Roivant Sciences社と武田薬品による女性疾患および前立腺がんに対する革新的な新薬開発のためのMyovant Sciences社の設立について

2016年6月7日

- Myovant社は、子宮筋腫、子宮内膜症、前立腺がん治療薬のベスト・イン・クラスとなり得るGnRH拮抗薬であるrelugolixの国際共同臨床第3相試験を開始予定

- Medivation社の前Chief Medical OfficerであるLynn Seely医師がMyovant社の社長兼CEOに就任

- 女性不妊症治療薬RVT-602も本提携のパイプラインに含まれる

武田薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、以下「武田薬品」)とRoivant Sciences Ltd.(本社:バミューダ諸島 ハミルトン、以下「Roivant社」)は、このたび、多くの患者さんの生活の質を改善する可能性のある新薬の開発を効率的に推進し女性疾患および前立腺がんに対する革新的な治療法をお届けすることを目的としたバイオ医薬品会社であるMyovant Sciences Ltd.(以下「Myovant社」)を設立しましたのでお知らせします。Myovant社の社長兼CEOには、内分泌学の医師であり、2005年から2015年までMedivation社のChief Medical Officerとして前立腺がん治療薬XTANDI®(一般名:enzalutamide)の開発を率いたLynn Seely氏が就任しました。

 

Myovant社設立のパートナーシップ

武田薬品は、日本とアジアの一部の国を除く全世界におけるrelugolix(一般名、開発コード:TAK-385)の独占的権利をMyovant社に供与します。Relugolixは、臨床第3相試験を実施中または開始予定の薬剤であり、これまで合計1,300名以上を対象とした臨床試験において評価が行われており、3つの適応症を対象に複数の大規模な無作為化臨床第2相試験で臨床的有用性および全般的に良好な忍容性が示されています。本薬は、子宮筋腫、子宮内膜症、前立腺がんに対するベスト・イン・クラスとなり得る1日1回経口投与のゴナドトロピン放出ホルモン(gonadotropin-releasing hormone :GnRH)受容体拮抗薬として開発が進められています。武田薬品は、日本と一部のアジアの国におけるrelugolixの製品化に関する権利を引き続き保有する予定であり、現在、日本で子宮筋腫を対象に2つの臨床第3相試験で患者登録が行われています。また、武田薬品は、女性不妊症の治療薬候補である新規のオリゴペプチド・キスペプチン受容体作動薬RVT-602(TAK-448)の全世界における独占的権利もMyovant社に供与します。本提携の経済条件については開示していません。

 

武田薬品のChief Medical and Scientific OfficerであるAndrew Plumpは、「当社は、オンコロジー、消化器系疾患領域、中枢神経系疾患領域の重点領域を強化するとともに画期的な提携を活用した戦略を構築しており、重点領域以外あるいは当社にとって戦略的提携を行った方がよいと考えられる有望なパイプラインの開発加速と価値創造に向けて他の選択肢を探すことが重要です。Myovant社の設立は、当社のアジア地域におけるプレゼンスを活用するとともに、Roivant社とMyovant社が今後高い専門性を確立しようとする主要市場における両社の開発力により、relugolixの開発を加速させる画期的な提携です」と述べています。

 

Roivant社のCEOであるVivek Ramaswamyは、「ホルモン依存性疾患の患者さんのニーズを満たすため、武田薬品と提携できることを大変嬉しく思います。女性疾患や前立腺がん等における主要なアンメットメディカルニーズに取り組むMyovant社を設立することにより、3社にとって、そして患者さんにとって有益な成果を生み出せるものと考えています」と述べています。

 

