自家造血幹細胞移植後のホジキンリンパ腫患者を対象とした臨床第3相試験の速報結果について

2014年9月30日

Seattle Genetics, Inc.(本社:米国ワシントン州ボセル、以下「シアトルジェネティクス社」)と武田薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、以下「武田薬品」)は、このたび、ホジキンリンパ腫患者に対し自家造血幹細胞移植直後にアドセトリス(一般名:ブレンツキシマブ ベドチン)を地固め療法として投与した臨床第3相試験「AETHERA試験」の速報結果についてお知らせします。AETHERA試験は、自家造血幹細胞移植後の再発リスクの高いホジキンリンパ腫患者329例を対象に、アドセトリス投与群とプラセボ投与群を比較した臨床第3相試験です。アドセトリス投与群は、プラセボ投与群に比し有意に無増悪生存期間を改善しました。アドセトリスは、ホジキンリンパ腫の細胞表面マーカーであるCD30を標的とする抗体薬物複合体です。アドセトリスは、自家造血幹細胞移植後の再発リスクの高いホジキンリンパ腫患者に対しては承認されていません。

AETHERA試験では、独立中央判定委員会による評価の結果、アドセトリス投与群はプラセボ投与群に比し、主要評価項目である無増悪生存期間の統計学的に有意な改善を認め(HR: 0.57; p= 0.001)、これは無増悪生存期間を75%改善したことと等しいことになります。無増悪生存期間は、全ての患者を対象に、投与開始から少なくとも2年以上にわたり評価しました。全生存期間の中間解析については、両群間に統計学的な有意差は認められませんでした。両群とも、ホジキンリンパ腫が進行した患者ではさまざまな後治療が行われています。特にプラセボ群では、病勢進行をきたした患者のほとんどの症例に対し、後治療としてアドセトリスが投与されています。なお、2016年に全生存期間のさらなる解析を実施する予定です。

本試験におけるアドセトリス単剤投与時の安全性プロファイルは、現在の添付文書の内容と同様でした。なお、このたびの結果は、カリフォルニア州サンフランシスコで2014年12月6日から9日にかけて開催される米国血液学会(ASH)の年次総会で発表される予定で、抄録は既に提出されています。

シアトルジェネティクス社の社長兼CEOであるClay B. Siegallは、「フロントライン治療が無効であったホジキンリンパ腫の患者さんには、高いアンメットメディカルニーズがあります。AETHERA試験の良好な結果から、自家造血幹細胞移植後の再発リスクが高いホジキンリンパ腫患者において、アドセトリスによる地固め療法には寛解導入効果と無増悪生存期間を延長する効果が期待できること、並びにその安全性プロファイルが容認できることが示されました。当社は、12月に開催される米国血液学会年次総会でAETHERA試験の詳細なデータを報告し、2015年には本適応症に承認を得るためFDAに適応追加の生物学的製剤承認申請を行う予定です」と述べています。

武田薬品Oncology Therapeutic Area UnitのGlobal HeadであるMichael Vasconcellesは、「AETHERA試験の結果は、自家造血幹細胞移植後のホジキンリンパ腫の患者さんに対し、新たな治療パラダイムをもたらす可能性を示していると考えています。アドセトリスの臨床開発プログラム全体の中で最初の無作為化臨床試験である本試験から得られたデータは、きわめて貴重な情報をもたらしたといえます。本臨床試験に多大な貢献をして頂いた患者さんと患者さんのご家族、そして治験実施医師の方々に心より深く感謝致します。これから、当社がアドセトリスの販売を行う国々において、このAETHERA試験の結果を各規制当局に提出していく予定です」と述べています。

 

<AETHERA試験について>

試験概要

自家造血幹細胞移植後に残存するホジキンリンパ腫により再発リスクの高い患者を対象とした臨床第3相試験

試験デザイン

多施設、無作為化、二重盲検、プラセボ対照比較試験

患者登録数

329名

主要評価項目

無増悪生存期間

副次評価項目

全生存期間、安全性、忍容性

投与期間

3週間毎に最大約1年間投与

試験実施場所

米国、欧州およびロシア

 

AETHERA試験の安全性データをFDAに提出することは市販後の要件であり、シアトルジェネティクス社が予定している追加承認申請を補完するものです。また、アドセトリスは欧州医薬品庁(EMA)からの承認条件の1つとして、安全性情報の定期報告が課せられており、武田薬品は今回AETHERA試験から得られた安全性情報をEMAに報告する予定です。

 

<アドセトリスについて>

アドセトリスは、2011年8月、米国において、①自家造血幹細胞移植後の再発又は難治性のホジキンリンパ腫、又は自家造血幹細胞移植が適用とならない場合に少なくとも2回の多剤併用化学療法施行後の再発又は難治性の再ホジキンリンパ腫、および②少なくとも1回の多剤併用化学療法施行後の再発又は難治性の全身性未分化大細胞リンパ腫の2つの適応症について、米国食品医薬品局(FDA)から迅速承認を取得しています。カナダにおいても2013年2月、上記①②の2つの適応症についてカナダ保健省より承認を取得しています。

欧州では、2012年10月、①自家造血幹細胞移植後、又は自家造血幹細胞移植や多剤併用化学療法が適応とならない場合に少なくとも2種類の治療を施行した成人の再発・難治性のCD30陽性ホジキンリンパ腫、および②成人の再発・難治性の全身性未分化大細胞リンパ腫について、欧州委員会(EC)より販売承認を取得しています。

米国およびカナダではシアトルジェネティクス社が販売し、それ以外の地域では当社が販売を行っています。シアトルジェネティクスと武田薬品はアドセトリスのグローバルでの開発費用につき50:50の割合で負担し、日本では武田薬品のみが開発費用を負担しています。

 

<ホジキンリンパ腫について>

リンパ腫はリンパ系に由来する癌の総称であり、ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫の2つに大別されます。ホジキンリンパ腫は、Reed-Sternberg細胞の存在によって他のリンパ腫と区別されます。Reed-Sternberg細胞は一般的にCD30を発現しています。

Lymphoma Coalition(リンパ腫連合)によれば、米国では毎年約9,200例がホジキンリンパ腫と診断されており、2014年には1,200名以上の方がホジキンリンパ腫によって亡くなられています。

また世界でも、毎年62,000例がホジキンリンパ腫と診断されており、フロントライン治療である化学療法によって長期的に奏功しても、30%の患者さんが再発もしくは難治性と診断され、自家造血幹細胞移植後の治療オプションはほとんどありません。

 

以上