武田薬品とTiGenix社によるクローン病に伴う肛囲複雑瘻孔の治療薬Cx601の米国外の権利に関するライセンス契約締結について

2016年7月5日

武田薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、以下「武田薬品」)とTiGenix NV(本社:ベルギー ルーヴェン、以下「TiGenix社」)は、このたび、クローン病に伴う肛囲複雑瘻孔の治療薬であり、病変内に注入する同種異系の脂肪由来幹細胞の懸濁剤であるCx601について、米国外の独占的開発・販売権に関する契約を締結しましたのでお知らせします。TiGenix社は、武田薬品から契約一時金2,500万ユーロの現金を受領するとともに、合計で最大3億5,500万ユーロの申請および販売マイルストンと売上に応じた2桁台の料率のロイヤリティを受領する権利を有します。また、TiGenix社は、予想される最初のマイルストン1,500万ユーロを欧州でのCx601の販売許可取得時に受領します。さらに、武田薬品は、TiGenix社に対し、今後12ヶ月以内に1,000万ユーロの株式投資を行います。

 

クローン病は慢性かつ炎症性の消化管疾患です。クローン病の患者さんには、しばしば肛囲複雑瘻孔が伴いますが、肛囲複雑瘻孔の治療オプションは限られています。肛囲複雑瘻孔は、予後不良で治療オプションが十分ではない疾患として知られており、2009年、肛囲複雑瘻孔治療薬としてCx601が欧州委員会よりオーファン指定を受けました。2016年3月、TiGenix社は、欧州医薬品庁(EMA)にCx601の販売許可申請を行ったことを公表しました。本申請は、臨床第3相試験であるADMIRE-CD試験の24週の結果に基づいています。また、TiGenix社は、Cx601の単回投与において有効性・安全性が確認された52週時のデータも公表しています。

 

欧州においてCx601の販売許可を取得した場合、武田薬品が販売許可取得者となり、販売および当局対応を行います。また、武田薬品は、クローン病に伴う肛囲複雑瘻孔の効能に対するCx601のさらなる開発を担当します。TiGenix社は、新たな効能でCx601を開発する権利を引き続き保有します。

 

武田薬品の Europe and Canada Business UnitのPresidentであるMarc Princenは、「欧州では約100万人がクローン病に罹患しており、患者数が増加しています。当社は、消化器系疾患領域におけるリーディングカンパニーとして、アンメットメディカルニーズが存在する疾患に対する革新的な治療薬をお届けすることを強く願っています。当社は、本提携によりポートフォリオにCx601を加えることで、炎症性腸疾患、特にクローン病の専門性を強化し、消化器系疾患の患者さんに貢献する治療薬の開発により一層取り組んでまいります」と述べています。

 

TiGenix社のCEOであるEduardo Bravoは、「グローバル製薬企業として消化器系疾患領域において確固たる実績を有し、同領域でのリーディングカンパニーである武田薬品と提携できることを大変嬉しく思います。本提携により、欧州全体におけるマーケティングと販売基盤の確立するための投資リスクを軽減するとともに、必要とされる治療オプションを患者さんにお届けできることを期待しています。また、必要な能力と確実に製品化を成功させるリソースを有する最良のパートナーにCx601を託することができ、さらに、米国におけるCx601のさらなる開発のための資金を強化できます。米国は、世界のクローン病市場の約半分を占める市場です」と述べています。

 

<TiGenix社のWeb通じたプレゼンテーションについて>

TiGenix社は、2016年7月5日の21時30分(日本時間)/14時30分(中央欧州夏時間)/8時30分(米国東部夏時間)にwebを通じてプレゼンテーションを実施します。詳細についてはwww.tigenixをご覧ください。

 

