先駆的な医薬品の研究開発企業であるBridge Medicinesの設立について

2016年11月1日

-Memorial Sloan-Kettering Cancer Center、Rockefeller University、Weill Cornell Medical Collegeが共同で運営するTri-Institutional Therapeutics Discovery Instituteと武田薬品が、革新的な治療薬の創出を加速するためにDeerfield ManagementおよびBay City Capitalと提携

米国ニューヨークに所在するMemorial Sloan-Kettering Cancer Center、Rockefeller University、Weill Cornell Medicineと武田薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、以下「武田薬品」)は、このたび、医薬品の研究開発企業であるBridge Medicines(所在地:米国ニューヨーク州ニューヨーク、以下「Bridge社」)を設立しましたのでお知らせします。Bridge社は、3つの研究機関と武田薬品のほか、ヘルスケア投資会社のBay City CapitalおよびDeerfield Managementとの提携により設立されました。Bridge社の設立は、革新的な治療薬を効率的かつ迅速に開発することを目指し、コンセプトから新薬候補の創出まで、継ぎ目なく十分な資金で専門性の高い研究者が研究を行う画期的な取り組みです。

 

Bridge社の研究は、独立した非営利のTri-Institutional Therapeutics Discovery Institute(Tri-I TDI)で行われた研究成果を基に行われます。2013年に設立されたTri-I TDIの研究者は、将来の治療薬を生み出すために、感染症、がん、神経精神疾患、希少疾患などの広い疾患領域にわたる約50の早期段階にある創薬プロジェクトに取り組んでいます。

 

Tri-I TDIで採択された研究プロジェクトは、Bridge社での研究に引き継がれ、Bridge社で資金面、運用面、管理面での支援を受け、有効性やターゲットの創薬上の検証であるプルーフ・オブ・コンセプト(POC)試験から臨床試験への移行まで継ぎ目なく進められます。一般的に、早期段階の有望な新薬候補を探索した研究者は、その知的財産権の買い取りや、あるいはライセンス実施許諾権を希望するバイオ医薬品企業を探すか、さらなる研究支援のための資金調達の機会を見つける必要があります。このプロセスは、多大な時間を要する可能性があり、また、研究者の注力を科学からそらし、研究開発の進捗に遅れが出るとともに、場合によっては開発を断念しなければならないこともあります。

 

Tri-I TDIのSanders DirectorであるMichael Foleyは、「Bridge社の設立は、ニューヨークのバイオテクノロジー界における大きな進歩です。Tri-I TDI は、Sloan Kettering、 Rockefeller、Weill Cornell Medicineの優秀な人材を活用するとともに、バイオ医薬品における次のステップを支援する起業家的なアクセスを提供しています。Bridge社の研究により、開発パイプラインに名を連ねる以前の有望なプロジェクトを進め、可能な限り早く新たな治療薬を患者さんにお届けできることになります」と述べています。

 

Memorial Sloan KetteringのPresident兼CEOであるCraig B. Thompsonは、「Memorial Sloan Ketteringは、新規のがん治療薬の研究開発に確固として取り組んでいます。Bridge社の事業は、最短期間で患者さんに最良の治療薬をお届けするというコミットメントを継続していくための、画期的で類を見ない機会を提供してくれることになります」と述べています。

Rockefeller UniversityのPresidentであるRichard P. Liftonは、「このユニークな産学連携を通じ、Tri-I TDIの卓越した研究はさらに進展することとなり、3つの研究機関の基礎科学者の能力をさらに発展させて患者さんのベネフィットとなる新薬候補の可能性を最大限に探求していくことができます。私たちはこの画期的な提携に参加できることを大変嬉しく思います」と述べています。

 

Weill Cornell Medicineの Interim DeanであるAugustine M.K. Choi は、「Bridge社の研究は、患者さんに大きな希望を与えること、研究者に彼らの研究成果を臨床に繋げていく大変魅力的な機会を与えることなど、これまでの医薬品研究の概念を一変させるものです。Weill Cornell Medicineは、このようなBridge社の設立に参加できることを誇りに思います」と述べています。

 

武田薬品のChief Medical and Scientific OfficerであるAndrew Plumpは、「当社は、現在の研究環境のこれから先を見た時に、この重要な提携により医薬品研究の可能性を広げ続けることができることを分かっていました。Bridge社の設立は、この提携の次のフェーズと言えるものです。当社は、世界中の患者さんのためにさらなる研究と創薬を行うこの画期的な取り組みに参加できることを大変嬉しく思います」と述べています。

 

Bay City CapitalのManaging DirectorであるCarl Goldfischerは、「このプロジェクトの一員となり、武田薬品、Deerfield、世界をリードする3つの研究・臨床施設と協力し、トランスレーショナル研究を進展させ、とニューヨークを本拠としたバイオテクノロジー施設の設立を支援できることを大変光栄に思います」と述べています。

 

DeerfieldのPartnerであるWilliam Slatteryは、「アカデミアの探索研究、企業の創薬ノウハウ、資本、起業家精神を一緒にして活用することで、Bridge社は、アイディアを治療薬に結び付けていくための方策として画期的です。Bridge社は、医薬品開発のパラダイムを変え、ニューヨークを世界レベルの卓越したバイオテクノロジーの研究拠点に変える手助けをすることができます。Deerfieldは、医療を発展させるという使命のもと、武田薬品およびRockefeller University、 Memorial Sloan Kettering、 Weill Cornellという優れたアカデミア、そしてBay City Capitalと協力できることを楽しみにしています」と述べています。

