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アドセトリス®の再発・難治性ホジキンリンパ腫患者における長期的な寛解を示す5年生存率データの発表について

アドセトリス®の再発・難治性ホジキンリンパ腫患者における
長期的な寛解を示す5年生存率データの発表について


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December 7, 2015

- 米国血液学会年次総会において前治療歴のある再発・難治性のホジキンリンパ腫患者における臨床第2相試験の最終結果を発表

- 自家造血幹細胞移植後の再発リスクの高いホジキンリンパ腫患者を対象とした臨床第3相試験AETHERA試験の有効性・安全性の最新データを発表

当社は、自家造血幹細胞移植後の再発・難治性のホジキンリンパ腫患者に対し、アドセトリス®(一般名:ブレンツキシマブ ベドチン)を単独投与した臨床第2相試験の、治療後のフォローアップデータを発表しましたのでお知らせします。本データでは、アドセトリス投与患者における推定5年生存率は41%(95%信頼区間: 31%、51%)、全生存期間の中央値は40.5ヶ月(95%信頼区間: 28.7、61.6[範囲 1.8-72.9以上])、無増悪生存期間(PFS)の中央値は9.3ヶ月(95%信頼区間: 7.1ヶ月、12.2ヶ月)でした。アドセトリスの安全性プロファイルは、添付文書に記載されている内容と同様であることが確認されました。これらの結果は、米国時間12月6日、オーランドで行なわれている第57回米国血液学会年次総会(ASH:American Society of Hematology)において発表されました。

 

ドイツのUniversity Hospital of Cologneの教授であるAndreas Engert, M.D.は「本試験において示された、予後不良な同疾患における長期的な改善を示す5年生存率データは非常に有望な成績です。これらの結果は、サルベージ療法や自家造血幹細胞移植後に再発・増悪をしたホジキンリンパ腫患者さんに対する標準治療として、アドセトリスが早急に必要とされていることを示しています」と述べています。

 

また、本日のASHにおいて、自家造血幹細胞移植後の再発リスクの高いホジキンリンパ腫患者に地固め療法としてアドセトリスを投与した臨床第3相試験「AETHERA試験」のデータも発表され、3年間のフォローアップ期間の後も、アドセトリス投与患者ではプラセボ群と比較して主治医判定によるPFSの顕著な改善が引き続き示されました(アドセトリス群61%(95%信頼区間:53%、68%; ハザード比0.52)vs プラセボ群43%(95%信頼区間:36%、51%; ハザード比0.52))。アドセトリスの安全性プロファイルは、添付文書に記載されている内容と同様でした。

 

アドセトリスは、古典的ホジキンリンパ腫に発現するCD30抗原を標的とした抗体薬物複合体です。アドセトリスは、再発・難治性のホジキンリンパ腫および全身性身分化大細胞リンパ腫の治療剤として世界55ヶ国以上で承認されています。現在、様々ながんにおけるアドセトリスの有用性が検討されており、本年次総会では、アドセトリス臨床試験プログラムに含まれる6つの試験から得られたデータが発表され、そのうち4つはオーラルプレゼンテーションで発表されました。

 

当社Oncology Therapeutic Area UnitのExecutive Medical DirectorであるDirk Huebner, M.D.は、「現在、様々な治療ラインにおける45以上の臨床試験や、ホジキンリンパ腫の病因解明にフォーカスした研究を実施しており、本疾患の治療に広く貢献できるものと考えています。これらの2つの試験から得られた良好な長期にわたる試験結果は、病勢が進行したホジキンリンパ腫患者さんの治療を発展させるうえで大変重要なものとなります」と述べています。

 

<試験1:再発・難治性のホジキンリンパ腫患者を対象としたアドセトリスの臨床第2相試験における、長期的な寛解を示す5年生存率データ(抄録番号:#2736126日(日)米国時間)>

 

カリフォルニア州ドゥアーテ シティオブホープ・ナショナルメディカルセンターのRobert Chen, M.D. は、自家造血幹細胞移植後の、多種類の前治療歴がある再発・難治性のホジキンリンパ腫患者を対象としてブレンツキシマブ ベドチンの安全性および有効性を検討した臨床第2相試験の5年間のフォローアップデータをポスター発表しました。本試験では102名の患者が登録され、ブレンツキシマブ ベドチンを3週間に1回、30分かけて1.8mg/kgを静脈注射し、最大16サイクル投与されました。主要評価項目は、Revised Response Criteria for Malignant Lymphoma(Cheson 2007)に従って独立中央判定委員会において評価された客観的奏効率(ORR)です。主な副次評価項目には、完全寛解(CR)率、反応期間、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性および忍容性が含まれています。生存率ならびに病状は、2年間は3ヶ月毎、その後は5年経過まで半年毎に評価されました。試験プロトコールの変更により、フォローアップ期間の定期的なCTスキャンは不要とされ、病状は試験担当医師により評価されました。変更の際、18名が病状の進行について評価中で、それらの患者は中央値で30ヶ月以上の長期にわたりフォローアップされていました。

