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ImmunoGen社との新規ADC技術の活用に関する提携について

ImmunoGen社との新規ADC技術の活用に関する提携について


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March 24, 2015

ImmunoGen Inc.(本社:米国マサチューセッツ州ウォルサム、以下「ImmunoGen社」)と武田薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、以下「武田薬品」)は、このたび、武田薬品がImmunoGen社が有する最先端の抗体-薬物複合体(ADC:antibody-drug conjugate)技術の独占的使用権を保有する契約を締結しましたのでお知らせします。ADC技術は、バイオテクノロジー企業であるImmunoGen社が抗がん剤の開発において活用している技術であり、本契約には同社の新規DNA作用型IGNペイロードも含まれ、最大で2つの未公開の抗体のターゲットについて、これを標的とする抗がん剤の開発に活用されます。また、本契約により、武田薬品は追加の一時金を支払うことで3つ目のターゲットに関する権利を獲得できるオプション権を有することになります。

 

ImmunoGen社は契約一時金として武田薬品より20百万米ドルを受け取り、各抗体のターゲットに対し合計で最大210百万米ドルのマイルストンに加え、ADC製品として販売された後は販売額に応じたロイヤルティを受け取る権利を有します。武田薬品は、本契約に基づき、各ADC化合物について、開発、製造、販売を担当します。

 

ImmunoGen社の社長兼CEOであるDaniel Juniusは、「武田薬品は、患者さんにより良い人生を歩んでいただけるような革新的な抗がん剤を開発するというImmunoGen社の考えに共感頂いており、我々は武田薬品と協力し、新規ADC製品の創製に取り組めることを楽しみにしています」と述べています。

 

武田薬品オンコロジーDDU HeadであるChristopher Claiborne, PhD.は、「ADC技術はがん領域のアンメット・ニーズに応える上で極めて重要な技術です。ImmunoGen社との提携により、我々はこの有力な技術を武田薬品の研究開発プログラムで活用し、新たな治療薬としてお届けできるようになります」と述べています。

 

武田薬品は、同社の100%子会社であるMillennium Pharmaceuticals, Incを通じて本契約を結んでいます。

 

本件による武田薬品の2014年度の業績見込およびImmunoGen社の2015年度の業績見込に変更はありません。

 

 

 ImmunoGen社のADC技術ポートフォリオについて>

ImmunoGen社は、がん患者さんにより良い新規治療薬を提供するため、独占的使用権のあるADC技術のポートフォリオを開発し、拡充しています。

ADCは、がん細胞に発現したターゲットに結合するモノクローナル抗体と、がん細胞を攻撃する化合物(ペイロード)で構成されます。抗体はペイロードを特定のがん細胞に運び、ペイロードはがん細胞を死滅させます。抗体自体が抗がん作用を有する場合もあります。

ImmunoGen社はADC技術に関する豊富なポートフォリオを確立しており、それぞれのがん種に対し、活性の高いペイロードや合成されたリンカーの選定を含め、最適なADCのデザインと開発が可能です。

ImmunoGen社の細胞死滅性ペイロードは、標的指向性抗体を用いてがん細胞に到達するように開発されています。既存の化学療法よりも強力であり、ImmunoGen社が合成したリンカーによって、標的指向性抗体に結合しています。ImmunoGen社が有するペイロードには、チューブリンに作用するメイタンシノイドがあり、すでに販売されている製品であるKadcyla®を含む10以上の臨床段階にあるADCに用いられています。ImmunoGen社はIGNファミリーと名付けられたDNA作用型ペイロードを創製し、チューブリンに作用する薬剤に反応しないがんや、ターゲットの発現が極端に少ないがんなど、ADCが効果を示すがん種をさらに拡大することに取り組んでいます。

ImmunoGen社の合成したリンカーは、ADCががん細胞に到達するまでの血液中では安定であり、がん細胞に到達後にペイロードを放出することで抗がん作用を発揮します。ImmunoGen社は、血中では安定で細胞内でのみ切り離される、あるいは切り離されないリンカーなど豊富なポートフォリオを有しており、最適なADCをデザインするためにリンカーとペイロードの様々な組み合わせを検討し、メイタンシノイドやIGNプラットフォームとの相性が良好なリンカーを選定しています。

 

<武田薬品について>

武田薬品は、研究開発型の世界的製薬企業を目指して、自社研究開発を強化するとともに、ライフサイクルマネジメントの推進、導入・アライアンスの積極展開を通じて研究開発パイプラインの充実を図り、ミッションである『優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献する』の実現に努めています。詳細についてはhttp://www.takeda.co.jp/をご覧ください。

 

ImmunoGen社について>

ImmunoGen社はがんに対する標的治療剤の開発を行っています。ImmunoGen社のADC技術は、同社の細胞死滅性化合物を特異的にがん細胞に到達させるため、がん細胞を標的とする抗体を用いており、また、それ自体抗がん活性を有する抗体も自社で開発しています。ImmunoGen社のADC技術を用いた最初の製品は、ロシュのKadcyla®です。ImmunoGen社は自社開発品を3つ有しており、アムジェン、バイエルヘルスケア、Biotest、ノバルティス、サノフィとの提携を通じ、追加の化合物とともに臨床試験中ですImmunoGen社に関するさらなる詳細情報はwww.immunogen.comをご覧ください。

Kadcyla®はロシュグループの一員であるGenentech社の登録商標です。

 

以上