2014年米国消化器病週間における酸関連疾患治療薬ボノプラザンフマル酸塩の最新試験データの発表について

2014年5月7日

当社は、2014年5月3日から6日まで、米国イリノイ州シカゴで開催された「米国消化器病週間(Digestive Disease Week)」において、ボノプラザンフマル酸塩(開発コード:TAK-438)の5つの臨床第3相試験結果をポスター発表しましたのでお知らせいたします。

ボノプラザンフマル酸塩は、当社が創製したカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(Potassium-Competitive Acid Blocker : P-CAB)と呼ばれる新しいカテゴリーの酸分泌抑制薬であり、胃壁細胞における酸分泌の最終段階に位置するH+, K+-ATPase(プロトンポンプ)をカリウムイオンと競合的に阻害することにより、強力かつ持続的な酸分泌抑制作用と、投与早期からの効果発現を示します。本薬については、本年2月、当社が国内の製造販売承認申請を行っています。これらのポスター発表には、製造販売承認申請にあたり提出された第3相試験の成績が含まれています。

当社は、今後も消化器疾患領域の更なる治療成績向上を目指し、より多くの患者さんの医療ニーズに応えられるよう、取り組んでまいります。

以上

 

<逆流性食道炎の治療における、TAK-43820 mg11回経口投与したときの有効性及び安全性を検討する、AG-1749(ランソプラゾール)を対照とした第3相多施設共同無作為化二重盲検並行群間比較試験(抄録番号:Tu1059

目的

逆流性食道炎の治療における、TAK-438(20 mg/日)のランソプラゾール(30 mg/日)に対する有効性の非劣性の検証および安全性の比較検討

試験デザイン

多施設共同、二重盲検、層別無作為割付、実薬対照試験

対象患者

内視鏡検査でロサンゼルス分類(LA分類)のグレードA~Dと診断された逆流性食道炎患者

投与患者数

409名

投与スケジュール

3日から7日間の観察期間を設定、投与時のLA分類のグレード(A/B)と(C/D)においてTAK-438 20 mg/日投与群もしくは、ランソプラゾール30 mg/日投与群に均等に割り付けし、投与2、4、8週間の時点で内視鏡検査を実施

主要評価項目

逆流性食道炎の内視鏡所見での投与8週後までの治癒率 ※治療期の内視鏡検査で、医師によりLA分類のグレードO(粘膜傷害が見られない)と判定された場合に「治癒」とした

試験結果

<有効性>

・主要評価項目において、投与8週後までの治癒率は、TAK-438投与群およびランソプラゾール投与群でそれぞれ99.0%および95.5%であり、TAK-438投与群のランソプラゾール投与群に対する非劣性が示された(p<0.0001)

・事後解析において、投与8週後までの治癒率についてTAK-438投与群のランソプラゾール投与群に対する優越性が確認された(p=0.0337)

・TAK-438投与群の投与4週後までの治癒率とランソプラゾール投与群の投与8週後までの治癒率の差は、1.1%であった(96.6% vs. 95.5%)。差の両側95%信頼区間の下側限界(-2.702%)が主要評価項目の主解析で用いた非劣性の許容限界値(-10%)を上回り、TAK-438 4週間投与のランソプラゾール8週間投与に対する非劣性が確認された 

・背景項目による部分集団解析では、投与8週後までの治癒率のTAK-438投与群とランソプラゾール投与群との差は、CYP2C19のEM(98.9% vs. 94.5%)とLA分類のC/D(98.7% vs. 87.5%) において顕著であった

<安全性>

・有害事象、治験薬との因果関係が否定できない有害事象、投与中止に至った有害事象、重篤な有害事象について、発現頻度は2群間で同程度であった 

・両群において、最もよく見られた有害事象は鼻咽頭炎であった(TAK-438投与群、ランソプラゾール投与群:3.4%、4.0%)。その他の有害事象の発現頻度はいずれも2%以下であった

 

<逆流性食道炎の維持療法における、TAK-43810 mg又は20 mg1124週間経口投与したときの有効性及び安全性を検討する、AG-1749(ランソプラゾール)を対照とした第3相多施設共同無作為化二重盲検並行群間比較試験(抄録番号:Tu1052

