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エンタイビオ®皮下注射製剤、米国でクローン病の維持療法にFDA承認 | 武田薬品

米国食品医薬品局(FDA)によるエンタイビオ®(一般名:ベドリズマブ)の皮下注射製剤に対する中等症から重症の活動期クローン病の維持療法の承認について


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April 19, 2024
  • エンタイビオは、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎およびクローン病の成人患者さんの治療薬として点滴静注製剤と皮下注射製剤の両方が米国にて利用可能に

当社は、2024年4月18日(米国時間)、エンタイビオ®点滴静注製剤による導入療法後の成人の中等症から重症の活動期クローン病に対する維持療法として、エンタイビオ(一般名:ベドリズマブ)皮下注射製剤が、米国食品医薬品局(FDA)によって承認されましたのでお知らせします1 。 エンタイビオ皮下注射製剤は、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の成人患者さんの維持療法として、2023年9月にFDAに承認されており、米国では単回投与用プレフィルドペン製剤(ENTYVIO Pen)として提供されています*。

この承認は、VISIBLE2試験(SC CD試験)からのデータに基づいています。本試験は、0週および2週時点に非盲検下にてベドリズマブの点滴静注製剤による静脈内投与を2回実施後、6週時点で臨床的改善**を達成した、中等症から重症の活動期クローン病成人患者さんを対象として、エンタイビオ皮下注射製剤による維持療法を行ったときの安全性と有効性をプラセボと比較して評価した無作為二重盲検臨床第3相試験です1。 主要評価項目は、52週時点における臨床的寛解***(クローン病活動指数[CDAI:Crohn's Disease Activity Index]のスコアが150以下と定義)でした。

GI Alliance Researchの研究教育部門シニア メディカル ディレクターであり、TCU School of Medicineの医学部助教授であるTimothy Ritter, MDは、「クローン病は複雑で、通常は進行性であり、適切な管理が欠かせません。臨床医としての私の第一の目標は、常に患者さんの寛解を達成することです。VISIBLE2試験では、エンタイビオ皮下注射製剤で治療を行った患者さんの約半数で、長期的な臨床的寛解を達成できました。VISIBLE2試験のデータから、エンタイビオが投与経路に関わらず、安定した有効性のプロファイルを持つことが確認されています」と述べています。

VISIBLE2試験では、全409名の患者さんが6週時点で、二重盲検法により、2週間ごと投与のエンタイビオ皮下注射製剤108mg群とプラセボ群に2:1で無作為に割り付けられました1。 対象患者さんは、コルチコステロイド、免疫調節薬(アザチオプリン、6-メルカプトプリンまたはメトトレキサート)、腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬のうち、少なくとも1剤において、効果不十分、効果減弱または不耐である患者さんでした(一次無効例を含む)。

52週時点における長期の臨床的寛解***率において、エンタイビオ皮下注射製剤108 mgを維持療法として2週間ごとに投与した群では、プラセボ投与群と比較して統計学的に有意に高い結果(エンタイビオ皮下注射群:48%、プラセボ投与群:34%、p<0.01)を示しました1。臨床試験において、エンタイビオ皮下注射製剤の安全性プロファイルは、点滴静注製剤の既知の安全性プロファイルと概ね一致していましたが、皮下注射製剤の副作用として注射部位反応(注射部位の紅斑、発疹、そう痒症、腫脹、挫傷、血腫、疼痛、蕁麻疹、浮腫)が追加されました。エンタイビオ点滴静注製剤で最も多く報告された副作用は(発現率が3%以上で、プラセボ群より1%以上高い事象)、上咽頭炎、頭痛、関節痛、悪心、発熱、上気道感染、疲労、咳嗽、気管支炎、インフルエンザ、背部痛、発疹、そう痒症、副鼻腔炎、口腔咽頭痛および四肢痛でした。

