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新規経口プロテアソーム阻害薬イキサゾミブの再発・難治性の多発性骨髄腫を対象とした米国における販売許可申請について

新規経口プロテアソーム阻害薬イキサゾミブの再発・難治性の多発性骨髄腫を対象とした米国における販売許可申請について


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July 15, 2015

当社は、このたび、新規経口プロテアソーム阻害薬イキサゾミブ(一般名、開発コード:MLN9708)について、再発・難治性の多発性骨髄腫を対象とした販売許可申請を米国食品医薬品局(FDA)に提出しましたのでお知らせします。

 

今回の申請は、722名の再発・難治性の多発性骨髄腫の患者さんを対象にイキサゾミブ群(本薬+レナリドミド+デキサメタゾン)とプラセボ群(プラセボ+レナリドミド+デキサメタゾン)とを比較した、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照の国際共同臨床第3相試験であるTOURMALINE-MM1のデータに基づいています。本試験において、患者さんは引き続き治療を受け、長期的な転帰についての評価が行われています。

 

当社 Chief Medical and Scientific OfficerのAndrew Plumpは、「イキサゾミブの5本の臨床第3相試験は、多発性骨髄腫あるいは全身性ALアミロイドーシスの患者さんにおける経口プロテアソーム阻害薬による長期療法が、患者さんの転帰を改善するかどうかを検討するものであり、TOURMALINE-MM1は、その中の最初の試験です。今回の申請は、多発性骨髄腫の患者さんに革新的な治療薬をお届けするための当社の取り組みにおいて重要なステップとなります。当社およびイキサゾミブに信頼をおいていただき、TOURMALINE試験に継続してご参加くださっている患者さんやそのご家族の方々に感謝申しあげます」と述べています。

 

Dana-Farber Cancer Institute, Jerome Lipper Multiple Myeloma Center Institute Physician, Clinical Research のClinical Program Leader 兼Director であるPaul Richardson医学博士は、「多発性骨髄腫において、継続治療は、患者さんの長期的な転帰の改善を示す標準治療となりつつあります。プロテアソーム阻害は本疾患の治療において不可欠な要素となってきていますが、特に有効な経口治療薬がない場合、静注および皮下注で治療を受けている患者さんにとって治療は困難になるかもしれません。週1回経口投与という利便性を有し優れた有効性を示す本薬が承認されれば、患者さんの治療に大きな進歩がもたらされるものと期待しています」と述べています。

 

今回の米国における申請が、初めてのイキサゾミブの申請となります。欧州等における本薬の申請は、本年以降、順次実施していく予定です。

 

<多発性骨髄腫について>

多発性骨髄腫は形質細胞腫瘍であり、骨髄に見つかります。本疾患では、形質細胞、すなわち骨髄腫細胞の一群ががん化して増殖し、通常よりも形質細胞の数が増加します。形質細胞は体内を広く循環するため、多くの骨に影響を与え、結果として圧迫骨折、溶解性骨病変や関連疼痛に繋がることがあります。また、骨、免疫系、腎、赤血球数に影響を与え、骨疼痛、倦怠感、貧血の兆候などを伴うことが多く、数多くの重大な健康障害を引き起こす可能性があります。本疾患は、がんの中でも稀であり、米国では年間約2万人、全世界では11万4千人が新規に本疾患を発症しています。

 

<イキサゾミブについて>

イキサゾミブ(開発コード:MLN9708)は、多発性骨髄腫、ALアミロイドーシスなどの悪性腫瘍に対する新規経口プロテアソーム阻害薬です。本薬は、米国および欧州で2011年に多発性骨髄腫について、2012年にALアミロイドーシスについてオーファン指定を受けるとともに、2014年に再発・難治性のALアミロイドーシスについて米国食品医薬品局(FDA)よりBreakthrough Therapyの指定を受けました。また、本薬は臨床第3相試験を開始した最初の経口プロテアソーム阻害薬です。

 

当社は、イキサゾミブの臨床開発プログラムにより、世界中の多発性骨髄腫患者さんや医療関係者の方々に革新的な新薬を開発し、お届けするという取り組みをさらに強化しています。本薬については、以下の国際共同臨床第3相試験を実施しています。ž

  • TOURMALINE-MM1:再発・難治性の多発性骨髄腫を対象に本薬・レナリドミド・デキサメタゾン併用群とプラセボ・レナリドミド・デキサメタゾン併用群を比較
  • TOURMALINE-MM2:初発の多発性骨髄腫を対象に本薬・レナリドミド・デキサメタゾン併用群とプラセボ・レナリドミド・デキサメタゾン併用群を比較
  • TOURMALINE-MM3:初発の多発性骨髄腫を対象に導入療法および自家造血幹細胞移植後の維持療法として本薬とプラセボを比較
  • TOURMALINE-MM4:自家造血幹細胞移植歴のない初発の多発性骨髄腫を対象に維持療法として本薬とプラセボを比較
  • žTOURMALINE-AL1: 再発・難治性のALアミロイドーシスを対象に本薬およびデキサメタゾンの併用と医師が選択したレジメンでの治療を比較

 

現在実施中の臨床第3相試験の詳細については、www.clinicaltrials.govをご覧ください。

以上