目的

逆流性食道炎の維持療法におけるTAK-438(10 mg又は20 mg)とランソプラゾール(15 mg)の有効性の非劣性の検証および安全性の比較検討

試験デザイン

多施設共同、二重盲検、層別無作為割付、実薬対照試験

対象患者

内視鏡検査でロサンゼルス分類(LA分類)のグレード AからDと診断された逆流性食道炎患者

投与患者数

607名

投与スケジュール

治療期間(2、4、8週間)において、TAK-438 20 mg/日を投与した。逆流性食道炎の治癒が確認された後、患者はLA分類の重症度(A/BもしくはC/D)に分けられ、TAK-438 10 mg/日投与群、20 mg/日投与群もしくはランソプラゾール15 mg/日投与群に均等に割り付けられ、24週間にわたり維持療法を行った。逆流性食道炎の再発が内視鏡的に確認された場合、投与を終了することとした

主要評価項目

投与24週後における逆流性食道炎の内視鏡所見での再発率 *維持期の内視鏡検査で、医師によりLA分類のグレードA~Dと判定された場合に「再発」とした

試験結果

<有効性>

・主要評価項目において、投与24週後における再発率は、ランソプラゾール15 mg投与群、TAK-438 10 mg投与群、20 mg投与群で、それぞれ16.8%、5.1%、2.0%であり、TAK-438の両投与群においてランソプラゾール投与群に対する非劣性が示された(いずれもp<0.0001)

・事後解析において、投与24週後における再発率についてTAK-438両投与群のランソプラゾール投与群に対する優越性が確認された(ランソプラゾール15 mg投与群vs. TAK-438 10 mg投与群: p=0.0002、 ランソプラゾール15 mg投与群vs. TAK-438 20 mg投与群: p<0.0001) ・背景項目による部分集団解析では、投与24週後における再発率のTAK-438投与群とランソプラゾール投与群との差は、CYP2C19のEM(ランソプラゾール15 mg投与群、TAK-438 10 mg投与群、TAK-438 20 mg投与群:それぞれ 19.6%、5.4%、1.8%) およびLA分類のC/D (ランソプラゾール15 mg投与群、TAK-438 10 mg投与群、TAK-438 20 mg投与群:それぞれ 39.0%、13.2%、4.7%)において顕著であった 

<安全性>

・有害事象、治験薬との因果関係が否定できない有害事象、投与中止に至った有害事象、重篤な有害事象について、発現頻度は3群間で同程度であった

・3群において、最もよく見られた有害事象は鼻咽頭炎であった(ランソプラゾール15 mg投与群、TAK-438 10 mg投与群、TAK-438 20 mg投与群:それぞれ 13.9%、16.8%、13.2%) 

・血清ガストリン値はいずれの群でも上昇し、TAK-438 20 mg投与群、TAK-438 10 mg投与群、ランソプラゾール15 mg投与群の順で高かった。一方で、胃粘膜病理組織学的検査では、群間で明らかな差は見られなかった。試験期間中に確認された血清ガストリン値の上昇は、病理学的に判別できるような胃粘膜障害を引き起こさなかった

 

<非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)長期投与時の胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制における、TAK-43810 mg又は20 mg11回経口投与したときの有効性及び安全性を検討する、AG-1749(ランソプラゾール)を対照とした第3相多施設共同無作為化二重盲検並行群間比較試験(抄録番号:Tu1054

目的

NSAID潰瘍の再発抑制に対する、TAK-438(10 mg又は20 mg)のランソプラゾール15 mgに対する有効性の非劣性の検証および安全性の比較検討

試験デザイン

多施設共同、二重盲検、無作為割付、実薬対照、並行群間3群比較試験

対象患者

NSAID長期投与を必要とする胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の既往を有する患者

投与患者数

642名

投与スケジュール

1日1回朝食後に、TAK-438 10 mg、20 mg又はランソプラゾール15 mgをNSAIDとともに24週併用投与した

主要評価項目

投与24週後の胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発率

副次評価項目

胃又は十二指腸の出血性病変の発症率

探索的解析

胃又は十二指腸の潰瘍又は出血性病変の発症までの期間

試験結果

<有効性>

・投与24週後の胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発率において、TAK-438 10 mg投与群の、20 mg投与群のランソプラゾール 15 mg投与群に対する非劣性が検証された(ランソプラゾール15 mg投与群、TAK-438 10 mg投与群、20 mg投与群の再発率は、それぞれ5.5%、3.3%、3.4%であり、TAK-438投与群はいずれもランソプラゾール15 mg投与群に対しp<0.0001であった)。TAK-438投与群とランソプラゾール15 mg投与群との間に有意な差は見られなかったものの、24週間にわたりTAK-438投与群はランソプラゾール15 mg投与群と比べて再発率が低かった