ブレンツキシマブ ベドチンの投与期間は、中央値で9サイクル(範囲:1-16サイクル)でした。主要評価項目において、72%の客観的奏効(ORR)率、33%の完全寛解(CR)率を達成しました。治療に起因するもののうち高い頻度で認められた有害事象は、末梢感覚神経障害、悪心、倦怠感、好中球減少、下痢でした。発現率5%以上であったグレード3以上の主な有害事象は好中球減少、末梢感覚神経障害、血小板減少、貧血でした。

102名の登録患者のうち15名はフォローアップに期間に入り、試験終了時に寛解の状況でした。15名のうち、6名が地固め療法として同種幹細胞移植を受け、9名はブレンツキシマブ ベドチンによる治療が完了した後、さらなる治療は受けていませんでした。

 

<試験2:自家造血幹細胞移植後の再発リスクの高いホジキンリンパ腫患者を対象としたAETHERA試験における有効性と安全性最新データ(抄録番号:#3172126日(日)米国時間)>

 

また、ユタ州ソルトレークシティ ユタ大学ハンツマンがん研究所のJohn Sweetenham, M.D.により、臨床第3相試験「AETHERA試験」の有効性・安全性に関する最新データがポスター発表されました。AETHERA試験は、自家造血幹細胞移植後の再発リスクの高いホジキンリンパ腫患者を対象に、ブレンツキシマブ ベドチン単独投与による地固め療法についてPFSの延長効果を検討した試験です。主要評価項目であるPFSに加えて、副次評価項目では、OS、安全性および忍容性が評価されています。本試験の対象患者は、難治性のホジキンリンパ腫で、フロントラインの化学療法を受けた後1年以内に再発、(さらに/あるいは)自家造血幹細胞移植の前にリンパ節以外に再発病変が認められる患者です。これらは移植後の予後不良に関連する因子と考えられています。患者は、3週間に1回、最大約1年間、ブレンツキシマブ ベドチンもしくはプラセボの投与を受けました。この臨床試験は、米国、欧州、ロシアを含む78カ所に及ぶ多国間で実施されました。

再発リスクの高いホジキンリンパ腫患者合計329名が登録され、ブレンツキシマブ ベドチン投与群には165名、プラセボ投与群には164名が割り付けられ、両投与群とも中央値で15サイクルの治療を受けました。

2014年のASHで、AETHERA試験において、アドセトリス投与群はプラセボ投与群と比較し有意にPFSを延長させ、主要評価項目を達成したことを公表しました(アドセトリス投与群のPFS中央値は43ヶ月、プラセボ投与群のPFS中央値は24ヶ月、ハザード比=0.57; p =0.001)。最終の患者登録後約3年時点において、アドセトリスによる地固め療法を受けた患者は、PFSの改善が見られました。3年後の時点におけるPFSは、プラセボ投与群の43%(95%信頼区間:36-51)に対し、ブレンツキシマブ ベドチン投与群では61%(95%信頼区間:53-68)でした。

3年間で、多くの患者において治験に関連して認められた末梢神経障害が改善され、いずれの投与群においても二次性悪性腫瘍は見られませんでした。

  • アドセトリス投与患者のうち、末梢神経障害を発現した患者112名において、99名(88%)の患者で解析時に神経症状の何らかの改善(23%)もしくは寛解(65%)が見られました
  • 二次性悪性腫瘍の発症は両群で同等でした(アドセトリス投与群4名、プラセボ群2名)
  • 有害事象により服薬を中止した例は、アドセトリス投与群で54名(33%)であり、主なものは末梢感覚神経障害(14%)や末梢運動神経障害(7%)でした。アドセトリス投与群において有害事象により服薬を中止した患者では、中央値で9.5サイクル(範囲:1-15サイクル)の治療を受けていました。これらの患者で、2年間の無増悪生存期間を示した割合は69%(95%信頼区間:54-79)であり、16サイクルの治療を完了した患者では82%(95%信頼区間:71-89)でした

24ヶ月の評価期間の後、アドセトリス投与群で6名のPFSイベント(2名は病勢進行、4名は死亡)が見られ、プラセボ投与群では3名(2名は病勢進行、1名は死亡)でした。独立中央判定委員会によるPFSのハザード比は、0.57(95%信頼区間:0.41-0.82)でした。

以上