大うつ病治療剤Brintellix®の添付文書への臨床試験データ追記申請にかかる審査完了報告通知の受領について

2016年3月29日

武田薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、以下「武田薬品」)とH. Lundbeck A/S(本社:デンマーク、コペンハーゲン、以下「Lundbeck社」)は、大うつ病治療剤Brintellix®(一般名:ボルチオキセチン臭化水素酸塩、以下「Brintellix」)について、成人大うつ病性障害(以下「うつ病」)における認知機能障害に関する新たな臨床成績を添付文書の臨床試験の項に追記する旨の申請を米国食品医薬品局(FDA)に行っていましたが、このたび、当該申請にかかる審査完了報告通知をFDAより受領しましたのでお知らせします。Brintellixは、成人のうつ病に対する治療剤として2013年9月30日に米国で承認されています。Brintellixの大うつ病に対する適応について、本通知による変更はありません。 

米国食品医薬品局(FDA)の精神系薬物諮問委員会(PDAC)において、うつ病における認知機能障害に対するBrintellixの有効性に関し、10人の委員のうち8人が十分なエビデンスが示されたとする見解を支持していたことから、武田薬品ならびにLundbeck社は、この度の通知内容を遺憾に思います。一方で、FDAがうつ病による認知機能障害の重要性を認識し、治療薬開発の対象となり得るとの見解を有していることについては喜ばしく思います。 

武田薬品ならびにLundbeck社は、FDAと本通知の内容について協議し、適切な対応を決定してまいります。また、引き続きBrintellixを大うつ病患者さんの治療オプションとして提供してまいります。

 

<Brintellixについて>

Brintellixは、神経伝達物質セロトニン(5-HT)の再取り込み阻害作用、また、5-HT1A受容体刺激作用、5-HT1B受容体の部分的刺激作用、5-HT3、5-HT1D、5-HT7受容体拮抗作用など、複数のセロトニン受容体での作用を有すると考えられています。Brintellixは、これらの薬力学的作用を併せ持つ初めてかつ唯一の薬剤です。

 

BrintellixはLundbeck社が創製し、米国における臨床試験はLundbeck社と武田薬品が共同で行い、米国市場における新薬承認申請(NDA)は武田薬品が行いました。BrintellixはLundbeck 社の登録商標であり、武田薬品が使用許諾を得て使用しています。

本剤は64ヶ国(欧州、ブラジル、カナダ、チリ、メキシコ、アルゼンチン、韓国、トルコ、オーストラリア、香港、シンガポール、南アフリカ等)で承認されています。

世界保健機関(WHO)は、Anatomical Therapeutic Chemical(ATC:解剖治療化学分類)において、Brintellixを「その他」の抗うつ薬というクラスに分類しました。

 

6~8週間のプラセボを対照とした試験において、Brintellix投与時に最も多く発現した有害事象(発現率≧5%かつプラセボ投与群の少なくとも2倍の発現率)は吐き気、便秘、嘔吐でした。短期投与試験全体において、Brintellix 5~20mg/日を投与した患者さんの5~8%が、プラセボ投与群においては4%が副作用により治療を中止しており、最も多い副作用は吐き気でした。

6~8週のプラセボを対照とする臨床試験において、Brintellix投与群では投与開始前からの平均体重変化量に有意な影響は認められませんでした。また、12週間のBrintellix投与にて効果の認められた患者さんを対象とした、24週間のプラセボ対照・二重盲検・長期維持試験において、プラセボ投与群とBrintellix投与群の体重変化量に差はありませんでした。なお、プラセボ対照試験において、Brintellix投与群の患者さんの収縮期血圧及び拡張期血圧ならびに心拍数等のバイタルサインについても、影響は認められませんでした。

 

<承認用量>

Brintellix 5 mg錠、10 mg錠、20 mg錠(食事の摂取に関わらず服用可能)

Brintellixの承認用法・用量は5~20 mg 1日1回、推奨服薬開始用量は1日10 mgであり、米国における臨床試験の結果において、高用量投与時により高い治療効果が示されたことから、患者さんの忍容性に応じて1日20mgまで増量します。高用量投与に忍容性のない患者さんは、5mg/日まで減量することも検討されます。幅広い用量設定により、多様な患者さんのニーズに対応可能です。

以上