Lynn Seely医師の社長兼CEO就任

Seely医師は、20年以上にわたる医薬品開発における経験およびバイオ医薬品企業でのリーダーとしての経験を生かし、Myovant社の社長兼CEOに就任しました。直近では、設立早期の2005年3月から2015年10月までMedivation, Inc.(以下「Medivation社」)のChief Medical Officerを務め、経営委員会のメンバーでもあり、臨床試験に導く前臨床試験から販売許可取得、そして市販後の臨床試験まで転移性去勢抵抗性前立腺がん治療薬XTANDIの開発を率いました。また、Medivation社の臨床開発組織のほか、薬事、品質、プロジェクトマネジメント、メディカルアフェアーズ、生物学的製剤製造の各機能の構築をリードし、現在はBlueprint Medicines Corporationの役員を務めています。同医師は、Anesiva, Inc.(前Corgentech社)とCytyc Health Corporationの臨床開発部門のVice Presidentも歴任しました。同医師は、オクラホマ大学医学部で医学博士を取得し、Yale-New Haven病院で内科学の臨床研修を修了しました。Yale大学医学部内科でチーフレジデントを務めた後、サンディエゴのカリフォルニア大学内分泌代謝科で基礎科学と臨床フェローシップを修了しました。

 

Myovant社の社長兼CEOのLynn Seely医師は、「当社は、子宮筋腫、子宮内膜症、前立腺がんの患者さんに新薬をお届けするという当社のミッションを実現してまいります。Relugolixおよび武田薬品との提携により、この素晴らしい新会社を設立することができました」と述べています。

 

Relugolixについて>

Relugolixは、子宮筋腫および子宮内膜症に対するベスト・イン・クラスとなり得る1日1回経口投与のゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)受容体拮抗薬であり、ホルモン感受性前立腺がんに対するベスト・イン・クラスあるいはファースト・イン・クラスとなり得る治療薬でもあります。本薬は、これまで合計1,300名以上を対象として評価が行われており、3つの適応症を対象とした多施設、大規模、無作為化の臨床第2相試験において有意な臨床的有用性および全般的に良好な忍容性を示しました。武田薬品は、現在、日本において本薬に関する子宮筋腫を対象とした2つの臨床第3相試験の患者登録を行っています。

 

Relugolixは、下垂体のGnRH受容体を阻害することにより速やかに性ホルモンレベルの循環を低下させ、エストロゲンおよびテストステロンを抑制します。性ホルモンの抑制により、子宮筋腫や子宮内膜症の症状が改善するとともに、ホルモン感受性前立腺がん患者さんの前立腺特異抗原(PSA)値が低下します。

 

子宮筋腫の患者さん216名を対象とした臨床第2相試験では、relugolix投与群において、月経過多あるいは月経中の重篤な異常出血が有意に減少しました。子宮内膜症の患者さん487名を対象とした臨床第2相期試験では、relugolix投与群において、骨盤痛が有意に減少しました。これらの試験結果を受け、現在、日本では子宮筋腫を対象とした2つの臨床第3相試験で患者登録が行われています(NCT02655237, NCT02655224)。ホルモン感受性前立腺がんの患者さん250名を対象に、注射用のGnRH作動薬(リュープロレリン酢酸塩)あるいはGnRH拮抗薬(デガレリクス酢酸塩)を対照群として実施された2つの試験では、1日1回投与のrelugolixは血清テストステロン値を除睾レベルまで抑制し、PSA値も低下させました。臨床第2相試験全般にわたり、relugolixは良好な忍容性および作用機序に基づく安全性を示しました。

 

Relugolixの幅広い前臨床試験およびこれまでの臨床試験結果から、1日1回経口投与の本薬が子宮内膜症や子宮筋腫の患者さんに対する重要な治療オプションとなる可能性が示唆されています。また、本薬は、ホルモン感受性前立腺がん患者さんにとって注射薬に代わる初めての経口GnRH受容体拮抗薬として重要な治療オプションとなる可能性があります。

 

RVT-602について>

RVT-602(TAK-448)は、GnRHや黄体形成ホルモンなどの妊孕性に重要な末梢ホルモンの生理学的放出を刺激するキスペプチン作動薬です。体外受精(IVF)を実施した女性を対象とした臨床試験では、天然型キスペプチン・ペプチドは、IVFの各サイクルに不可欠な過程である排卵誘発に使われるヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)あるいはGnRH作動薬の代替薬となり得る薬剤であることが示唆されています。

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