がん治療薬トレバナニブ(開発コード:AMG 386)の再発卵巣がんを対象とした臨床第3相試験「TRINOVA-1試験」の副次評価項目について

2014年11月5日

当社は、このたび、再発卵巣がんを対象に、がん治療薬トレバナニブ(一般名、開発コード:AMG 386、以下「トレバナニブ」)およびパクリタキセル併用群とプラセボおよびパクリタキセル併用群とを比較した臨床第3相試験「TRINOVA-1試験」について、副次評価項目である全生存期間に関する試験結果の速報を得ましたのでお知らせします。本試験結果は、トレバナニブの共同開発を行っているAmgen Inc.(本社:米国カリフォルニア州サウザンドオークス、以下「アムジェン社」)も11月4日に公表しています。

本試験において、全生存期間の中央値はトレバナニブ併用群19.3ヶ月に対してプラセボ併用群は18.3ヶ月であり、統計学的な有意差は示されませんでした。

前回報告された解析では、主要評価項目である無増悪生存期間について、トレバナニブ投与群のプラセボ投与群に対する統計学的に有意な改善が示され、トレバナニブ投与群において病勢の進行あるいは死亡リスクが34%減少するとともに、無増悪生存期間の中央値は、トレバナニブ投与群の7.2ヶ月に対してプラセボ投与群が5.4ヶ月でした(HR = 0.66, 95% CI, 0.57, 0.77, p<0.001)。

当社のオンコロジー領域日本・北アジアヘッドである竹山邦彦は、「本薬について、全生存期間で統計学的に有意な結果が示されなかったことは大変残念ですが、無増悪生存期間に関する良好なデータが、再発卵巣がんに対する治療オプションとしての本薬の可能性を十分に把握するためのデータになると考えています。当社は、引き続き、革新的ながん治療薬の開発に取り組むとともに、アムジェン社と連携し、日本の卵巣がん患者さんに対する本薬の有効性・安全性の評価を進めてまいります」と述べています。

トレバナニブ投与群における、最も頻度の高い有害事象は、局所性浮腫、嘔気、脱毛でした。有害事象による服薬中止率は、トレバナニブ投与群とプラセボ投与群でそれぞれ20%と7%でした。本試験において、安全性に関する新たなリスクは検出されませんでした。

卵巣がんを対象に、本薬とファーストライン化学療法との併用を検討した試験「TRINOVA-3試験」については、2015年に結果が得られる見込みです。

トレバナニブは当社とアムジェン社で共同開発しています。両社の契約に基づき、当社が日本、アムジェン社が日本以外での本薬の販売権を有します。

 

TRINOVA-1試験について

TRINOVA-1試験は、プラチナ製剤部分的感受性またはプラチナ製剤抵抗性(プラチナ製剤を含むファーストライン治療完了後、再発までの期間が12ヶ月以下)の約900名の再発上皮性卵巣がん・原発性腹膜がん・卵管がん患者を対象に、トレバナニブおよびパクリタキセル併用群とプラセボおよびパクリタキセル併用群を比較した、多施設、無作為、二重盲検、プラセボ対照の国際共同臨床第3相試験です。トレバナニブ 15mg/kg(週1回静注)およびパクリタキセル 80mg/m2 (週1回静注、3週間投与後1週間休薬)投与併用群とプラセボ(週1回静注)およびパクリタキセル 80mg/m2(週1回静注、3週間投与後1週間休薬)を1:1に割付けました。

現在、TRINOVA-2試験およびTRINOVA-3試験を含む他の臨床第3相試験が進行中です。TRINOVA-2試験は、再発上皮性卵巣がん・原発性腹膜がん・卵管がんを対象としてトレバナニブおよびペグ化リポソームドキソルビシン(PLD)併用群とプラセボおよびPLD併用群を比較する試験です。TRINOVA-3試験は、再発上皮性卵巣がん・原発性腹膜がん・卵管がんのファーストライン治療におけるトレバナニブおよびパクリタキセルおよびカルボプラチン併用群とプラセボおよびパクリタキセルおよびカルボプラチン併用群を比較する試験です。

 

<トレバナニブについて>

トレバナニブはアンジオポエチンを阻害するペプチボディです。アンジオポエチン系は、体内に新しい血管が作られる過程である生理学的血管新生に関与し、血管新生の異常は、さらに様々な疾患の原因にもなります。本薬は、アンジオポエチン系に作用し、アンジオポエチン1およびアンジオポエチン2が、それらの受容体であるTie2受容体へ結合することを阻害します。アンジオポエチン1とアンジオポエチン2はそれぞれ競合してTie2受容体と結合しますが、アンジオポエチン1は形成される血管の質に、アンジオポエチン2は血管の量に影響を与えます。また、アンジオポエチンは、がんの転移に役割を果たす、リンパ管新生(新しいリンパ管の形成)にも関与すると考えられています。

以上