多発性硬化症治療剤「コパキソン®皮下注20mgシリンジ」の日本における発売について
多発性硬化症治療剤「コパキソン®皮下注20mgシリンジ」の日本における発売について
当社は、本日、多発性硬化症治療剤「コパキソン®皮下注20mgシリンジ」(一般名:グラチラマー酢酸塩、以下「コパキソン」)を日本で発売しましたのでお知らせします。
本剤は、Teva Pharmaceutical Industries Ltd.(本社:イスラエル ペタハ・ティクバ、以下「Teva社」)が開発した多発性硬化症の再発を予防する1日1回の皮下投与注射剤で、2009年3月に厚生労働省より希少疾病用医薬品に指定され、2010年5月には厚生労働省から「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬」として、開発要請を受けました。その後、2013年3月、当社は本剤の日本における製品化に関するライセンス契約をTeva社と締結し、契約に基づき、当社が2015年9月28日に製造販売承認を取得し、本日、薬価収載されました。
多発性硬化症は、中枢神経系の炎症性脱髄性障害を主徴とする自己免疫疾患であり、脳および脊髄の脱髄斑を特徴とします。一般的な症状として、視覚および眼球運動異常、感覚異常、筋力低下、痙縮、排尿不全、認知機能障害などがみられます。本疾患は、発病初期から慢性進行性の経過をたどる一次進行型、再発・寛解を繰り返す再発寛解型、再発・寛解を経て進行型に転ずる二次進行型があり、8割以上の患者さんが再発寛解型に分類されます。本疾患の日本における罹患者数は約18,000人であり、さらに増加傾向にあります。
当社の取締役 ジャパンファーマビジネスユニット プレジデントの岩﨑真人は、「コパキソンは、世界50ヵ国以上で承認されており、多発性硬化症領域で最も繁用されている薬剤のひとつで、本剤を待ち望まれていた日本の患者さんにとって新たな治療選択肢となるものと期待しています。今後も、患者さんや医療関係者の皆さんにアンメッド・メディカルニーズの高い疾患に対する治療薬をお届けすることに努めてまいります」と述べています。
以上
<コパキソンの概要>
製品名 |
コパキソン®皮下注20mgシリンジ |
一般名 |
グラチラマー酢酸塩 |
効能・効果 |
多発性硬化症の再発予防 |
用法・用量 |
通常、成人にはグラチラマー酢酸塩として20mgを1日1回皮下に投与する。 |
薬価 |
5,617円 |
<グラチラマー酢酸塩について>
Teva 社が開発した多発性硬化症の再発を予防する1日1回の皮下投与注射剤で、日本では、テバファーマスーティカル株式会社(Teva社の100%子会社、本社:東京都港区)が開発を進めてきました。本剤は、免疫を調整することで中枢神経における炎症を抑制し、多発性硬化症の再発を予防します。本剤の海外での適応症は再発型の多発性硬化症です。海外における最も頻度の高い副作用は、注射部位反応(紅斑、疼痛、腫瘤、瘙痒感および浮腫)です。現在、本剤は、米国・ロシア・カナダ・メキシコ・オーストラリア・イスラエル・欧州諸国など50ヵ国以上で承認されています。