第56回米国血液学会年次総会におけるアドセトリス®の自家造血幹細胞移植後の再発リスクの高い ホジキンリンパ腫患者を対象とした臨床第3相試験の結果発表について

2014年12月8日

- 無作為臨床第3相試験において、アドセトリスが無増悪生存期間の統計学的に有意な改善

- ASH Press Programにおいてハイライトを発表、12月8日(月)米国太平洋時間午後4:30よりオーラルプレゼンテーションを実施

Seattle Genetics, Inc.(本社:米国ワシントン州ボセル、以下「シアトルジェネティクス社」)と武田薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、以下「武田薬品」)は、米国カリフォルニア州サンフランシスコで開催されている第56回米国血液学会年次総会(ASH)において、アドセトリス®(一般名:ブレンツキシマブ ベドチン)の臨床第3相試験「AETHERA試験」結果を発表しました。本試験において、自家造血幹細胞移植後の再発リスクの高いホジキンリンパ腫患者に対しアドセトリスを地固め療法として投与した患者では、プラセボ投与群と比較して、有意に無増悪生存期間(PFS)を改善したという結果が示されました(中央値でアドセトリス投与群43ヶ月に対し、プラセボ投与群24ヶ月、ハザード比=0.57; p-value=0.001) 。アドセトリスは、古典的ホジキンリンパ腫に発現するCD30抗原を標的とした抗体薬物複合体です。アドセトリスは、再発・難治性のホジキンリンパ腫および全身性未分化大細胞リンパ腫の治療剤として世界45ヶ国以上で承認されています。なお、AETHERA試験で用いられているアドセトリスの治療セッティングは、現時点では承認されていません。

Memorial Sloan Kettering Cancer Center、Division of Hematologic Oncologyの Clinical Directorである Craig Moskowitz, M.D.は、「過去20年間ホジキンリンパ腫を含めた進行性リンパ腫に対する自家造血幹細胞移植で治療成績を改善する治療レジメンはありませんでした。自家造血幹細胞移植を受けた患者さんの約半数が再発をきたすことから、患者さんの予後を改善する治療レジメンの作成が喫緊の課題です。AETHERA試験の結果において、移植直後にブレンツキシマブ ベドチンを追加投与することにより、忍容可能な安全性プロファイルで統計学的に有意な無増悪生存期間の改善が示されました」と述べています。

シアトルジェネティクス社の社長兼CEOであるClay B. Siegallは、「AETHERA試験の結果は非常に重要なマイルストンとなります。自家造血幹細胞移植後に再発リスクの高いホジキンリンパ腫の患者さんに早い段階でアドセトリスを地固め療法として投与することにより、プラセボと比較して大きくPFSを改善することが明らかになりました。ASHにおいて、この試験結果を医師の方々にお伝えできることを大変嬉しく思います。当社では今後FDAとミーティングを実施し、2015年の前半に地固め療法の治療セッティングにおける適応追加の生物学的製剤の一部変更承認申請(Supplemental BLA)を提出することについて、ディスカッションしていきたいと思います」と述べています。

武田薬品Oncology Therapeutic Area UnitのGlobal HeadであるMichael Vasconcelles, M.D.は、「AETHERA試験のデータはホジキンリンパ腫の患者さんに地固め療法としてアドセトリスを使用することが非常に有用であることを示しています。当社は世界各国の規制当局に対して今回得られたデータを提出していきたいと考えています。当社では、CD30をターゲットとするアドセトリスの効果に関してさらなる可能性を検討するため、フロントライン適応のホジキンリンパ腫を対象としてECHELON-1やフロントライン適応の成熟型T細胞性リンパ腫を対象としたECHELON-2などの臨床第3相試験を行っています」と述べています。

 

AETHERA試験:自家造血幹細胞移植後の再発リスクの高いホジキンリンパ腫患者を対象とした無作為二重盲検試験結果(抄録番号:#673128日(月)米国太平洋時間午後4:30 よりMoscone Center West Buildingにおいて、オーラルプレゼンテーション

