Takeda logo

2014年度の連結業績および2015年度の連結業績予想について

2014年度の連結業績および2015年度の連結業績予想について


Calendar
May 15, 2015

- 2014年度、実質的な (underlying) 売上成長はガイダンスどおりの +2.8%
- EPSは一時要因の影響を受けたが、2015年度以降は利益率の高い成長軌道へ回帰

実質的な業績結果は連結業績予想の範囲内

  • 実質的な売上は対前年度2.8%の増収であり、業績予想(2~4%)の範囲内

(財務ベースでは対前年度5.1%増収の17,778億円)

  • 実質的なコア・アーニングスは対前年度2.1%の減益であり、業績予想(横ばい~微減)の範囲内

成長を支える革新的な新製品

  • 潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤 「エンティビオ」 は、ピーク時売上2,000億円につながる米国および欧州での立ち上がり
  • 大うつ病治療剤 「ブリンテリックス」 の米国売上は、発売後1年で他の2つの抗うつ剤新薬を上回る
  • 肥満症治療剤 「コントレイブ」 の米国での立ち上がりは順調
  • 高血圧症治療剤 「アジルバ」 は日本で力強い成長(対前年度80%の増収)
  • 酸関連疾患治療剤 「タケキャブ」 を2015年2月に日本で上市

順調な地域別売上

  • 日本における新製品上市の成功が、薬価低減およびジェネリックの浸透による影響を緩和
  • 新製品により米国および欧州・カナダでは力強い成長
  • 新興国の売上は、在庫調整の影響を除くと対前年度10%の増収であり、中国とロシアでは2桁台の成長

目標を上回る効率性

  • プロジェクトサミットは、2年間で5ヵ年計画の半分以上を達成

利益に影響を与える特殊要因

  • アクトス訴訟の和解合意および関連費用に関する引当計上が3,241億円
  • その他の一時要因として、製品/パイプラインの減損および日本における税制改正

2015年度のガイダンス:利益率の高い成長軌道への回帰

  • 2015年度の実質的な売上成長は1桁台前半であり、実質的なコア・アーニングスの成長は実質的な売上成長を上回り、実質的なコアEPSの成長は実質的なコア・アーニングスの成長を上回る見込み
  • アクトス訴訟の和解に関する影響を除いた2014年度の純利益に比し、2015年度の財務ベースの純利益は倍増以上となる見込み
  • 2015年度の1株当たりの配当は180円であり、2015年度以降も180円を最低でも維持できるよう努める

当社 代表取締役社長CEO クリストフ・ウェバーは、「2014年度は当社にとって変革の年であり、多くの目標を達成した年でした。エンティビオ、コントレイブ、タケキャブ、2型糖尿病治療剤 「ザファテック」 という4つの重要な新製品の承認を取得するとともに、多発性骨髄腫治療薬ixazomibの臨床第3相試験の中間解析結果が出るなど、多くのパイプラインに重要な進捗がありました。一方、EPSについては、米国で提起されたアクトス訴訟に関し、大多数を解決する和解に向けた合意の影響を主に受けました。本和解により、当社の財務上の不確実性が低減されるとともに世界中の患者さんのために革新的な治療薬の開発に一層注力することが可能となります。また、昨年度、新組織体制を公表し、集中した世界的レベルのイノベーションを生み出す研究開発力を有し、患者さん・医療関係者を第一に考える組織の構築に向け、あらゆる面で戦略的なロードマップにそった行動をとってまいりました。当社の成長ドライバーは、消化器疾患領域、新興国でのバリューブランド、そしてixazomibの上市をはじめとしたオンコロジー領域です。当社の財務規律は事業のモメンタムを維持し、長期的な売上および利益の成長が可能となるポジションに立つことで、2015年度は当社にとって転換の年になるものと期待しています」 と述べています。

2014年度の主な連結業

  (億円) 

2013年度 

2014年度

成 長

 

