2016年米国消化器病週間における潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤vedolizumabの最新データの発表について

2016年5月24日

当社は、米国カリフォルニア州サンディエゴで開催されている2016年米国消化器病週間(Digestive Disease Week:DDW)において、潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤vedolizumab(一般名)に関する2つのデータをオーラルプレゼンテーションで発表しましたのでお知らせします。今回発表したデータは、潰瘍性大腸炎治療パラダイムにおける本剤の最適な位置付けに関する評価、および本剤の治療初期の血中濃度トラフ値がその後の効果に及ぼす影響に関する調査です。本学会では、vedolizumabや炎症性腸疾患に関する4つのオーラルプレゼンテーションと9つのポスター発表の合計13の当社関連演題の抄録が受理され、発表されました。

 

当社 消化器系疾患領域 米国Medical DirectorのKaren Laschは、「潰瘍性大腸炎の治療パラダイムは変化しており、様々な治療オプションの位置付けを整理するためのさらなる調査は医師にとって有用かもしれません。vedolizumabは、潰瘍性大腸炎の患者さんにとって重要な治療薬であり、今回発表したデータにより本剤に対する理解が一層深まるものと考えています」と述べています。

 

Vedolizumabはヒト化モノクローナル抗体であり、Entyvio®の製品名で2014年に欧州および米国で承認されています。また、本剤は、現在49カ国で承認されています。本剤は、従来の治療薬あるいは抗TNFα抗体による治療に対し効果不十分、効果減弱がみられた、もしくは不耐性である成人の中等度から重度の活動期潰瘍性大腸炎およびクローン病の治療剤として同時に承認を受けた最初で唯一の生物学的製剤です。 

DDW2016におけるvedolizumabのオーラルプレゼンテーショ

  • GEMINI 1試験における、中等度から重度の潰瘍性大腸炎患者を対象とした、6週時点あるいはそれ以前のvedolizumabの血中濃度と14週時点での寛解との関係(演者:Osterman, Roblin, Gloverら、演題番号:512)
    • 成人における中等度から重度の活動期潰瘍性大腸炎患者を対象に、vedolizumabの治療初期の血中濃度トラフ値がその後の効果に影響を与えるかどうか、GEMINI 1試験の事後解析が実施された。本試験では、患者は0週と2週にプラセボあるいはvedolizumabが投与された。52週の本試験では、6週時点でvedolizumabが奏効した患者が、プラセボ群、vedolizumab(8週毎投与)群、vedolizumab(4週毎投与)群にランダムに割り付けられた。本事後解析は、8週毎のvedolizumab投与群を対象に実施された。寛解は14週時点で判断され、vedolizumabの血中濃度のトラフ値を寛解状態により集計した。寛解患者の割合は、2、4、6週時点でのvedolizumabの血中濃度トラフ値の四分位値ごとに層別して集計した。
    • 6週時点におけるvedolizumabの血中濃度トラフ値は14週時点の寛解と相関していた。14週時点で寛解に至った患者の2、4、6週時点のvedolizumabの血中濃度トラフ値の中央値は、寛解に至っていない患者よりも高かった。治療初期に潰瘍性大腸炎患者の寛解を予測できるvedolizumabの最適な血中濃度の範囲があるかどうか、確認するためのさらなる検討が必要。
    • 潰瘍性大腸炎の現在の治療パラダイムにおけるvedolizumabの最適な位置付けの検討(演者:Scott, Shah, Laschら、演題番号:511)
      • 臨床転帰や質調整生存年(Quality Adjusted Life Years:QALYs)を指標として用いた際、vedolizumabを現在の治療パラダイムのどこに組み込むことが最も効果的かを評価するためにMarkovモデルが構築された。
      • 本モデルにより、治療パラダイムの初期にvedolizumabを組み込むことがステロイド減量を要する中等度から重度の潰瘍性大腸炎患者に最も効果的である可能性が示唆された。

以上