・胃又は十二指腸における出血性病変の発症率において、TAK-438各投与群とランソプラゾール15 mg投与群との間に有意な差は見られなかったものの、TAK-438各投与群はいずれも24週間にわたりランソプラゾール15 mg投与群と比べてわずかに低かった(投与24週後の発症率は、ランソプラゾール15 mg投与群、TAK-438 10 mg投与群、20 mg投与群で、それぞれ2.0%、1.4%、1.0%)

・胃又は十二指腸の潰瘍又は出血性病変の累積発症率は、ランソプラゾール15 mg投与群と比べ、TAK-438各投与群で低かった

<安全性>

・治療期間の有害事象の発現率は、3群においてほぼ同等であった

・3群において、最も多かった有害事象は鼻咽頭炎だった(ランソプラゾール15 mg投与群、TAK-438 10 mg投与群、TAK-438 20 mg投与群で、それぞれ18.6%、22.9%、18.4%)

・血清ガストリン値についてTAK-438投与群はいずれもランソプラゾール15 mg投与群と比べて高く、用量依存的であった。全ての群において、投与4週後において血清ガストリン値が上昇したが、それ以降、明らかな増加傾向は認められなかった。また、投与24週後まで一定で推移した

 

<低用量アスピリン長期投与時の胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制における、TAK-43810 mg又は20 mg11回経口投与したときの有効性及び安全性を検討する、AG-1749(ランソプラゾール)を対照とした第3相多施設共同無作為化二重盲検並行群間比較試験(抄録番号:Tu1055

目的

低用量アスピリン潰瘍の再発抑制に対する、TAK-438(10 mg又は20 mg)のランソプラゾール15 mgに対する有効性の非劣性の検証および安全性の検討

試験デザイン

多施設共同、二重盲検、無作為割付、実薬対照、並行群間3群比較試験

対象患者

低用量アスピリン長期投与を必要とする胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の既往を有する患者

投与患者数

621名

投与スケジュール

1日1回朝食後に、TAK-438 10 mg、20 mg又はランソプラゾール15 mgを低用量アスピリンとともに24週併用投与した

主要評価項目

投与24週後の胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発率

副次評価項目

胃又は十二指腸の出血性病変の発症率

探索的解析

胃又は十二指腸の潰瘍又は出血性病変の発症までの期間

試験結果

<有効性>

・投与24週後の胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発率において、TAK-438 10 mg投与群、20 mg投与群のランソプラゾール 15 mg投与群に対する非劣性が検証された(ランソプラゾール15 mg投与群、TAK-438 10 mg投与群、20 mg投与群で、それぞれ2.8%、0.5%、1.5%であり、TAK-438投与群のいずれもランソプラゾール15 mg投与群に対しp<0.0001であった)。TAK-438各投与群とランソプラゾール15 mg投与群との間に、有意な差は見られなかったものの、24週間にわたりTAK-438各投与群でランソプラゾール15 mg投与群と比べて低かった

・胃又は十二指腸における出血性病変の発症率は、TAK-438各投与群とランソプラゾール15 mg投与群との間に有意な差が見られた(投与24週後の発症率は、ランソプラゾール15 mg投与群、TAK-438 10 mg投与群、20 mg投与群で、それぞれ2.9%、0.0%、0.0%であり、TAK-438投与群はいずれもランソプラゾール15 mg投与群と比べてp=0.0129であった)

・胃又は十二指腸の潰瘍又は出血性病変の累積発症率は、ランソプラゾール15 mg投与群と比べTAK-438各投与群で有意に低かった(TAK-438 10 mg群でp=0.0066、TAK-438 20 mg群でp=0.0471)

<安全性>

・治療期間の有害事象の発現率は、3群においてほぼ同等であった

・3群において、最も多かった有害事象は鼻咽頭炎だった(ランソプラゾール15 mg投与群、TAK-438 10 mg投与群、TAK-438 20 mg投与群で、それぞれ17.1%、14.9%、20.3%)

・血清ガストリン値についてTAK-438投与群はいずれもランソプラゾール15 mg投与群と比べて高く、用量依存的であった。全ての群において、投与4週後において血清ガストリン値が上昇したが、それ以降、明らかな増加傾向は認められなかった。また、投与24週後まで一定で推移した

 

H. pyloriの一次除菌における、TAK-438/アモキシシリン/クラリスロマイシンの3剤併用療法による有効性及び安全性を検討する、AG-1749(ランソプラゾール)/アモキシシリン/クラリスロマイシンの3剤併用療法を対照とした第3相多施設共同無作為化二重盲検並行群間比較試験(抄録番号:Tu1056

