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ミャンマー少数民族の妊産婦および新生児の健康改善を支援する現場へ

ミャンマーでは、出生した乳児1,000人のうち、72人が最初の誕生日を迎えることなく亡くなっている※1。また妊産婦の死亡率も高く、出産10万件あたり250人である※2。多くの親たちは、子どもと彼ら自身の為に医療施設の増加および医療へのアクセス改善を望むが、残念ながらまだまだ実現に至っていないのが現状だ。

都市部から遠く離れた農村地域に暮らす少数民族の家族にとって、医療アクセスの障壁はさらに高くなる。他の地域に比べて開発が遅れており、健康インフラに対する影響も大きい。そのため、農村地域で暮らす5歳未満の子どもは、都市部で暮らす子どもに比べて死亡率が2倍に達する※3

タケダのグローバルCSRプログラムは、セーブ・ザ・チルドレンとのパートナーシップを通じて、ミャンマー少数民族の母子が置かれた厳しい状況の改善を支援している。これは、ヘルスワーカーへの支援と医療サービスに対するコミュニティ・エンゲージメントの強化によって、遠方地のコミュニティにおける母子を対象とした質の高い医療アクセスへの改善を行うものだ。その成果として、現在、100以上の村で妊産婦と新生児の緊急事態に対応するサポートが利用できるようになっている。


コミュニティの力を活かす

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ミャンマーのバゴー地方東部にあるチャウチー・タウンシップは、保健医療のインフラ整備や質の高いサービスが十分ではないため、医療従事者が新しいスキルや知識を習得する機会が極めて少ない状態にある。しかし、タケダが2016年からスタートしたセーブ・ザ・チルドレンとの初のパートナーシップにより、長期的かつ持続可能な活動によって状況は好転してきている。


2020年1月、タケダのグローバルCSR従業員参加プログラムの一環として、3名の従業員が舗装されていない道が続くパートナーシップの現場を訪問。事業で形成されたチャウチーの新しい「村保健委員会」のメンバーと会い、この地域における医療アクセス改善へ向けた明るい未来を見出した。

チャウチーの村で出会った保健委員のメンバーは、コミュニティの力を活かし、助産師と協働して村人に対する保健教育などの活動を行ったり、妊産婦と新生児への「病院への緊急搬送システム」を提供したりしている。保健委員のメンバーは、このような取り組みから、すぐにこの村で暮らす全家庭にとって欠かすことのできない存在となっていく。

ラファエル・フォルテス(グロース&エマージング マーケッツ ビジネス ユニット)は「この取り組みによって、村保健委員会の存在が、現地の人々の暮らし、さらには地域コミュニティ全体の暮らしに確かな変化をもたらすことを雄弁に物語っている。彼らとの出会いは、この旅で最も印象深い瞬間でした」と語った。


妊産婦と助産師のために長期的に機能するソリューションを確立

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従業員のグループは、次にティ・チャ・セッを訪問し、本プログラムを通じて建設された4カ所の新しい保健センターのうちの1つを見学した。これら4つの施設では、出産を控えた女性や子どもを産んだばかりの母親に対し、適切な資格を有する助産師が適切なケアを提供する。


母親たちは、ここで自身をケアする知識や、生後数週間の栄養管理といった、新生児を適切に世話する技術を学ぶ。このように出産前後の段階からの支援で母子共に健全な生活を保証することで、医療従事者にも良い影響をもたらし、相乗効果を得られる。保健センターは、村保健委員会のメンバーの一人である補助助産師教育の場としても活用され、新しい知識をコミュニティに提供する。
「このプログラムは、地域レベルで着実な変化をもたらす実にユニークな取り組みです」と、ジル・ライベングッド(グローバル ワクチンビジネス ユニット)は述べ、さらに「これらの医療施設は、本プロジェクトの支援が終了した後も、継続してこの村で利用できるでしょう」と期待を寄せた。

「私たちは事業で医薬品やワクチンを開発しますが、このグローバルCSRプログラムを通じて、様々な地域コミュニティの暮らしに有益な変化をもたらしています」


より健康であるための知識を得た母親と出会う

発展途上国や新興国におけるインパクトの大きな活動を支援するタケダのグローバルCSRプログラムは、長期的な支援や永続的かつ持続可能な変化をもたらすこと、継続的かつ効果的なパートナーシップなど、私たちの企業価値に基づいた取り組みである。また同時に、従業員参加プログラムによって、従業員たちの価値観をも浮き彫りにする。なぜなら全従業員は毎年、全社的な投票システムによりどのようなCSRプログラムを支援するか選択する機会を得るからだ。そして、この現地訪問というユニークな仕組みにより、私たちが地域コミュニティにどのようなインパクトを与えているか、に気づくのだ。

祖一澄人(ジャパン ファーマ ビジネス ユニット)は、村保健委員会による「病院への緊急搬送システム」のサポートを受けた母親に参加者と共に会った際、特に衝撃を受けた。「セーブ・ザ・チルドレンが支援する補助助産師、母親、そして献身的なスタッフの意欲が、地域コミュニティの健康改善に大きく貢献していることに刺激を受け、私たちの取り組みがきちんと地域住民に届いている現状を目の当たりにしました」

「今回の視察に参加した従業員は3人だけですが、できるだけ多くの同僚にもこの現実を見てもらいたいです」

「これまで新生児のケアに関する知識はまったくありませんでした」と、ある母親が従業員に語った。「タケダとセーブ・ザ・チルドレンの支援により、私は必要な知識を得ることができました。この知識は、隣人たちにも共有していきます」

このようなタケダのユニークな取り組みについて、イー・モン・ゾー医師(セーブ・ザ・チルドレン ミャンマー事務所 保健プログラムヘッド)は、「私たちの取り組みは、コミュニティの住人一人ひとりが家計をひっ迫することなく、自身の健康管理に責任をもてるよう支援するものです。これを実現することは、非常に重要であり、このプロジェクトの目的と考えます」と力強く述べた。



1 UNICEF. Myanmar: key demographic indicators. Available at: https://data.unicef.org/country/mmr/.


2 World Health Organization. Maternal mortality in 2000–2017, Myanmar. Available at: https://www.who.int/gho/maternal_health/countries/mmr.pdf?ua=1

3 UNICEF. Myanmar: Maternal, newborn and child health. Available at: https://www.unicef.org/myanmar/health-and-nutrition/maternal-new-born-and-child-health