<TiGenix社について>

TiGenix NV(ブリュッセル ユーロネクスト上場)は、同種異系すなわちドナー由来の幹細胞の基盤技術を用いた新薬の開発・製品化に注力する先進的なバイオ医薬品企業であり、現在、脂肪由来幹細胞技術基盤を用いた2つのパイプラインが開発中です。Cx601については、現在、クローン病に伴う肛囲複雑瘻孔の治療薬として臨床第3相試験が実施されています。また、Cx611については、敗血症を対象とした臨床第1相試験および関節リウマチを対象とした臨床第1/2相試験が終了しています。2015年7月31日、TiGenix社は、細胞製品AlloCSC-01を有するCoretherapix社を買収し、現在、急性心筋梗塞を対象にAlloCSC-01の臨床第2相試験を実施中です。さらに、Coretherapix社から獲得した、心臓幹細胞をベースとした技術を用いた2つ目の新薬候補物質であるAlloCSC-02については、慢性疾患の適応で開発中です。TiGenix社は、膝の軟骨修復に対する自家細胞治療製品ChondroCelectを開発し、欧州医薬品庁(EMA)に承認された最初の先端医療医薬品(ATMP)として、2014年6月からEU諸国(フィンランドについては、フィンランド赤十字が販売しているため除外)、ノルウェー、ロシア、スイス、トルコ、中東および北アフリカ諸国におけるChondroCelectの独占的販売権をSobi社に供与しています。TiGenix社は、ベルギーのルーヴェンに本社を置き、スペインのマドリードを中心に事業を展開しています。詳細については、www.tigenix.comをご覧ください。

 

<Cx601について>

Cx601は、病変内に注入する同種異系の脂肪由来幹細胞の懸濁剤です。本薬は、クローン病に伴う肛囲複雑瘻孔の治療薬として開発されています。クローン病は慢性かつ炎症性の腸疾患であり、現在有効な治療が存在しない肛囲複雑瘻孔を併発する可能性を有しています。肛囲複雑瘻孔は、予後不良であり、治療選択肢が十分ではない疾患として知られており、2009年、肛囲複雑瘻孔治療薬としてCx601が欧州委員会よりオーファン指定を受けました。TiGenix社は、臨床第2相試験の良好な結果に基づき、本薬の開発計画について欧州医薬品庁(EMA)に科学的アドバイスを求めました。その後、TiGenix社は、EMAの要求に沿ってデザインされた、無作為化、二重盲検、プラセボ対照の臨床第3相試験(ADMIRE-CD試験)を欧州とイスラエルで開始しました。ハイテクノロジーイノベーションを通じて企業の成長を支援するマドリード自治区にある組織「マドリード・ネットワーク」は、本試験への資金援助として低金利の融資を実施しました。本試験は、INNTEGRAプランの枠組みでSecretary of State for Research, Development and Innovation(Ministry of Economy and Competitiveness)による資金援助の対象となっています。本試験の主要評価項目は、24週時点で、ベースラインにおいて排膿中で、かつ本剤を投与されたすべての二次口が指押しにも関わらず完全閉鎖し、さらにMRIで2 cm超の膿瘍が確認されない臨床評価と定義とされた複合寛解でした。2015年の8月に報告された本試験結果によると、本試験では、ITT解析集団において、Cx601群は、24週時点の複合寛解が49.5%であり、プラセボ群の34.3%と比べて統計学的に有意であり、主要評価項目を達成しました。この結果から、相対リスクは1.44、つまりCx601群はプラセボ群よりも複合寛解を達成する確率が44%高いということがわかります。有効性は全ての解析対象集団で安定しており一貫性のある結果が得られました。治療下で発現した(非重篤および重篤な)有害事象と有害事象による投薬中止は、Cx601群とプラセボ群で同様でした。本試験では、治療後52週時点のフォローアップ解析も終了しています。良好な24週の臨床第3相試験結果に基づき、TiGenix社は、2016年の初めにEMAに販売許可申請を行いました。TiGenix社は、2015年8月7日にTiGenix社が提案した試験プロトコールに関する手続きである臨床試験計画評価(Special Protocol Assessment: SPA)を通じてFDAと合意に達し、米国でのCx601の開発に向けて準備を進めています。

以上