米国政府より最大3億1,200万米ドルの助成を受けてジカ熱ワクチンを開発

2016年9月2日

- 世界保健機関(WHO)は、2016年2月1日、ジカ熱について「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」であると宣言
- 2017年の臨床第1相試験開始に向けた前臨床研究、ワクチン製造および臨床第1相試験などに対し、1,980万米ドルを助成
- 米国保健福祉省の一部門である生物医学先端研究開発局(BARDA)との提携は、最も困難な新興感染症に取り組むグローバルな提携およびイノベーションの力を示唆

当社は、このたび、米国生物医学先端研究開発局(Biomedical Advanced Research and Development Authority:BARDA)より、米国や世界中の流行地域でのジカ熱への取り組みを支援すべく、ワクチン開発の助成先として選定されましたのでお知らせします。臨床第1相試験までのワクチン開発の費用として、米国保健福祉省の事前準備対応次官補局(Assistant Secretary for Preparedness and Response:ASPR)の一部門であるBARDAより、最初の助成金として1,980万米ドルが交付されます。本ワクチンの臨床第3相試験実施および米国での生物学的製剤承認申請(BLA)にかかるオプション権をASPR/BARDAが行使した場合、助成金は最大で3億1,200万米ドルになる可能性があります。

 

2016年2月1日、世界保健機関(WHO)は、ジカ熱の流行について「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」であると宣言しました。続く2月8日、米国疾病対策センター(CDC)は、ジカ熱への取り組みを最も重要度・緊急度の高いレベル1に引き上げました。現在、ジカ熱に対するワクチンや治療薬は存在せず、妊娠中に感染すると、胎児に小頭症と呼ばれる重大な先天性異常や他の重篤な脳障害を引き起こす恐れがあります。最新の研究によると、神経系の希少疾患であるギラン・バレー症候群とジカ熱に強い関連がみられることが報告されています。しかし、ジカウイルス感染者でギラン・バレー症候群に罹患するのはごく一部であり、感染者の多くが無症状、あるいは数日から1週間程度続く軽度の症状しか出現しません。近年、ジカウイルスは、米国など60ヶ国以上に広がっています。

 

当社コーポレート・オフィサー Vaccine Business Unit PresidentのRajeev Venkayyaは、「ジカ熱という緊急事態は、政府、保健当局、医療・科学関係者、企業などによる迅速な対応が必要とされ、解決のためには協力が不可欠です。当社は、BARDAと連携し、新興感染症に対するワクチン開発を通じて世界レベルの専門性・能力を高めるとともに、当社の優秀なチームおよび日本の光工場のさらなる発展を目指します。ジカ熱ワクチンの開発が、デング熱ワクチン、ノロウイルスワクチン、パンデミックインフルエンザワクチンに関する日本政府との連携、先日公表したポリオ撲滅に向けたビル&メリンダ・ゲイツ財団との提携といった当社の取り組みの中に加わります。ジカ熱ワクチン開発への取り組みを通じ、ジカ熱の脅威に最もさらされている方々をはじめとする世界中の人々の健康にさらに貢献してまいります」と述べています。

 

G7伊勢志摩サミットで安倍首相が表明したように、日本政府は感染症対策に取り組んでおり、当社は、内閣官房と本提携への日本の当局の参加の可能性について協議しています。当社は、ASPR/BARDAおよび日本政府とさらなる機会の追求に向けて連携してまいります。

 

BARDAとの契約に基づき、当社はアジュバント入り全粒子不活化ジカ熱ワクチンを開発します。初期の目的は、ワクチンを開発・製造し米国食品医薬品局(FDA)へ提出する臨床試験実施申請資料(IND)に含める非臨床試験を完了し、臨床第1相試験を実施することです。ジカ熱ワクチンの製造は、日本の光工場で行う予定です。

 

<当社のワクチンに対する取り組みについて>

ワクチンは、毎年200万人以上の生命を救い、公衆衛生に劇的な変化をもたらしました。当社は70年にわたり、人々の健康を守るため日本でワクチンを供給してきました。現在、当社のグローバルワクチンビジネスは、デング熱、ノロウイルスやポリオなど、世界で最も大きな課題となっている感染症に対し、最先端の取り組みを行っています。当社はワクチン開発、製造およびマーケットアクセスに関する豊富な実績と深い知識を有しており、世界で最も緊急性の高い公衆衛生ニーズに対応すべく、パイプラインの充実に努めてまいります。

以上