当社U.S.メディカルのシニアヴァイスプレジデントであり、米国消化器系疾患のヘッドであるBrandon Monkは、「クローン病に対するエンタイビオ皮下注射製剤の承認は、患者さんに潰瘍性大腸炎またはクローン病の寛解のための治療選択肢をお届けするという私たちの目標の実現につながるだけでなく、治療に柔軟性や投与経路の選択肢をもたらします。ENTYVIO Penの登場により、患者さんが自宅や外出先で維持療法を行う選択肢ができたのです。皮下投与の選択肢の開発は、消化器系疾患と共に生きる人々の真のニーズに応えるという当社の取り組みを示すものです」と述べています。

*2023年9月27日(米国時間)付けの「米国食品医薬品局(FDA)による中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の維持療法に関するエンタイビオ®(一般名:ベドリズマブ)の皮下注射製剤の承認について」をご覧ください。

**臨床的改善はクローン病活動指数(CDAI)のスコアのベースライン(0週)から70ポイント以上の減少と定義1

***臨床的寛解は、52週時点におけるCDAIスコアが150以下と定義1

本承認による当社の連結財務諸表に対する影響は、重要性があるものを見込んでおりません。

エンタイビオ(一般名:ベドリズマブ)について

ベドリズマブは生物学的製剤であり、点滴静注製剤および皮下注射製剤として承認されています(承認は市場によって異なります)1, 2。現在、ベドリズマブ皮下注射製剤は、米国、欧州連合(EU)と50か国以上で製造販売承認を取得しています。ベドリズマブ点滴静脈製剤は、米国とEUを含む70を超える国で製造販売承認を取得しています。ベドリズマブ点滴静注製剤と皮下注射製剤をあわせて、これまでの累計使用患者さんの数は世界で100万人・年を超えています3 。 ベドリズマブはα4β7インテグリンと特異的に拮抗し、α4β7インテグリンの腸粘膜アドレシン細胞接着分子-1(MAdCAM-1)への結合を阻害しますが、血管細胞接着分子1(VCAM-1)への結合は阻害しないようデザインされた、ヒト化モノクローナル抗体です4 。MAdCAM-1は消化管の血管およびリンパ節に選択的に発現しています5。一方、α4β7インテグリンは循環血液中の白血球サブセットに発現しています4。これらの細胞は、潰瘍性大腸炎とクローン病における炎症過程において重要な役割を果たしていることが明らかになっています4, 6,7。α4β7インテグリンを阻害することによって、ベドリズマブはある種の白血球細胞の消化管組織への浸潤を抑制する可能性があります4

武田薬品について

武田薬品工業株式会社(TSE: 4502/NYSE: TAK)は、世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献することを目指しています。消化器系・炎症性疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、ワクチンといった主要な疾患領域および事業分野において、革新的な医薬品の創出に向けて取り組んでいます。パートナーとともに、強固かつ多様なパイプラインを構築することで新たな治療選択肢をお届けし、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。武田薬品は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。2世紀以上にわたり形作られてきた価値観に基づき、社会における存在意義(パーパス)を果たすため、約80の国と地域で活動しています。 詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。

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医療情報

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以上
  1. ENTYVIO (vedolizumab) Prescribing Information. Takeda Pharmaceuticals U.S.A., Inc.
  2. ENTYVIO Summary of Product Characteristics (SmPC). Available at: https://www.ema.europa.eu/en/documents/product-information/entyvio-epar-product-information_en.pdfGo to https://www.ema.europa.eu/en/documents/product-information/entyvio-epar-product-information_en.pdf. Last updated: April 2023. Last accessed: January 2024. [UPDATE AT DAY 0]
  3. Data on file. Takeda Pharmaceuticals.
  4. Soler D, Chapman T, Yang LL, et al. J Pharmacol Exp Ther. 2009;330(3):864-875.
  5. Briskin M, Winsor-Hines D, Shyjan A, et al. Am J Pathol. 1997;151:97-110.
  6. Eksteen B, Liaskou E, Adams DH. Inflamm Bowel Dis. 2008;14:1298-1312.
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