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再発・難治性の古典的ホジキンリンパ腫を対象としたアドセトリス単独投与の臨床第2相試験の最終データのBlood誌掲載について

再発・難治性の古典的ホジキンリンパ腫を対象としたアドセトリス単独投与の臨床第2相試験の最終データのBlood誌掲載について


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July 19, 2016

-推定5年生存率41%、5年無増悪生存率22%-
-完全寛解を達成した患者における推定5年生存率は64%、5年無増悪生存率は52%-

Seattle Genetics, Inc.(本社:米国ワシントン州ボセル、以下「シアトルジェネティクス社」)と武田薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、以下「武田薬品」)は、このたび、再発・難治性の古典的ホジキンリンパ腫患者さんに対し、アドセトリス(一般名:ブレンツキシマブ ベドチン)を単独投与した臨床第2相試験の最終データがBlood誌に掲載されましたのでお知らせします。5年間の試験結果を要約した本論文では、完全奏効に達した患者さんにおいて長期の病勢コントロールが達成されたことが示されました。本論文は、オンライン版に掲載されており、Blood本誌にも掲載予定です。アドセトリスは、古典的ホジキンリンパ腫の病理的特徴であるCD30を標的とした抗体薬物複合体です。アドセトリスは、45ヶ国以上で企業主導あるいは医師主導臨床試験が実施中であり、ホジキンリンパ腫に対する基礎的な治療薬としてグローバルでの評価が行われています。

 

City of Hope National Medical Center Duarte, Californiaの医師であり本論文の筆頭著者であるRobert Chen氏は、「試験開始時、自家造血幹細胞移植後に再発したホジキンリンパ腫の患者さんにおいて増悪後生存期間の中央値は1.3年と芳しくありませんでした。このような患者さんに対して、長期の病勢コントロールを目的とした唯一の治療選択肢は同種造血幹細胞移植と考えられていました。この臨床第2相試験において、アドセトリス単剤投与の患者さんの生存期間中央値は、従来の治療成績を超えるものであり、最終データを論文掲載できたことを大変嬉しく思います」と述べています。

 

シアトルジェネティクス社のChief Medical Officer兼Executive Vice President, Research and DevelopmentであるJonathan Drachmanは、「当社は10年以上にわたり、新規の治療アプローチを評価する多数の臨床試験を通じて、ホジキンリンパ腫に対する治療成績の改善に取り組んでまいりました。ホジキンリンパ腫の患者さんを対象としたアドセトリス単独投与の臨床試験に関する今回の最終データの論文掲載は、60ヶ国を超える国々での承認の裏付けとなり、再発時の標準治療としての現在の使用を確立した試験にとって、極めて重要なマイルストンとなるものです。臨床試験での長期にわたる安全性および有効性データは、フロントライン治療などの他の古典的ホジキンリンパ腫に対するアドセトリスの実施中の臨床試験の裏付けとなります。当社の広範にわたる臨床試験では、ホジキンリンパ腫やそれ以外にCD30を発現している可能性がある悪性腫瘍に対する基礎治療として、アドセトリスの検討が行われています」と述べています。

 

武田薬品 Oncology Therapeutic Area UnitのExecutive Medical DirectorであるDirk Huebnerは、「アドセトリスの本試験において、完全奏効を示した患者さんのうち38%が本試験期間中に長期の病勢コントロールを達成するという良好な最終結果が示されました。また、本試験を通じて観察された全生存期間の中央値は40.5ヶ月、無増悪生存期間の中央値は9.3ヶ月でした。この結果は、再発ホジキンリンパ腫の患者さんの転帰を改善するうえで、アドセトリスの役割をさらに強固にするものです」と述べています。

 

本適応症に対する2011年のFDAからのアドセトリス承認の裏付けとなった本試験は、アドセトリス単剤投与の有効性および安全性の評価を目的とした単群試験であり、過去に自家造血幹細胞移植を受けた再発・難治性の古典的ホジキンリンパ腫の患者さん102例を対象に実施されました。登録患者さんは、中央値で3種類を超える化学療法レジメンによる前治療歴がありました。5年の追跡調査後における、本試験の最終結果は以下の通りです。

 

  • 全生存期間および無増悪生存期間の中央値は、それぞれ40.5ヶ月(95%信頼区間:28.7‐61.9)および9.3ヶ月(95%信頼区間:7.1‐12.2)でした。推定5年生存率および無増悪生存率は、41%および22%でした。
  • 治療を受けた患者さん102例のうち、34例(33%)が完全寛解を示し、奏効期間の中央値には達していませんでした。完全寛解を示した患者さんにおいて、推定5年生存率は64%(95%信頼区間:48‐80)、5年無増悪生存率は52%(95%信頼区間:34‐69)でした。
  • 完全寛解を達成した患者さん34例のうち、13例(38%)は追跡調査を継続し、試験終了時に5年以上にわたる寛解を持続していました。これらの患者さんのうち、4例は寛解中に同種造血幹細胞移植による地固め療法を受け、9例についてはさらなる治療を受けていませんでした。
  • グレードを問わず、最も一般的な有害事象は、末梢感覚神経障害、倦怠感、嘔気、好中球減少および下痢でした。治療により発現した末梢神経障害は、56例の患者さん(55%)で認められました。これらの患者さんのうち88%は末梢神経障害の症状改善を示し、73%では完全な消失が認められました。

以上