目的

H. pylori一次除菌におけるTAK-438/アモキシシリン/クラリスロマイシン3剤併用療法(TAK/A/C)のランソプラゾール/アモキシシリン/クラリスロマイシン3剤併用療法(LPZ/A/C)に対する有効性の非劣性の検証及び安全性の比較検討 一次除菌不成功となった患者に対するTAK-438/アモキシシリン/メトロニダゾール3剤併用療法(TAK/A/M)の有効性及び安全性の検討

試験デザイン

多施設共同、二重盲検、無作為割付、実薬対照試験

対象患者

H.pylori陽性の胃潰瘍瘢痕又は十二指腸潰瘍瘢痕患者

投与患者数

650名

投与スケジュール

一次除菌療法として、1回につきTAK-438 20 mg/アモキシシリン750 mg/クラリスロマイシン200 mg又は400 mg若しくはランソプラゾール 30 mg/アモキシシリン750 mg/クラリスロマイシン200 mg又は400 mgを1日2回7日間投与し、投与終了4週間後に、13C-尿素呼気テストを用いて、除菌の効果を判定した。一次除菌不成功となった被験者101例のうち50例を対象に、二次除菌療法として、1回につきTAK-438 20 mg/アモキシシリン750 mg/メトロニダゾール250 mgを1日2回7日間投与し、投与終了4週間後に、13C-尿素呼気テストを用いて、除菌の効果を判定した

主要評価項目

一次除菌投与終了4週間後のH. pylori一次除菌率

副次評価項目

二次除菌投与終了4週間後のH. pylori二次除菌率

試験結果

<有効性>

・主要評価項目のH. pylori 一次除菌率は、TAK/A/C投与群において92.6%(300/324例)、LPZ/A/C投与群において75.9%(243/320例)であった。非劣性マージンを10%としたFarrington and Manningによる非劣性検定において、TAK/A/C投与群のLPZ/A/C投与群に対する非劣性が検証された(p<0.0001)。追加解析では、TAK/A/C投与群のLPZ/A/C投与群に対する優越性が示された(p<0.0001)。TAK/A/Mを受けた患者における二次除菌率は98.0%(49/50例)であった

・一次除菌率は、CYP2C19のEMとクラリスロマイシン耐性(MICが1 μg/mL以上)の患者において、TAK/A/C投与群はLPZ/A/C投与群と比べて有意に高かった〔CYP2C19のEMではTAK/A/C投与群で92.9%(250/269例)、LPZ/A/C投与群で75.0%(204/272例)、クラリスロマイシン耐性ではTAK/A/C投与群で82.0%(82/100例)、LPZ/A/C投与群で40.0%(46/115例)〕。クラリスロマイシンの用量は一次除菌率に影響を及ぼさなかった〔200 mg/回を1日2回投与した場合、TAK/A/C投与群で93.3%(152/163例)、LPZ/A/C投与群で78.7%(129/164例)、 400 mg/回を1日2回投与した場合、TAK/A/C投与群で91.9%(148/161例)、LPZ/A/C投与群で73.1%(114/156例)〕

<安全性>

・一次除菌において、有害事象、治験薬との因果関係が否定できない有害事象、投与中止に至った有害事象、重篤な有害事象について、発現頻度は2群間で同程度であり、二次除菌においても、一次除菌と同程度であった

・一次除菌において、発現率が2%以上の有害事象は、両群において、下痢、鼻咽頭炎、味覚異常であった(TAK/A/C投与群でそれぞれ12.5%、5.5%、4.0%、LPZ/A/C投与群でそれぞれ15.3%、4.7%、3.1%)。両群で、明らかな有害事象の発現頻度の違いは認められなかった。味覚異常の発現頻度は、クラリスロマイシンの用量に応じて上昇した。二次除菌において、2例以上で発現した有害事象は、下痢(4.0%)、鼓腸(4.0%)、鼻咽頭炎(4.0%)、ALT増加(4.0%)、AST増加(4.0%)であった

・重篤な有害事象は、一次除菌で6例、二次除菌で1例が報告された。治験薬との因果関係が否定できない重篤な有害事象はTAK/A/C投与群の急性心筋梗塞1件であり、その他の一次除菌で見られた重篤な有害事象及び二次除菌で見られた全ての有害事象は治験責任医師によって、治験薬との関連はないと判断された