武田薬品とMersana Therapeutics社によるFleximer®抗体薬物複合体ならびに新薬候補物質XMT-1522の開発に関する提携拡大について

2016年2月4日

Mersana Therapeutics(本社:米国マサチューセッツ州ケンブリッジ、以下「Mersana社」)と武田薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、以下「武田薬品」)は、このたび、両社間における戦略的提携を拡大する契約を締結しましたのでお知らせします。これにより、武田薬品は、Mersana社の有する新薬候補物質であるXMT-1522について、米国・カナダ以外の国・地域における権利を新たに獲得します。加えて今般の提携拡大により、武田薬品は、Mersana社の有するFleximer®抗体薬物複合体の基盤技術へのさらなるアクセスが可能となり、Mersana社は、臨床第1相試験終了時点において対象となる新薬候補物質のうち1つを米国において武田薬品と共同開発・販売を実施できるオプション権を獲得します。また、両社は、抗体薬物複合体によって送達される抗腫瘍活性をもつ化合物(ペイロード)を共同開発します。

 

XMT-1552は、Fleximer技術に基づく抗体薬物複合体であり、HER2の発現がみられる乳がん、胃がん、非小細胞肺がんなどの腫瘍を対象とした新薬候補物質です。前臨床データから、XMT-1522は、既存のHER2標的薬で効果がみられなかったHER2低発現の腫瘍ならびにHER2高発現の腫瘍を有する患者において抗腫瘍活性を示す可能性が示唆されています。なお、Mersana社は、2016年の中頃、XMT-1522の臨床試験実施申請を米国食品医薬品局(FDA)に対して行う予定です。

 

Mersana社の社長兼CEOであるAnna Protopapasは、「当社は、現在治療選択肢が限られているHER2低発現の患者さんにとって、XMT-1522が画期的な治療薬となる可能性を有しているものと考えています。また、既存の抗体薬物複合体の基盤技術では充たされない患者さんの治療ニーズに当社のFleximer技術が貢献できるものと確信しています。武田薬品は、がん領域に関する豊富な知見を有するとともに抗体薬物複合体の研究開発に熱心に取り組んでいることから、当社の革新的な創薬基盤技術を発展させ、XMT-1552を臨床現場へお届けするための最高のパートナーであると考えています」と述べています。

 

武田薬品とMersana社はXMT-1522を共同開発しますが、臨床第1相試験についてはMersana社が実施します。同薬の製品化・販売権については、米国とカナダはMersana社、それ以外の国・地域は武田薬品が有します。XMT-1522の開発・製品化に加えて、今般の提携拡大を通じ、武田薬品はMersana社のFleximer抗体薬物複合体の基盤技術を用いたさらなる創薬ターゲットについても使用できるようになります。Mersana社は、それらの新たな創薬ターゲットのうち、臨床第1相試験終了後、1つを選択し、武田薬品と米国において共同開発・販売する権利を有します。また、両社は、武田薬品が所有する低分子化合物ライブラリーを活用し、新規の抗体薬物複合体において両社が使用できる抗腫瘍活性化合物(ペイロード)の特定ならびに改良を共同で実施します。

 

武田薬品のChief Medical and Scientific OfficerであるAndrew Plumpは、「Mersana社との提携拡大は、この2年以内で3度目となります。当社が大いに期待を寄せる、Mersana社のFleximer技術と、当社のがん領域における専門性ならびにリソースを融合させることで、治療選択肢の未だ少ないがん患者さんに貢献できるよう、抗体薬物複合体による標的療法の開発を進めてまいります。当社は、『がんを治す』という目標に取り組む世界中の方々とともに、パートナーシップとイノベーションを軸に、がん治療の飛躍のために一歩ずつ歩みを進めてきました。Mersana社との本提携拡大を通じ、同社とともに最先端のがん治療薬の研究開発に鋭意取り組んでまいります」と述べています。

 

武田薬品は、同社の100%子会社であるMillennium Pharmaceuticals, Incを通じて今般の提携拡大の契約を締結し、同契約に基づき、Mersana社は、契約一時金40百万米ドルを受領するとともに、XMT-1522の臨床試験実施申請がFDAに承認された場合、追加で20百万米ドルを受領します。また、XMT-1522ならびにさらなる抗体薬物複合体の創薬に関する今後の開発・製品化の成果に応じて、Mersana社は合計750百万米ドル以上のマイルストン、ならびにロイヤリティを受領することが可能となります。さらに、Mersana社が将来的に資金調達を実施する場合、同社は武田薬品より最大で20百万米ドルの株式投資を受けることが可能となります。

 

<XMT-1522について>

XMT-1552は、Mersana社のFleximer®免疫複合体技術を基盤とした、同社独自のアウリスタチン・ペイロード分子を約15個有する、HER2を標的とした新薬候補物質です。前臨床試験データで、HER2発現が低く既存の治療薬に不応の腫瘍モデルを含む、乳がん、胃がん、非小細胞肺がんの腫瘍モデルにおいて良好な抗がん作用が示されました。XMT-1522の開発については、Mersana社と武田薬品が共同で実施するとともに、製品化・販売権については、米国・カナダにおいてはMersana社が、それ以外の国・地域においては武田薬品が有します。

 

<Mersana Therapeutics社について>

Mersana Theapeutics(以下「Mersana社」)は、革新的なFleximer®免疫複合体技術を用いがん標的療法のパイプラインを独自に構築しています。Mersana社の最初の新薬候補物質であるXMT-1552は、アンメットニーズを満たすとともに複数のがんに対する治療効果を改善する可能性があります。Fleximerを基盤とした免疫複合体分子は、これまでの抗体薬物複合体では対象にできないと考えられていた標的をターゲットにできるなど、優れた有効性を示しています。Mersana社は、現在、武田薬品、メルクKGaA社、Asana BioSciences社とFleximer技術を活用した提携を実施しています。詳細は、www.mersana.comをご覧ください。

以上