第57回米国血液学会年次総会における新規経口プロテアソーム阻害薬イキサゾミブの再発・難治性の多発性骨髄腫を対象とした臨床第3相試験データの発表について
第57回米国血液学会年次総会における新規経口プロテアソーム阻害薬イキサゾミブの再発・難治性の多発性骨髄腫を対象とした臨床第3相試験データの発表について
- 悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス®」(ブレンツキシマブ ベドチン)の再発・難治性のホジキンリンパ腫を対象とした5年生存率など当社のその他の主要な血液がんポートフォリオの重要データも発表予定
当社は、2015年12月5日から8日まで、米国フロリダ州オーランドで開催される第57回米国血液学会(ASH:American Society of Hematology)年次総会において、新規経口プロテアソーム阻害薬イキサゾミブ(一般名、開発コード:MLN9708)の臨床第3相試験であるTOURMALINE-MM1のデータを発表しますのでお知らせします。当社の血液がん領域のポートフォリオの幅広さと奥深さを示す合計19の当社関連プレゼンテーションの抄録が受理されており、本学会での発表を予定しています。
当社のOncology Therapeutic Area UnitのVice PresidentであるDixie-Lee Esseltineは、「当社は、今年のASHでの発表を心待ちにしています。本学会では、イキサゾミブのデータと再発・難治性のホジキンリンパ腫を対象としたアドセトリスの5年生存率データを発表します。ベルケイドや当社のパイプラインデータの発表に加え、イキサゾミブとアドセトリスの良好な試験結果により、当社の長年にわたる血液がんに対する取り組みが実を結ぶものと考えています」と述べています。
TOURMALINE-MM1試験の治験責任医師であるフランス ナント大学のPhilippe Moreau医師は、「本試験データは、初めて発表される週1回経口投与のプロテアソーム阻害薬イキサゾミブの臨床第3相試験データであり、本薬が承認されれば、再発・難治性の多発性骨髄腫において、プロテアソーム阻害薬を含む3剤併用レジメン(本薬+レナリドミド+デキサメタゾン)での治療が初めて可能となります。プロテアソーム阻害薬をさらに有用な治療薬にするためにTakeda Oncologyと連携し、多発性骨髄腫患者さんのアンメットニーズを満たす新たな治療選択肢をお届けすることに引き続き取り組んでまいります」と述べています。
イキサゾミブは、後期の臨床開発が行われている最初の経口プロテアソーム阻害薬です。TOURMALINE-MM1試験は、再発・難治性の成人の多発性骨髄腫患者さんを対象に、週1回経口のイキサゾミブ投与群(本薬+レナリドミド+デキサメタゾン)とプラセボ群(プラセボ+レナリドミド+デキサメタゾン)とを比較した、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照の国際共同臨床第3相試験です。
イキサゾミブは、重要で継続的なアンメットニーズを満たす新たな多発性骨髄腫治療薬として評価され、米国食品医薬品局(FDA)により優先審査に、欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品評価委員会(CHMP)により迅速審査に指定されています。イキサゾミブの再発・難治性の多発性骨髄腫を対象とした販売許可申請は、TOURMALINE-MM1試験データに基づき行われました。
本学会における当社関連の主な演題は以下の通りです。
イキサゾミブ:
- 経口プロテアソーム阻害薬イキサゾミブをレナリドミドおよびデキサメタゾンと併用した際の、再発・難治性の多発性骨髄腫患者の無増悪生存期間の有意な延長:臨床第3相試験TOURMALINE-MM1試験(NCT01564537)
- 発表者:フランス ナント大学 Philippe Moreau
- 抄録番号727、口演、2015年12月7日(月)14:45、Orange County Convention Center, Tangerine 2 (WF2)
- 新たに多発性骨髄腫と診断された移植非適応患者を対象とした、全て経口薬での併用療法(プロテアソーム阻害薬イキサゾミブ+シクロフォスファミド+低用量デキサメタゾン)のランダム化臨床第2相試験(NCT02046070)