目的

自家造血幹細胞移植後の再発リスク要因を少なくとも一つ以上有するホジキンリンパ腫患者におけるアドセトリス単独投与によるPFSの延長効果を検証

試験デザイン

多施設、無作為化、二重盲検、プラセボ対照比較試験

対象患者

  • 難治性のホジキンリンパ腫の既往歴がある患者
  • フロントラインの化学療法を受けた後12ヶ月以内に再発し、(さらに/あるいは)自家造血幹細胞移植の前に再発した際にリンパ節以外に病変があった場合(これらは移植後の予後不良因子として一貫して報告されている)

患者登録数

  • 329名
  • 165名にアドセトリスを投与、164名にプラセボを投与

主要評価項目

無増悪生存期間

副次評価項目

全生存期間、安全性、忍容性

投与期間

  • 3週間毎にアドセトリスまたはプラセボを最大約1年間投与
  • アドセトリス群で平均12サイクル、プラセボ投与群で平均11サイクルの治療を受け、両群ともに中央値は15サイクル

試験実施場所

78ヵ所(米国、欧州、ロシア)

試験結果

• 独立した評価機関 (independent review facility: IRF) による評価

  • 主要評価項目を達成し、有意にPFSを延長させた(ハザード比=0.57; p-value=0.001)

  • アドセトリス投与群のPFS中央値は43ヶ月 、プラセボ投与群のPFS中央値は24ヵ月であり、2年間の無増悪生存率はアドセトリス群が63%でプラセボ群が51%

• 治験実施医師による評価

  • ハザード比は0.502

  • 2年間の無増悪生存率はアドセトリス群が65%でプラセボ群が45%

  • アドセトリス投与群のPFSはまだ中央値に達しておらず、プラセボ投与群のPFS中央値は16ヵ月

  • 2年以降に病状が進行するケースはほとんどなかった

  • PFSの延長傾向は事前に規定したサブグループ(難治性の患者、フロントライン治療後12ヶ月以内に再発した患者および12ヶ月以降に再発し節外病変が認められる患者)すべてにおいて一貫して認められた
  • 試験中に、病気の進行が認められた両群の患者は様々な継続治療を受けた。アドセトリス群では、51名の患者のうち8名(16%)だけが再発後にアドセトリスの治療を受け、プラセボ投与群では85名のうち72名(85%)の患者がアドセトリスの単剤治療を受けた。また、プラセボ群の24名の患者およびアドセトリス群の13名の患者がその後の治療として造血幹細胞移植を受け、そのほとんどが同種造血幹細胞移植であった
  • 全生存率のデータは両群ともに中央値に達していないが、両群間で有意な差は認められておらず(ハザード比=1.15; p-value=0.62)、2016年にさらなる解析を行う予定
  • アドセトリス群における最も頻度の高い有害事象は末梢感覚神経障害(56%)、好中球減少(35%)、上気道感染(26%)、疲労(24%)、末梢運動神経障害(23%)、プラセボ投与群における最も頻度の高い有害事象は上気道感染(23%)、疲労(18%)、末梢感覚神経障害(16%)、咳(16%)、好中球減少(12%)。末梢神経障害が発現した85%のアドセトリス群の患者は23.4週(中央値)で症状が消失または改善
  • グレード3以上の有害事象はアドセトリス群で好中球減少、末梢感覚神経障害、吐き気、疲労、下痢、プラセボ群で好中球減少、疲労、末梢運動性障害、下痢、末梢感覚神経障害。グレード4の末梢神経障害は認められなかった
  • アドセトリスでの治療後30日以内に1名の患者が治療に関連した肺炎に伴う急性呼吸窮迫症候群(ARDS)により死亡。また、アドセトリス群において、治療に関連した急性膵炎(死亡時には完治)に続いて起こったARDSにより、1名の患者がアドセトリス投与後40日に死亡

AETHERA試験の安全性データをFDAに提出することは市販後の要件であり、シアトルジェネティクス社が予定している追加承認申請を補完するものです。また、アドセトリスは欧州医薬品庁(EMA)からの承認条件の1つとして、安全性情報の定期報告が課せられており、武田薬品は今回AETHERA試験から得られた安全性情報をEMAに報告する予定です。

 

