成人大うつ病性障害における認知機能障害に対する大うつ病治療剤Brintellix®(一般名:ボルチオキセチン臭化水素酸塩)の臨床試験データに関する米国食品医薬品局(FDA)精神系薬物諮問委員会での投票結果について

2016年2月4日

- 10人の委員のうち8人が大うつ病性障害における認知機能障害に対するBrintellixの有効性を示唆する十分なエビデンスが示されたとの見解を支持

- 委員会では、大うつ病性障害における認知機能障害は治療薬開発の対象となり得るとの議論

武田薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、以下「武田薬品」)とH. Lundbeck A/S(本社:デンマーク、コペンハーゲン、以下「Lundbeck社」)は、このたび開催された米国食品医薬品局(FDA)の精神系薬物諮問委員会において、成人大うつ病性障害(以下「うつ病」)における認知機能障害に対する大うつ病治療剤Brintellix®(一般名:ボルチオキセチン臭化水素酸塩、以下「Brintellix」)の有効性に関し、10人の委員のうち8人が十分なエビデンスが示されたとする見解を支持しましたのでお知らせします。また、本委員会では、うつ病による認知機能障害は治療薬開発の対象となり得るとの議論も行われました。

武田薬品の中枢神経系疾患Therapeutic Area Unit のHeadであるEmiliangelo Ratti は、「今般、本諮問委員会で示された見解により、うつ病による認知機能障害を経験している患者さんの医療ニーズを満たすことの重要性が明らかになりました。認知機能障害に見られる一般的な症状には、集中力が低下する、決断ができなくなる、考えることが困難になるなどが含まれます。これらの症状は多くの場合、大うつ病エピソードの期間中に現れ、うつ病患者さんに影響を及ぼします」と述べています。

諮問委員会は、FDAに対し、独立した専門的アドバイスや推奨を行います。FDAは、2015年8月に受理したBrintellixの審査において本諮問委員会が示した見解を考慮し、審査結果を2016年3月28日までに出す予定です。なお、FDAは本委員会が示した見解に拘束されることはありません。

Lundbeck社のExecutive Vice President兼 Head of Drug DevelopmentのAnders Gersel Pedersenは、「うつ病による認知機能障害の治療に対し、Brintellixの有効性に関する十分なエビデンスが示されたとする今回の諮問委員会の見解を大変嬉しく思います。今回示された見解により、患者さんが必要とする治療オプションを追求して実施した認知機能障害に関する研究結果が高く評価されたことが明確になりました。武田薬品がFDAに対して行ったBrintellixの添付文書への臨床試験データの追記申請は、うつ病における認知機能障害という分野では初めての申請であり、今後、審査完了に向けてFDAと緊密に連携してまいります」と述べています。

うつ病では、認知機能障害を含む多くの症状が複合的に発現し、中でも認知機能障害の発現率は高率です。うつ病患者を対象とした3年間の治療の前向き研究によると、認知機能障害(思考または集中能力の低下および/または判断力の低下と定義)は、大うつ病エピソード急性期中の94%で、寛解期間中の44%でそれぞれ見られると報告されています。

本諮問委員会は、18歳から65歳のうつ病患者さんにおける認知機能障害に対するBrintellixの効果を評価するよう設計されたFOCUS試験 および CONNECT試験のデータを審査しました。これら2つの、8週間にわたり無作為化、二重盲検、プラセボ対照でBrintellix 10mg/日もしくは20 mg/日の効果を検討した試験では、神経心理検査である数字符号置換検査(Digit Symbol Substitution Test:DSST)が用いられました。

Brintellixは、成人のうつ病に対する治療剤として2013年9月30日に米国で承認されました。本剤は64ヶ国(欧州、ブラジル、カナダ、チリ、メキシコ、アルゼンチン、韓国、トルコ、オーストラリア、香港、シンガポール、南アフリカ等)で承認されています。

本年2月3日に開催された諮問委員会の詳細については、下記をご覧ください。

http://www.fda.gov/AdvisoryCommittees/CommitteesMeetingMaterials/Drugs/PsychopharmacologicDrugsAdvisoryCommittee/ucm475314.htm

 

<Brintellixについて>

Brintellixは、神経伝達物質セロトニン(5-HT)の再取り込み阻害作用、また、5-HT1A受容体刺激作用、5-HT1B受容体の部分的刺激作用、5-HT3、5-HT1D、5-HT7受容体拮抗作用など、複数のセロトニン受容体での作用を有すると考えられています。Brintellixは、これらの薬力学的作用を併せ持つ初めてかつ唯一の薬剤です。

BrintellixはLundbeck社が創製し、米国における臨床試験はLundbeck社と武田薬品が共同で行い、米国市場における新薬承認申請(NDA)は武田薬品が行いました。BrintellixはLundbeck 社の登録商標であり、武田薬品が使用許諾を得て使用しています。

世界保健機関(WHO)は、Anatomical Therapeutic Chemical(ATC:解剖治療化学分類)において、Brintellixを「その他」の抗うつ薬というクラスに分類しました。

6~8週間のプラセボを対照とした試験において、Brintellix投与時に最も多く発現した有害事象(発現率≧5%かつプラセボ投与群の少なくとも2倍の発現率)は吐き気、便秘、嘔吐でした。短期投与試験全体において、Brintellix 5~20mg/日を投与した患者さんの5~8%が、プラセボ投与群においては4%が副作用により治療を中止しており、最も多い副作用は吐き気でした。

6~8週のプラセボを対照とする臨床試験において、Brintellix投与群では投与開始前からの平均体重変化量に有意な影響は認められませんでした。また、12週間のBrintellix投与にて効果の認められた患者さんを対象とした、24週間のプラセボ対照・二重盲検・長期維持試験において、プラセボ投与群とBrintellix投与群の体重変化量に差はありませんでした。なお、プラセボ対照試験において、Brintellix投与群の患者さんの収縮期血圧及び拡張期血圧ならびに心拍数等のバイタルサインについても、影響は認められませんでした。

 

<承認用量>

Brintellix 5 mg錠、10 mg錠、20 mg錠(食事の摂取に関わらず服用可能)

Brintellixの承認用法・用量は5~20 mg 1日1回、推奨服薬開始用量は1日10 mgであり、米国における臨床試験の結果において、高用量投与時により高い治療効果が示されたことから、患者さんの忍容性に応じて1日20mgまで増量します。高用量投与に忍容性のない患者さんは、5mg/日まで減量することも検討されます。幅広い用量設定により、多様な患者さんのニーズに対応可能です。

 

以上