- 発表者:ギリシャ アテネ大学医学部 Meletios A. Dimopoulos
- 抄録番号26、口演、2015年12月5日(土)7:45、Orange County Convention Center, Tangerine (WF2)
アドセトリス(ブレンツキシマブベドチン):
- 再発・難治性のホジキンリンパ腫を対象としたブレンツキシマブ ベドチンの臨床第2相試験における持続的効果を示す5年生存率データ
- 発表者:カリフォルニア州ドゥアーテ シティオブホープ・ナショナルメディカルセンター Robert Chen
- 抄録番号2736、ポスター演題、2015年12月6日(日)18:00、Orange County Convention Center, Hall A, Level 2
- 自家造血幹細胞移植後の再発リスクの高いホジキンリンパ腫患者におけるブレンツキシマブ ベドチン地固め療法についてのAETHERA試験の有効性・安全性に関する最新データ
- 発表者:ユタ州ソルトレークシティ ユタ大学ハンツマンがん研究所 John Sweetenham
- 抄録番号3172、ポスター演題、2015年12月6日(日)18:00、Orange County Convention Center, Hall A, Level 2
ベルケイド(ボルテゾミブ):
- 未治療のNon-GCBサブタイプのびまん性大細胞型B細胞リンパ腫を対象としたR-CHOP療法におけるボルテゾミブ併用の有無に関する非盲検ランダム化臨床第2相試験:Pyramid試験結果から (NCT00931918)
- 発表者:ニューヨーク プレスビティリアン病院 John P. Leonard
- 抄録番号811、口演、2015年12月7日(月)16:30、Orange County Convention Center, Tangerine 3 (WF3-4)
Alisertib
- 再発・難治性の末梢T細胞リンパ腫患者を対象とした最初の多施設ランダム化臨床第3相試験:Alisertib(MLN8237)と医師が選択した治療法との比較 (Lumiere試験; NCT01482962)
- 発表者:コロンビア大学メディカルセンター・リンパ性悪性疾患センター、ニューヨーク州ニューヨーク ニューヨークプレスビティリアン病院 Owen O’Connor
- 抄録番号341、口演、2015年12月6日17:30、Orange County Convention Center, Hall E2
<イキサゾミブについて>
イキサゾミブは、多発性骨髄腫、全身性ALアミロイドーシスなどの悪性腫瘍に対する新規経口プロテアソーム阻害薬です。本薬は、米国および欧州で2011年に多発性骨髄腫について、2012年にALアミロイドーシスについてオーファン指定を受けるとともに、2014年に再発・難治性のALアミロイドーシスについて米国食品医薬品局(FDA)よりBreakthrough Therapyの指定を受けました。また、本薬は臨床第3相試験を開始した最初の経口プロテアソーム阻害薬です。
当社は、イキサゾミブの臨床開発プログラムにより、世界中の多発性骨髄腫患者さんや医療関係者の方々に革新的な新薬を開発し、お届けするという取り組みをさらに強化しています。本薬については、以下の国際共同臨床第3相試験を実施しています。
- TOURMALINE-MM1:再発・難治性の多発性骨髄腫を対象に本薬・レナリドミド・デキサメタゾン併用群とプラセボ・レナリドミド・デキサメタゾン併用群を比較
- TOURMALINE-MM2:初発の多発性骨髄腫を対象に本薬・レナリドミド・デキサメタゾン併用群とプラセボ・レナリドミド・デキサメタゾン併用群を比較
- TOURMALINE-MM3:初発の多発性骨髄腫を対象に導入療法および自家造血幹細胞移植後の維持療法として本薬とプラセボを比較
- TOURMALINE-MM4:自家造血幹細胞移植歴のない初発の多発性骨髄腫を対象に維持療法として本薬とプラセボを比較
- TOURMALINE-AL1: 再発・難治性のALアミロイドーシスを対象に本薬およびデキサメタゾンの併用と医師が選択したレジメンでの治療を比較
現在実施中の臨床第3相試験の詳細については、www.clinicaltrials.govをご覧ください。
以上