。有効性評価は、計120例のデング熱ウイルス感染がウイルス学的検査で確認され、かつ2回目のワクチン接種後最低12ヵ月の追跡期間が終了した後に実施されます。 

主要評価項目はデングウイルス感染歴の有無に関わらず、ウイルス学的に確かめられたあらゆる血清型によって引き起こされるすべての重症度のデング熱に対する本ワクチンの予防効果です。副次評価項目は、それぞれの血清型によって誘発されるデング熱への有効性、あらゆる血清型によって引き起こされるデング熱による入院および重症型デング熱に対するワクチンの有効性、有害事象または重篤な有害事象の頻度および重症度、免疫原性解析対象部分集団における血清陽性率および中和抗体の幾何平均抗体価(GMTs: geometric mean titers)です。

 

<デング熱ワクチン(TAK-003)について>
当社の4価デング熱ワクチン(TAK-003)は、4種のワクチンウイルス型すべての遺伝子型の基礎となる弱毒化された生の2型デングウイルス(DENV-2)バックボーンをベースに構築されています。臨床第1相および臨床第2相試験で、本ワクチンは、小児および若年者において、本ワクチンに関連する重篤な有害事象はみられず、副反応は限定的であり、良好な安全性プロファイルおよび十分な忍容性を示しました。また、接種前の血清反応が陰性であっても4種すべての血清型に対して免疫原性を示し、臨床第3相試験の開始を支持するデータが得られています。

 

<デング熱について>
デング熱は、最も急速に感染が拡大している蚊媒介感染症です。デング熱は、ネッタイシマカおよびヒトスジシマカによって媒介され、4種のウイルス血清型すべてがデング熱または重症型デング出血熱を引き起こす可能性があります。主要な血清型は地理、地域、国や季節によって異なり、また時間の経過とともに変化していきます。 

デング熱は熱帯または亜熱帯地域で流行し、近年では米国およびヨーロッパの一部でも流行しました。世界の人口の4割がデング熱の脅威にさらされており、世界全体で約3億9千万人が感染し、20,000人が毎年亡くなっています。デング熱はあらゆる年齢層の人々が感染する可能性があり、ラテンアメリカおよびアジアの子供達にとっては重篤な疾患を引き起こす主な要因となっています。

 

<当社のワクチンに対する取り組みについて>
ワクチンは、毎年200万人以上の生命を救い、公衆衛生に劇的な変化をもたらしました。当社は、70年にわたり、人々の健康を守るため日本でワクチンを供給してきました。現在、当社のグローバルワクチンビジネスは、デング熱、ジカ熱、ノロウイルスやポリオなど、世界で最も大きな課題となっている感染症に対し、最先端の取り組みを行っています。当社はワクチン開発、製造およびマーケットアクセスに関する豊富な実績と深い知識を有しており、世界で最も緊急性の高い公衆衛生ニーズに対応すべく、パイプラインの充実に努めてまいります。 

 

以上