欧州におけるピオグリタゾンに関する市販後観察研究の完了と欧州・米国・日本の規制当局への データ提出について

2015年7月31日

- 今回の研究でもピオグリタゾン投与患者における膀胱がん発生のリスク上昇は認められず、本剤の良好なベネフィット/リスクプロファイルを再確認

当社は、このたび、アクトス®錠(一般名:ピオグリタゾン塩酸塩)をはじめとしたピオグリタゾン含有製剤について、112,674名を対象に欧州4ヶ国で実施された市販後の観察研究である「Pan European Multi-Database Bladder Cancer Risk Characterization Study」(以下、「本観察研究」)の完了に伴い、そのデータを各国規制当局に提出しましたのでお知らせします。本観察研究は、複数のデータベースに基づく、背景をそろえた集団での後ろ向き研究であり、最長10年間フォローアップされています。

 

本観察研究では、ピオグリタゾン投与と膀胱がん発生リスクの間に関連性は示されませんでした(ハザード比:0.99 [95%信頼区間: 0.75-1.30])。ペンシルベニア大学とKaiser Permanente 医療保険グループ(KPNC)の研究部門により実施された10年間の前向きの疫学研究においても、ピオグリタゾンの投与を受けたことがある患者さんの膀胱がん発生リスクの上昇は示されておらず(ハザード比:1.06 [95%信頼区間:0.89-1.26])、本観察研究も同様の結果でした。さらに、これら2つの研究において、膀胱がん発生リスクとピオグリタゾンの累積投与量あるいは投与期間の間にも関連性は認められませんでした。

 

また、本観察研究では、ピオグリタゾンの投与を受けたことがある患者さんの死亡率の低下が示されました(調整後のハザード比:0.67 [95%信頼区間: 0.64-0.70])。本観察研究は、欧州医薬品評価委員会(CHMP)および欧州医薬品庁(EMA)の市販後の要請により実施されたものであり、当社は、EMAの他、米国食品医薬品局(FDA)、日本の厚生労働省/独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に本データを提出しました。今後、当社は、各国の要請に従い本データを日米欧以外の規制当局にも提出する予定です。

 

当社Clinical Research部門のVice PresidentであるAlfonso Perezは、「アクトスは2型糖尿病の患者さんにとって重要な治療オプションです。本データにより、アクトスの良好なベネフィット/リスクプロファイルが確固たるものになるとともに、長期にわたる本データにより、治療法を決定する際のさらなる有用な情報を先生方に提供できるものと確信しています。また、当社にとって患者さんの安全は最優先事項です。製品のライフサイクル全体を通じ、当社は製品の知見を深めるべく一層の情報収集や調査を実施してまいります。本データの提出は、さらなる調査を実施して規制当局や医師などの皆さまにその結果をお伝えする当社の重要な取り組みの一例です」と述べています。

 

<本観察研究について>

EUの医療記録データベースに基づく後ろ向きの本観察研究は、フィンランド、オランダ、スウェーデン、英国の4ヶ国にまたがる6つの医療記録データベースを用いて実施されました。本観察研究では、ピオグリタゾンの投与を受けた患者さんと受けなかった患者さんの糖尿病の罹病期間、糖尿病関連合併症、心血管合併症、糖尿病治療薬の服薬歴などの背景に差はありませんでした。本観察研究は、ピオグリタゾンのこれまでのいくつかの疫学調査で見られた課題である患者割付けのバイアスを最小化するようデザインされました。

以上