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潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬vedolizumabの日本における臨床第3相試験開始について

潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬vedolizumabの日本における臨床第3相試験開始について


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2014年1月8日

当社は、このたび、潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬vedolizumab(一般名、開発コード:MLN0002)について、日本における中等度から重度の潰瘍性大腸炎・クローン病を対象とした2つの臨床第3相試験を開始しましたのでお知らせします。

今回開始した2つの臨床第3相試験は、導入療法および維持療法における本薬の有効性・安全性ならびに薬物動態を検討する、多施設共同、無作為化、二重盲検並行群間比較試験です。主要評価項目は、導入期における10週目の改善率および維持期における60週目の寛解率です。

なお、当社は、vedolizumabについて、成人の中等度から重度の潰瘍性大腸炎およびクローン病を適応症として、2013年3月に欧州医薬品庁(EMA)に販売許可申請を、同年6月に米国食品医薬品局(FDA)に生物学的製剤承認申請を提出しています。

当社の消化器・腎臓系・その他疾患領域のVice PresidentであるAsit Parikhは、「潰瘍性大腸炎ならびにクローン病の治療においては、新たな治療選択肢の登場が待ち望まれています。有効な治療オプションとして期待される本薬を、1日も早く日本の患者さんのもとにお届けできるよう、本薬の開発に全力で取り組んでまいります」と述べています。

以上

Vedolizumabについて

Vedolizumabは、潰瘍性大腸炎およびクローン病治療薬として開発中のヒト化α4β7インテグリンモノクローナル抗体です。α4β7インテグリンは、潰瘍性大腸炎やクローン病における炎症発生プロセスに関与するとされる循環白血球のサブセットに発現し、消化管における血管やリンパ節に特異的に存在する細胞接着分子に結合することで炎症反応を惹起します。本薬は、α4β7インテグリンに特異的に結合し、α4β7インテグリンの細胞接着分子への結合を阻害することにより、特定のリンパ球の消化管細胞への浸潤を阻害します。

 

<潰瘍性大腸炎およびクローン病について>

潰瘍性大腸炎およびクローン病は炎症性腸疾患の二大疾患です。潰瘍性大腸炎が直腸、結腸を含む大腸だけに発現するのに対し、クローン病は消化管内部のあらゆる部位で炎症を惹起します。潰瘍性大腸炎で最もよく見られる症状は、腹部不快感、下痢時の出血あるいは排膿であり、クローン病で最もよく見られる症状は、腹痛、下痢、直腸出血、体重減少、発熱です。両疾患については、多くの研究者が外的な環境要因と遺伝子や体内の免疫システムとの相互作用が疾患を引き起こすと指摘していますが、正確な原因はいまだ不明です。炎症性腸疾患治療薬は、寛解の達成、維持、あるいは症状のない期間の延長を目指すものです。