環境保全への取り組み~タケダの成果と評価~

­今世紀に入って地球上の気温が3℃〜5℃上昇した結果、急激な気候変動や海面上昇が発生し、さらに人々の健康に深刻な影響を及ぼすだろう、と国連は発表した。※1

これを受けて、タケダのグローバルマニュファクチャリング&サプライオフィサーであるトーマス・ウォスニフスキーは、「気候変動は、疾病の感染方法から水資源の利用へ影響を与えるなど、グローバルヘルスへ悪影響を及ぼす可能性があります。今日における私たちの一つひとつの選択が、次世代の健康を左右するだろう」と述べた。

地球環境の安定は、「人々により健やかで輝かしい未来」の実現を目指す上で必要不可欠な要素である。そのため、タケダではあらゆるビジネス上の意思決定において、環境への影響を最小限にとどめること、および持続可能性にフォーカスした様々な取り組みを行っている。これらは、ESG(環境・社会・ガバナンス)の取り組みを評価する機関から高い評価を得ている。気候変動、水不足、そして生物多様性という相互に影響する3つの分野を包括的に保全することに、タケダが強みを発揮しているからだ。

選出されているESG指数


気候変動への取り組み
ワクチンなどの医薬品により世界的な公衆衛生が向上する一方で、気候変動が感染症との闘いに悪影響を及ぼしている。例えば、デング熱。温暖化が進むことで、この病気の媒介となる蚊の繁殖エリアが拡大し、より多くの人々が感染の危機に晒されることになる。※2

気候変動の主要な原因の1つは、二酸化炭素(CO2)の排出量である。タケダは、2030年までに温室効果ガスの排出量を30%削減するという明確な目標を掲げ、行動計画を策定した。また、COP21で採択された気候変動抑制に関する多国間の国際的な協定(パリ協定)を支持し、その目標達成に向けた努力を誓う「The Paris Pledge for Action」に署名した。

この分野における取り組みにおいて、ウォスニフスキーは、次のように述べた。
「私たちは2017年に製品等の輸送手段を、航空から環境への影響がより少ない船舶や鉄道に移行し、約6,000トンのCO2排出量削減を達成しました。また、バリューチェーン全体に対する取り組みについても、サプライヤーから顧客までの流通ルートを細かくチェックしています。これをもとに、タケダがカーボンニュートラルな企業となるために何をすべきかを検討しています」

*2005年レベルと比較した2017年の実績


水不足への取り組み
誰もが飲料用として、また調理や清掃に使用できるきれいな水を必要とするが、世界的な水不足は深刻度を増している。すでに9人に1人がきれいな飲料水を手に入れることができない状態にあり※3、途上国における罹患原因の約80%は、この水不足が原因である。※4

これらの事実から、タケダは2020年までに2005年レベルに対し淡水使用量を30%削減し、最終廃棄物処理量を60%にまで削減することを明言している。


「過去数年間で、タケダは2020年、およびその先の目標達成に向けて大きく前進しました。2017年には、2005年レベルと比較して淡水使用量を43%削減、廃棄物排出量を76%削減しました。これからも、これらの取り組みを継続できると確信しています」とウォスニフスキーは言う。


*2005年レベルと比較した2017年の実績


生物多様性保全への取り組み
生物多様性とは、人間から微生物、菌類、無脊椎動物など多様な生き物が存在している生態系を指す。人間は、食料、燃料、住居、医薬品など生命活動のすべてを、これに依存している。また、多様な生態系は、受粉、種子拡散、気候調整、浄水などの重要な役割を担っている。この生物多様性を研究することで多くの医学的発見があったことから、タケダはその重要性をより強く認識している。生物多様性がもたらす資源は、医薬品製造のために多くの重要な成分を生み出してきた。私たちは世界中の患者さんに貢献するために、研究開発活動においてもこれらの資源を利用している。

しかし現在、生物多様性の喪失に対する懸念が高まっている。1970年以降、地球上の生物の約52%が失われているが※5、これらの資源には今日も続く、未だ有効な治療法が見つからない疾患に対する医療ニーズに役立つ成分が、含まれている可能性があったからだ。

タケダでは、1933年に京都薬用植物園を開設し、絶滅の危機に瀕する種の保全・栽培に取り組んでいる。また各事業所にも生物多様性の保全ガイドラインを徹底するなど、薬用植物の保全・栽培においても先駆者となっている。

「私たちは生物多様性を保全するためにも、サプライチェーンを通して医薬品製造が生物多様性に及ぼす影響を、透明性をもって開示し適切な対策をとっていきます」とウォスニフスキーは強調した。

このように、未来に向けて環境の保全および改善を継続していくことは、人々の健康にとって不可欠な、最優先事項だと言えるだろう。



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<出典>
※1. WORLD METEOROLOGICAL ORGANIZATION(WMO) “Statement on the state of the global climate in 2018”

※2. ScienceDirece “Dengue in a changing climate”

※3. WHO/UNICEF Joint Monitoring Programme for Water Supply and Sanitation. "Progress on Sanitation and Drinking Water 2010." Available at www.wssinfo.org/

※4. United Nations. Statement by Secretary General Koffi Annan. June 2003.

※5. WWF “Living Planet Report 2014”