<アドセトリスについて

アドセトリスは、2011年8月、米国において、①自家造血幹細胞移植後の再発又は難治性のホジキンリンパ腫、又は自家造血幹細胞移植が適用とならない場合に少なくとも2回の多剤併用化学療法施行後の再発又は難治性の再ホジキンリンパ腫、および②少なくとも1回の多剤併用化学療法施行後の再発又は難治性の全身性未分化大細胞リンパ腫の2つの適応症について、米国食品医薬品局(FDA)から迅速承認を取得しています。カナダにおいても2013年2月、上記①②の2つの適応症についてカナダ保健省より承認を取得しています。

欧州では、2012年10月、①自家造血幹細胞移植後、又は自家造血幹細胞移植や多剤併用化学療法が適応とならない場合に少なくとも2種類の治療を施行した成人の再発・難治性のCD30陽性ホジキンリンパ腫、および②成人の再発・難治性の全身性未分化大細胞リンパ腫について、欧州委員会(EC)より販売承認を取得しています。

米国およびカナダではシアトルジェネティクス社が販売し、それ以外の地域では当社が販売を行っています。シアトルジェネティクスと武田薬品はアドセトリスのグローバルでの開発費用につき50:50の割合で負担し、日本では武田薬品のみが開発費用を負担しています。

 

<ホジキンリンパ腫について

リンパ腫はリンパ系に由来するがんの総称であり、ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫の2つに大別されます。ホジキンリンパ腫は、Reed-Sternberg細胞の存在によって他のリンパ腫と区別されます。Reed-Sternberg細胞は一般的にCD30を発現しています。

Lymphoma Coalition(リンパ腫連合)によれば、米国では毎年約9,200例がホジキンリンパ腫と診断されており、2014年には1,200名以上の方がホジキンリンパ腫によって亡くなられています。

また世界でも、毎年62,000例がホジキンリンパ腫と診断されており、フロントライン治療である化学療法によって長期的に奏功しても、30%の患者さんが再発もしくは難治性と診断され、自家造血幹細胞移植後の治療オプションはほとんどありません。

 

<シアトルジェネティクス社について

シアトルジェネティクス社は、がん治療にために抗体をベースとした画期的な治療薬の開発および販売に特化したバイオテクノロジー企業です。シアトルジェネティクス社は抗体の標的力を用いて、がん細胞にがん細胞を死滅させる薬剤を運ぶ抗体薬物複合体(ADCs)の技術に関するリーディングカンパニーです。シアトルジェネティクス社の主力製品であるアドセトリス(ブレンツキシマブ ベドチン)は武田薬品と共同で販売を行い、現在米国、カナダ、日本、欧州連合の各国で発売されているADCです。また、アドセトリスは現在30以上の臨床試験が実施されています。

シアトルジェネティクス社は有望な開発品を有しており、SGN-CD19A、SGN-CD33A、 SGN-LIV1A、 SGN-CD70A、 ASG-22ME、 ASG-15MEといった様々な臨床試験段階にあるADCを開発中です。シアトルジェネティクス社はADC技術について、AbbVie、 Agensys (Astellasの子会社)、 Bayer、 Genentech、 GlaxoSmithKline、Pfizerといったバイオテクノロジー企業や製薬会社と提携しています。詳細については、www.seattlegenetics.comをご覧ください。

 

Takeda Oncologyについて

Global Oncology Business Unitは米国マサチューセッツ州ケンブリッジを拠点とし、武田薬品のOncology Therapeutic Area Unitが管轄するがんのグローバル研究開発事業も併設されています。Takeda Oncologyは科学や画期的な技術、患者さんに対する想いを通じ、全世界のがん患者さんに革新的な治療薬をお届け致します。Takeda Oncologyは以前Millennium: The Takeda Oncology Companyの名称でした。詳細については、www.takedaoncology.comをご覧ください。

 

<武田薬品について>

武田薬品は、研究開発型の世界的製薬企業を目指して、自社研究開発を強化するとともに、ライフサイクルマネジメントの推進、導入・アライアンスの積極展開を通じて研究開発パイプラインの充実を図り、ミッションである『優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献する』の実現に努めています。詳細についてはhttp://www.takeda.co.jp/をご覧ください。

以上