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新規経口プロテアソーム阻害薬イキサゾミブの日本における製造販売承認申請について

新規経口プロテアソーム阻害薬イキサゾミブの日本における製造販売承認申請について


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July 4, 2016

当社は、本日、新規の経口プロテアソーム阻害薬であるイキサゾミブクエン酸エステル(一般名、開発コード:MLN9708、以下「イキサゾミブ」)について、厚生労働省に製造販売承認申請を行いましたのでお知らせします。

 

イキサゾミブは、再発又は難治性の多発性骨髄腫に対する初めての経口プロテアソーム阻害薬です。今回の申請は、国際共同臨床第3相試験であるTOURMALINE-MM1の結果に基づくものです。本試験の結果は、2016年4月にNew England Journal of Medicine(NEJM)誌に掲載されました。本試験により、経口剤であるイキサゾミブ、レナリドミド、デキサメタゾンの3剤併用療法は、再発又は難治性の多発性骨髄腫患者さんに対して無増悪生存期間を有意に延長するとともに管理可能な忍容性および安全性プロファイルを有する経口レジメンであることが示唆されました。

 

当社のChief Medical and Scientific OfficerのAndrew Plumpは、「多発性骨髄腫は依然として、再発性、難治性の希少ながんです。当社は、有効性と忍容性、利便性のある治療により患者さんが直面している負担を軽減するアンメットニーズに取り組むために、TOURMALINE-MM1を含む広範囲な国際共同臨床第3相試験のプログラムを計画しました。今回の申請内容が承認された場合、日本において初めて、プロテアソーム阻害薬を含むすべて経口の3剤併用療法が可能となります。本薬の開発にあたり、ご協力いただいた患者さん、医師の方々に感謝するとともに、この革新的な治療薬を日本の患者さんにご提供できる機会を心待ちにしています」と述べています。

 

<多発性骨髄腫について>

多発性骨髄腫は形質細胞のがんであり、骨髄が病巣となります。本疾患では、単クローン性の形質細胞のあるグループが悪性化して増殖します。悪性化した形質細胞には骨を脆くする作用があり、多くの骨に影響を与え、結果として圧迫骨折、溶解性骨病変や関連疼痛に繋がることがあります。また、本疾患は骨、免疫系、腎、赤血球数に影響を与え、骨痛、倦怠感、貧血などの典型的な症状を伴うことが多く、数多くの重大な健康障害を引き起こす可能性があります。本疾患は、がんの中では稀であり、新規に本疾患を発症する患者数は全世界では年間11万4千人です。日本における総患者数は約1万4千人と報告されています。

 

<イキサゾミブについて>

イキサゾミブは、新規の経口プロテアソーム阻害薬であり、多発性骨髄腫、全身性ALアミロイドーシスを対象に開発が進められています。本薬は、2016年2月、再発又は難治性の多発性骨髄腫を予定する効能・効果として、厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受けました。米国ではTOURMALINE-MM1試験の結果に基づき2015年7月に申請し、米国食品医薬品局(FDA)の優先審査の審査終了目標日より4ヶ月早い2015年11月に前治療歴のある再発・難治性の多発性骨髄腫に対する治療薬としてFDAからの販売許可を取得した後、2015年12月より「NINLARO®」の製品名で販売を開始しました。

 

<TOURMALINE試験について>

当社は、イキサゾミブの総合的な臨床試験プログラムであるTOURMALINE試験により、世界中の多発性骨髄腫患者さんや医療関係者の方々に革新的な新薬を開発し、お届けするという取り組みをさらに強化しています。TOURMALINE試験には、5つの試験が含まれており、4つは多発性骨髄腫の主要な患者層を対象とした試験であり、ひとつはALアミロイドーシスの患者さんを対象とした試験です。 

  • TOURMALINE-MM1:再発・難治性の多発性骨髄腫を対象に本薬・レナリドミド・デキサメタゾン併用群とプラセボ・レナリドミド・デキサメタゾン併用群を比較
  • TOURMALINE-MM2:初発の多発性骨髄腫を対象に本薬・レナリドミド・デキサメタゾン併用群とプラセボ・レナリドミド・デキサメタゾン併用群を比較
  • TOURMALINE-MM3:初発の多発性骨髄腫を対象に導入療法および自家造血幹細胞移植後の維持療法として本薬とプラセボを比較
  • TOURMALINE-MM4:自家造血幹細胞移植歴のない初発の多発性骨髄腫を対象に維持療法として本薬とプラセボを比較
  • TOURMALINE-AL1: 再発・難治性のALアミロイドーシスを対象に本薬およびデキサメタゾンの併用と医師が選択したレジメンでの治療を比較 

TOURMALINE試験の他、イキサゾミブに関する多くの医師主導臨床試験が世界中で実施されています。

 

<希少疾病用医薬品の指定について>

イキサゾミブは、2016年2月に、再発又は難治性の多発性骨髄腫を予定する効能・効果として、厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受けました。イキサゾミブの希少疾病用医薬品としての指定は、患者さんのことを第一に考える当社の取り組みを示すものです。

本件に関する詳細は、2016年2月26日付の下記プレスリリースをご覧ください。

http://www.takeda.co.jp/news/2016/20160226_7321.html

以上