実質的な成長2

売上収益

16,917

17,778

5.1%

2.8

営業利益

1,393

△1,293

-

-

コア・アーニングス1

3,142

2,883

△8.2%

2.1

当期利益3

1,067

△1,458

-

-

EPS

135円

△185円

-

-

コアEPS

266円

225円

△15.6%

3.7

1株当たり配当

180円

180円

-

-

1 コア・アーニングスは、営業利益から、企業買収に係る会計処理、無形資産の償却費・減損損失、事業構造再編費用、訴訟費用等の特殊要因を除いて算定しています。

2 当社では、実際の事業活動のパフォーマンスを把握することを目的として、実質的な成長性を測る指標を採用しています。実質的な売上収益および実質的なコア・アーニングスは、上記1に加えて、為替影響と、製品売却や取得を除いて算定しています。

3 親会社の所有者帰属分

実質的な売上は対前年度2.8%の増収、実質的なコア・アーニングスは対前年度2.1%の減収であり、当社の2014年度連結業績予想の範囲内でした。財務ベースの売上は対前年度5.1%増収の17,778億円でした。アクトス訴訟に関する和解金、和解に参加しない訴訟の費用、他の関連訴訟の費用の引当計上は合計で3,241億円であり、他の一時的な要因も含め、1,293億円の営業損失、1,458億円の当期損失、185円のEPSの当期損失でした。

主に米国におけるエンティビオおよびブリンテリックス、欧州におけるエンティビオおよびアドセトリス、日本におけるアジルバなど新製品の売上972億円が加わったことにより、当社は売上成長を実現しました。米国 (実質的な売上成長は対前年度14.5%の増収) および欧州・カナダ (同5.4%の増収) では力強い成長を遂げました。新興国市場では8.1%の増収であり、主要国である中国、ロシアでは2桁台の成長を達成しましたが、その他のいくつかの国・地域では一時的な経済環境の影響を受けました。在庫調整の影響除きでは対前年度10%の増収であり、当社の中期的な予想に沿った業績です。日本では新製品が356億円、6.2%の成長に貢献したものの、ジェネリックや薬価改定による影響をカバーできず、結果として4.1%の減収となりました。

プロジェクトサミットは、全社的に効率性を高める戦略的な取り組みであり、2014年度に280億円のコスト削減を達成し、最初の2年間で累計620億円を達成したことにより、5ヵ年計画である1,200億円の半分以上をわずか2年で達成しました。

米国における新製品および新興国市場におけるバリューブランドは、当社の成長ドライバーであり、当社は今後、自前で成長してまいります。当社は、エンティビオがグローバルで今後数年間の成長を牽引するものと期待しており、また、日本ではアジルバ、タケキャブなどの新製品により、拡大するジェネリックの市場浸透や薬価改定の影響をカバーし、No.1のポジションを堅持してまいります。さらに当社は、現在臨床第3相試験を実施中であり2016年度の承認取得を見込んでいるixazomibなど有望なパイプラインを有していることから、現在行っている研究開発における取り組みが中長期的な成長に貢献するものと期待しています。2018年度以降、当社は全ての重点領域およびワクチンにおいて、多くの新製品をグローバルで上市してまいります。

本年4月1日からスタートした新組織体制により、当社は、患者さんのニーズを第一に考え、各組織の責任をさらに明確にするとともに、より一層効率性を追求してまいります。当社は今後も研究開発型の製薬企業として、4つの疾患領域およびワクチンに注力してまいります。

当社は、2014年度に実現した変革により、中長期的な売上および利益成長が可能となりました。2015年度の連結業績予想は以下の通りです。

2015年度の連結業績予

(億円)

2015年度1

実質的な成長

売上収益

18,200

1桁台前半

営業利益

1,050

-

コア・アーニングス

-

売上収益より高い成長率

当期利益2

680

-

EPS

87円

-

コアEPS

-

コア・アーニングスより高い成長率

1株当たり配当

180円

-

1 2015年度の為替レートの想定は、1米ドル=120円、1ユーロ=130円としています。

2 親会社の所有者帰属分

2014年度の業績の詳細およびその他の決算関連情報については、当社ホームページをご覧ください。

https://www.takeda.com/jp/investors/

以上