第56回米国血液学会年次総会における新規経口プロテアソーム阻害薬ixazomibの多発性骨髄腫患者を対象とした単独投与による維持療法成績の発表について

2014年12月8日

-オーラルプレゼンテーションとして発表-

当社は、米国カリフォルニア州サンフランシスコで開催されている第56回米国血液学会年次総会(ASH)において、導入療法としてixazomib(一般名、開発コードMLN9708)、レナリドミド、デキサメタゾンを投与された多発性骨髄腫患者を対象として、ixazomib経口単独投与による維持療法の安全性および有効性を検証する臨床第2相試験の結果を発表しましたのでお知らせします。本試験では、12サイクルのixazomib-レナリドミド-デキサメタゾン投与後のixazomib単独投与による維持療法は、忍容可能かつさらなる治療効果向上につながることを示唆する成績が得られました。

米国ニューヨーク ロチェスター Mayo ClinicのShaji K. Kumar, M.D.は、「今回の成績により、新規経口プロテアソーム阻害薬ixazomibを単独で維持療法に用いることで、導入療法後の多発性骨髄腫患者さんの治療効果を向上させる可能性があることが示されました。将来、このような治療薬が維持療法として使用可能となることは、多発性骨髄腫患者さんの治療において重要な意味をもつものと考えます」と述べています。

当社Oncology Therapeutic Area UnitのGlobal HeadであるMichael Vasconcelles, M.D.は、「今回の成績は、経口のプロテアソーム阻害薬であるixazomibが多発性骨髄腫の維持療法における新たな治療オプションになる可能性があること示唆するものです。最近、当社は、ixazomibの自家造血幹細胞移植後の単独投与効果を検証する臨床第3相試験であるTOURMALINE-MM3試験を開始しました。当社は、この試験の患者登録やフォローアップが終了し、重要かつ新たなixazomibの維持療法データがさらに集積されることを心待ちにしています」と述べています。

 

<未治療の多発性骨髄腫患者を対象とし、ixazomib-レナリドミド-デキサメタゾンによる導入療法後にixazomibによる維持療法を行った長期投与臨床第2相試験成績(抄録番号:#82127日(日)米国太平洋時間午後12:00よりMoscone Center West Buildingにおいて、オーラルプレゼンテーション

目的

ixazomib、レナリドミド、デキサメタゾンによる導入療法を受けた多発性骨髄腫患者を対象とした、完全奏効(CR)率、最良部分奏効(VGPR)率の検証

患者登録数

50名

投与方法

  • 導入療法として、ixazomib、レナリドミド、デキサメタゾンを、28日を1サイクルとして最大12サイクル投与
  • 造血幹細胞移植が可能な患者は、6サイクルの治療を受けた後、自家造血幹細胞移植のため導入療法を中止することが可能
  • 病勢の進行または許容できない毒性が現れるまでixazomibによる維持療法を継続することが可能

主要評価項目

  • 最良部分奏効(VGPR)以上(CR+VGPR)を達成した患者の割合

試験結果

  • 導入療法(1-12サイクル)の間、29名の患者が投与を中止(自家造血幹細胞移植14例、副作用6例、脱落4例、病勢の進行2例、効果不十分1例、その他2例)
  • 21名の患者が、導入療法終了後、ixazomib単独投与による維持療法へ移行(ixazomibによる維持療法に移行した患者は全て、導入療法に反応した)
  • ixazomibによる維持療法は、中央値で19サイクル(3-23サイクル)、治療期間(中央値)は29.0ヶ月(14.3-33.3ヶ月)
  • CR以上の奏効率は52%(11/21例)、VGPR以上の奏効率は71%(15/21例)
  • 維持療法中、48%(10/21例)の患者で改善(VGPRからnear-CR:2例、VGPRからCR:5例、VGPRからsCR(厳密完全奏効):1例、CRからsCR:2例)
  • 維持療法に移行した患者の無増悪生存期間(PFS)は中央値に達せず
  • データカットオフ時に52%(11/21例)の患者がixazomibによる維持療法を継続中
  • 最初に効果(部分奏効(PR)以上)が現れるまでの期間は0.99ヶ月(0.92-5.78ヶ月)、最良効果到達までの期間は7.46ヶ月(1.02-24.74ヶ月)
  • 平均の相対用量強度は、導入療法期で95%、維持療法期で89.5%
  • ixazomibによる維持療法を受けたすべての患者は、登録時から25.1-33.9ヶ月のフォローアップ後も生存
  • ixazomib単独投与による維持療法期間中は、副作用による投与中止例なし、維持療法期間中の死亡例なし
  • 維持療法期間中、本薬に関連したグレード3の副作用(低カリウム血症、血小板減少症、白内障各1例)は14%(3/21例)、グレード4の副作用はなし
  • 維持療法期間中、重篤な副作用は19%(4/21例)で発現(グレード3の急性心筋梗塞、グレード3の肺炎、グレード3の起立性低血圧、グレード2の心室性期外収縮)したが、すべてについて治療薬との因果関係なし
  • 2例のみ、副作用(神経痛、末梢神経障害)によりixazomib投与量を減量
  • 維持療法期間中に発現した、本薬と関連するすべてのグレードの有害事象は、下痢43%(9/21例)、嘔気19%(4/21例)、四肢の痛み14%(3/21例)、貧血10%(2/21例)、皮膚および皮下組織の障害10%(2/21例)、頭痛10%(2/21例)、低カリウム血症10%(2/21例)、血小板減少症10%(2/21例)

 

Ixazomibについて>

Ixazomibは、多発性骨髄腫や全身性軽鎖(AL)アミロイドーシスなどの悪性腫瘍に対する新規経口プロテアソーム阻害薬です。本薬は米国および欧州で2011年に多発性骨髄腫について、2012年にALアミロイドーシスについてオーファン指定を受けました。本薬は臨床第3相試験を開始した最初の経口プロテアソーム阻害薬であり、現在、4つの国際共同臨床第3相試験が実施されています。再発・難治性の多発性骨髄腫を対象に本薬・レナリドミド・デキサメタゾン併用群とプラセボ・レナリドミド・デキサメタゾン併用群を比較したTOURMALINE-MM1、再発・難治性のALアミロイドーシスを対象に本薬とデキサメタゾンの併用を検討したTOURMALINE-AL1、未治療の多発性骨髄腫を対象に本薬・レナリドミド・デキサメタゾン併用群とプラセボ・レナリドミド・デキサメタゾン併用群を比較したTOURMALINE-MM2、未治療の多発性骨髄腫を対象に導入療法および自家幹細胞移植後の維持療法としての本薬とプラセボを比較したTOURMALINE-MM3を実施しています。詳細については、www.tourmalinetrials.comもしくは www.clinicaltrials.govをご覧ください。

 

以上