 

<投資モデルについて>

現在の医薬品開発モデルでは、多くの場合、化合物や抗体は早期段階で知的所有権を製薬企業へ譲渡あるいはライセンス供与されます。このような早期段階ではリスクが高く、もし期待に沿うような臨床試験結果が得られない場合、製薬企業がプロジェクトを中止する可能性やプロジェクトへの資金提供先が全く見つからない可能性などがあります。Tri-I TDIプログラムでは、従来とは異なる枠組みが採用されています。研究責任者が武田薬品の研究者と協力し、前臨床のPOC試験を通じて新規化合物の治療薬としての可能性を検証します。

 

 

Tri-I TDIでの研究から次の段階へ進むことに成功したプロジェクトは、Bridge社での研究に進むことが可能となり、開発パイプラインに沿った研究開発が間断なく継続され、ベンチャーキャピタルによって専門的に推進されます。こうしたプロジェクトには、開発途上国で多くの人たちが苦しんでいるものの欧米では罹患者が少ない結核や、希少疾患で市場が小さいニーマン・ピック病C型などの疾患と闘うための新薬開発を意図するプロジェクトも含まれています。

 

Bridge社のプロジェクトはグループとして資金提供されるために、リスクが高く革新性の高いアイディアも資金援助を獲得することが可能です。このアプローチにより、有望な発見から実用化までの一般的なプロセスを10年短縮することが可能です。

 

Bridge社は、医薬品開発過程のこの不可欠な部分を、事業化と研究開発計画の立案を支援する投資パートナーの後ろ盾を得て行うことで可能とします。Bridge社のポートフォリオの一部のプロジェクトは、米国食品医薬品局(FDA)への臨床試験実施(IND)申請提出まで支援を受けます。IND申請が認められた場合、Bridge社は、参加研究者と協力して個別のプロジェクトについての管理を行い、プロジェクトを臨床試験に進めるバイオ医薬品企業をニューヨークに設立し、資金援助をします。設立されたバイオ医薬品企業は、関連ターゲットの研究を支援する追加資金を調達する、あるいは開発完遂を目指して他のバイオ医薬品企業と提携することができます。

 

Foley博士は、「Bridge社の使命は、患者さんのニーズに応える新たな治療薬の開発の成功確率を高めるとともに、ニューヨークに優れたバイオテクノロジーの区域を作る手助けをすることです」と述べています。

 

Memorial Sloan Kettering、Rockefeller University、Weill Cornell Medicineは、WilmerHaleの助言を受けました。投資家の代表はPaul Hastingsです。 

以上

 

<Tri-Institutional Therapeutics Discovery Institute (Tri-I TDI)について>

  • 2013年に設立した独自のScientific Advisory Board、理事会を持つ独立した非営利法人
  • Tri-I TDIはWeill Cornell Medicineにある最先端のBelfer Research Building の最上階に所在し、新しい抗体医薬の施設はMemorial Sloan Kettering Cancer CenterのZuckerman Research Centerに所在
  • 研究初期段階で得られた画期的な知見を、新しい治療法および診断薬の開発に橋渡しすることを目的に設立
  • Memorial Sloan-Kettering Cancer Center(MSKCC)、Rockefeller University、Weill Cornell Medical Collegeから寄附により運営

<Memorial Sloan-Kettering Cancer Centerについて>

  • がんの克服に向けた献身的な14,000人以上の医師、科学者、看護師スタッフを持つ世界で最も古くかつ最大の民間の学術研究機関
  • 独立した機関として、130年以上にわたる研究と臨床でのリーダーシップを発揮しており、患者さん各々へ個別化され最善な治療を提案
  • 教育プログラムは本センターならびに世界における将来のリーダーを継続的に育成
  • Webサイト:www.mskcc.org

<The Rockefeller Universityについて>

  • 世界における先進的なバイオメディカルの研究大学であり、生命に対する理解をより深めていくための革新的、かつ質の高い研究を実施
  • 79の施設において、神経科学、免疫学、生物化学、ゲノム科学や他の様々な疾患における研究を実施し、14エーカーのManhattan campusにおいて2,000人を超える教授、学生、博士課程修了者、技術者、臨床医や管理者が在籍
  • 現在在籍中の研究者も含めて、多数のノーベル賞受賞者、アルバート・ラスカー医学研究賞受賞者を輩出
  • Webサイト:www.rockefeller.edu

<Weill Cornell Medicineについて>

  • Weill Cornell Medicineの医師や科学者は、世界トップクラスの治療や、最新の治療や疾患予防を患者さんに届けるための最先端の研究に従事
  • Upper East Side通りの中心に位置し、提携先との強固な連携を母校であるコーネル大学やカタールまで広げ、タンザニア、ハイチ、ブラジル、オーストリア、トルコにおけるプログラムにも参画
  • Webサイト:www.weill.cornell.edu

<Bay City Capitalについて>

Bay City Capital LLCは、グローバルでの多様な戦略により、主に画期的な治療薬の開発に注力する新興企業から上場企業まで広く投資するライフサイエンス関連の投資会社です。

<Deerfieldについて>

Deerfieldは、投資、情報、社会貢献活動を通じて医療の発展に取り組む投資管理会社です。