多発性骨髄腫における最大級の製薬企業主導のグローバル観察研究の開始について

2016年9月1日

-未治療あるいは再発・難治性の多発性骨髄腫を対象に、実臨床下における治療および臨床転帰に関する知見を深めるためのオープンソースの共同研究を開始

当社は、このたび、多発性骨髄腫に関する非介入のグローバル観察研究の患者登録を開始しましたのでお知らせします。INSIGHT-MMと名付けられた本研究は、3年間で5,000名の登録を目指すとともに、本研究では、症状のパターン、患者特性、治療、転帰を追跡し、実臨床下において多発性骨髄腫の知見を深めることを目的として少なくとも5年間にわたって各患者さんのフォローアップを行います。

 

INSIGHT-MMの運営委員会のメンバーであり、1997年に多発性骨髄腫と診断され、本疾患の患者でもあるJim Omel医師は、「私は、医師と患者という両者の立場で、多発性骨髄腫の治療の急速な進歩を見るとともに経験をしてきました。近年、新たな治療薬が発売されていますが、世界中の患者さんの転帰の改善のためにさらに多くの取り組みが必要とされています。本研究は、臨床上の進歩が実臨床下の多発性骨髄腫の患者さんにどのような影響を与えるかについて理解を深めるために、本疾患に関わる方々が相互に協力する機会となります」と述べています。

 

アーカンソー医科大学骨髄腫センターのMedicine and Medical Directorの教授であり、INSIGHT-MMの運営委員会の共同委員長であるFaith Davies医師は、「多発性骨髄腫など比較的希少な疾患では、大抵の場合、実診療において判断材料となる根拠を説明できる大規模なデータベースへのアクセスが難しい状況です。私たちは、実臨床下おいて大規模で包括的なデータを収集することで、何が有効で、何が特定の患者さんに有効でないかという理解を深めるため、世界中からのベストプラクティスを特定する機会を得ます。このような知見を得ることが、多発性骨髄腫の患者さんの疾病管理を向上させる次なる取り組みの強化に繋がります」と述べています。

 

世界150以上になると見込まれる研究参加施設のうち、アーカンソー医科大学、サンディエゴ・カリフォルニア大学、シンシナティ大学がんセンターの3施設では、既に登録が開始され、最初の患者さんが登録されました。骨髄腫の専門家の国際運営委員会主導のもと、INSIGHT-MMではルーティンで行われる診察、医療記録、患者報告アウトカムを収集します。非介入研究である本研究へ参加することで、治療方針が決定される、あるいは治療が変更されることはなく、主治医の判断により通常の治療が行われます。本研究は共同で実施するようデザインされ、オープンになっているため、多発性骨髄腫に関わる方々が、分析の提案を行うこと、あるいは研究期間を通じて収集されたデータを要求することが可能です。

 

当社Oncology Business UnitのGlobal and US Medical Affairs のVice PresidentであるLiviu Niculescuは、「Takeda Oncologyでは、ここ20年間、患者さんのために多発性骨髄腫に関わる方々と取り組みを進めてきました。最近の治療が多様性を増してきていることを考えると、世界中の治療パターンや患者さんの経験を理解する必要があるため、患者さんや多発性骨髄腫の専門家とともに画期的なオープンソースのINSIGHT-MMをデザインしました。本研究は本疾患の相違や傾向をグローバルで明らかにするために十分な規模です。データベースのサイズを大きくするため、また、本研究で得られる多発性骨髄腫の確固たるデータにより、本疾患の状況を一変させることができるよう、他の同様の研究からも協力いただきたいと考えています」と述べています。

 

INSIGHT-MMは、現在、米国で患者登録を行っており、間もなく世界各国で登録できる予定です。本研究の参加国・地域は、米国、英国、ドイツ、イタリア、スペイン、ブラジル、イスラエル、フランス、ベルギー、ギリシャ、メキシコ、中国、台湾、コロンビア、トルコです。詳細については、下記webサイトをご覧ください。https://clinicaltrials.gov/show/NCT02761187

 

<多発性骨髄腫について>

多発性骨髄腫は形質細胞のがんであり、骨髄が病巣となります。本疾患では、単クローン性の形質細胞のあるグループが悪性化して増殖します。悪性化した形質細胞には骨を脆くする作用があり、多くの骨に影響を与え、結果として圧迫骨折、溶解性骨病変や関連疼痛に繋がることがあります。また、本疾患は骨、免疫系、腎、赤血球数に影響を与え、骨痛、倦怠感、貧血などの典型的な症状を伴うことが多く、数多くの重大な健康障害を引き起こす可能性があります。本疾患は、がんの中では稀であり、新規に本疾患を発症する患者数は米国では年間3万人、欧州では3万9千人、全世界では11万4千人です。

以上